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人事労務のマニュアルの作り方【①業務を整理しよう編】

こんにちは。
レジェンダ・コーポレーション株式会社 人事・労務支援事業部のWです。

■「安定的かつミスのない処理」のための鍵

給与計算など人事労務の仕事において、もっとも重要なことの一つが「安定的かつミスのない処理」ですよね。
万が一手続き漏れによって支払いが滞ったり、給与計算に誤りがあったりといったことがあると、従業員の方にとって重大な不利益が生じてしまいます。
 
たとえば、日々の業務の中でこんなことはありませんか?

・業務を把握している担当者が1人しかおらず、休むと業務が回らない
・業務を後任に引き継いだものの、なかなか理解が定着せず、ミスが多発する
・年に一度の作業のため、前任から十分に引継ぎを受けられなかった

……結構「あるある」なのではないでしょうか。
ですが、このような状況が常態化すると「安定的かつミスのない処理」からは遠ざかってしまいます。
これを防ぐために有効なのが「マニュアル」です。

■マニュアルの要素

マニュアルというと、作業手順が詳しく書き込まれたものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
もちろん作業手順も重要ですが、それだけだと業務の全体像や目的への理解が深まらず、「手順通りにやること」が目的化してミスにつながることが多々あります。

人事労務の仕事を安定的かつミスなく処理するためのマニュアルには、 
【作業時に参照するための手順】 以上に、
業務理解のための概要説明】 が大事です。
 
しっかりと業務の全体像や目的が掴める状態にしておくために、
マニュアルには「概要説明」を盛り込んでおきましょう。
 
◆この作業の目的は何なのか?
◆いつ、どのくらいの頻度で発生する作業なのか?
◆前提としてどんな法律や社内規程を押さえておくべきなのか?
◆ある作業と別の作業の間にはどんな関連があって、どう影響するのか?
 
こうしたことがマニュアルに明記されていれば、「あの人でないと分からない」という属人化を防ぐことができ、業務体制や品質の安定につながります。また業務の概要説明がドキュメント化されていることで、業務引継ぎのための時間・手間の削減にも効果を発揮します。

■業務の整理整頓をしよう

ところで全く話は変わりますが、整理整頓はお好きですか?
「トレーなどで適切に仕切られ食材が見やすく取り出しやすい冷蔵庫」とか「死蔵された洋服がなくすっきりとしたクローゼット」とかの、アレです。

私は、(自身が実践できているかは置いておいて)インスタグラムなどのSNSでお片付け術を見るのが大好きです。整理収納のプロが手掛けた押入れのBefore/After画像などを見ていると、うっとりとしてしまいます。
 
巷でよく言われている整理整頓の教えだと、以下の3つの順で進めるとうまくいくと言われています。
①全部出す
②分ける
③しまう

たとえば、クローゼットにしまってある洋服類を
①一度全部出して持っている服の全量を把握し、
②着ている服・着ていない服に分け、
③必要な服だけを使用頻度や用途ごとに適切な場所へ収納する、
ということですね。
この考え方は、業務整理にも活かせます。
 
例として「退職手続き業務」で説明してみます。
人事部の退職手続担当者として、以下のような作業を行っていたとします。

・社内のワークフローシステムで従業員から退職申請が起票され、上長・人事部長が承認する。退職手続担当者は、承認された申請を台帳に掲載する。その後、退職手続書類一式をまとめて対象者宛に発送する。保険証や退職金手続き書類などが提出されたかを管理し、未提出者には督促する。

・休職中などで社内ワークフローシステムが使えない場合は、紙の退職届を従業員が提出し、上長・人事部長が承認。退職手続担当者はこれも同様に台帳に掲載する。また紙の申請であるため、人事管理システムには手動で退職日を登録する。その後、退職手続書類一式をまとめて対象者宛に発送する。保険証や退職金手続き書類などが提出されたかを管理し、未提出者には督促する。

・受入出向者が出向元に戻る場合、退職申請は起票されないので、人事管理システムで出向元に戻った対象者を抽出して台帳に掲載する。特段退職手続きは不要だが、社員証などの貸与物は返却してもらう。未返却者には督促する。

・定年退職者後に嘱託で勤務する社員については、社内ワークフローシステムを継続して使用するため退職申請は起票させない運用としている。そのため人事管理システムから60歳到達対象者を抽出して台帳に掲載する。その後、定年退職者向けの退職手続書類一式をまとめて対象者宛に発送する。保険証や退職金手続き書類などが提出されたかを管理し、未提出者には督促する。

このまま作業ベースで説明を受けたら、理解できるでしょうか?
なかなか全体像や目的が見えづらいのではないでしょうか。

そこで、次回はこの「退職手続き業務」を ①全部出す→②分ける→③しまう の流れに沿って具体的に整理してみます。

#整理整頓 #属人化防止 #品質維持 #マニュアル #レジェンダ

https://www.leggenda.co.jp/


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