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#326 「秋田港湾事件」秋田地裁

2012年12月26日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第326号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【秋田港湾(以下、A社)事件・秋田地裁判決】(2011年2月24日)

▽ <主な争点>
賃下げ合意が錯誤無効か否かなど

1.事件の概要は?

本件は、A社の従業員であるXらが同社に対し、賃下げ合意が錯誤無効であるとして、平成21年2月分から22年12月分までの賃金について、賃下げ前の賃金との差額の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<A社およびXら9名について>

★ A社は、製鉄原料の回収、加工および販売等を目的とする会社であり、秋田市内に本社および工場、能代市に工場を有し、平成22年8月31日現在の従業員数は39名である。

★ Xら9名は、いずれもA社の従業員であり、かつ同社の従業員で組織する労働組合(以下「組合」という)の組合員である。

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<本件賃下げ合意に至った経緯等について>

★ 平成20年9月のいわゆるリーマンショックの影響を受け、鉄スクラップなどの相場が極端に冷え込み、A社は同年10月決算において、4億6000万円強の赤字という状況であった。

▼ 21年2月5日、A社は全体説明会を開催し、全従業員に対し、経営状況が非常に悪いことを説明した。その際、このままの状態が続くと大幅な人員削減も避けられない状況に陥るという見通しについて話した。

▼ 同月26日、A社は従業員と個別の面談をし、給与の減額内容を説明するとともに同社の厳しい状況を伝え、給与減額への同意を求めた。その際、同社はXらに対し、リストラを回避するために賃下げに協力してほしい旨話した。

▼ XらとA社とは同月26日から3月2日までの間に、同年2月分からのXらの賃金引き下げについて合意した(以下「本件賃下げ合意」という)。

▼ A社は同年3月19日、Xらと同様に賃下げに同意した16名の従業員に対し、いわゆるリストラを通告した(以下「本件リストラ」という)。

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