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#354 「米八東日本事件」新潟地裁

2014年2月5日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第354号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【米八東日本(以下、Y社)事件・新潟地裁判決】(2012年12月6日)

▽ <主な争点>
心臓性突然死した従業員に対する安全配慮義務違反など

1.事件の概要は?

本件は、Y社の従業員であったXが死亡したのは過重労働が原因であるとして、同社に対し、Xの妻子(Aら3名)が労働契約に基づく安全配慮義務違反に基づき、Xの母Dが不法行為に基づき、損害賠償の支払いを求めたもの。

なお、Y社の店舗の店長であったXは有給休暇を取得して深夜にテレビでワールドカップの決勝戦を観戦していたが、翌朝ぐったりとして反応がなく病院に搬送されたが、心臓性突然死により死亡したことが同病院で確認された。

2.前提事実および事件の経過は?

<Y社、XおよびAら4名について>

★ Y社は、百貨店・駅ビルの食料品売場において「おこわ米八」を中心とする米飯・総菜の店舗を運営している会社であり、新潟伊勢丹地下食料品売場(以下「本件店舗」という)に出店していた。

★ Xは、本件店舗の店長として、従業員3名とパートスタッフ1名を管理、監督する立場にあった者である。また、大のサッカー好きであった。

★ AはXの妻、B(平成11年生)およびC(平成14年生)はXとAの子、DはXの母である。

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<Xの死亡前後の状況について>

▼ Xは平成18年7月5日から有給休暇を取得し、同月9日深夜にサッカーのワールドカップ決勝戦を見るため、自宅1階のソファーに座ってテレビを見ていた。明朝、2階の寝室で就寝していたAが階下に行くと、Xがぐったりしており、体を揺すっても反応がなく、救急車で病院に搬送されたが、同病院で心臓性突然死による死亡が確認された(享年36歳)。

3.Xの遺族Aらの言い分は?

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