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#472 「K社事件」東京地裁(再々掲)

2018年10月17日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第472号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【K社事件・東京地裁判決】(2017年5月19日)

▽ <主な争点>
社内暴力を理由とする期間途中の解雇、雇止めなど

1.事件の概要は?

本件は、X(契約社員)がK社に対し、懲戒解雇が無効であること、労働契約法19条(有期労働契約の更新等)に基づいて有期雇用契約が更新されることならびに懲戒解雇、それに至るK社の対応および契約期間満了後の更新拒絶には不法行為が成立することを主張して、雇用契約上の権利を有する地位の確認ならびに解雇後の賃金、慰謝料100万円等の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<K社およびXについて>

★ K社は、一般貨物自動車運送事業、倉庫業等を目的とする会社である。同社は現金の集配金サービス(顧客の店舗から売上金の回収、銀行納金代行、釣銭用の現金や経費資金の配達などを行うサービス)等の事業も行っている

★ Xは、平成16年1月以降、K社との間で半年ないし1年の期間を定めて雇用契約の更新を繰り返し、28年1月まで約12年間にわたり、契約社員として現金の集配金サービスに従事してきた者である。なお、直近の契約書で定められた契約期間は27年6月16日から28年4月15日であった。

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<本件解雇に至った経緯、解雇後の経過等について>

▼ 28年1月17日、XとA(K社の正社員)が作業場内を歩行してすれ違う際、両者の右肩付近がぶつかった。このことをきっかけとして、XがAを両手で突き放して近くにあった台車にぶつけ、両手でAの胸倉を掴むような動作をしながら向かっていくという出来事が生じた。

▼ Xは上記の出来事に関し、翌18日から自宅待機の指示を受けた。K社は同日および同月23日にXとの面談を実施した。

▼ 同月29日、K社はXに対し、「1月17日の出来事の際、XがAと肩がぶつかった後に襟首をつかみ押し、暴力行為を働いたとの理由で諭旨解雇処分にする」旨を通知したが、Xは退職願を提出しなかった。

▼ K社は同年2月5日、「諭旨解雇で退職届の提出を求めたが、提出されないため、懲戒解雇処分とする」旨を記載した通知書を交付し、Xを即日解雇した(以下「本件解雇」という)。

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