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落武者ギタリストが脳出血になりましたが、何か?⑧リハビリ開始

ベッドの上でゴロゴロ。
スマホ長く見ると頭痛くなるからゴロゴロ。
TVみたいけど有料、なんか嫌だからゴロゴロ。
そんな時の救世主。
音楽なんですねぇー。
スマホに沢山音楽取り込んであるので、いつ何時でもジーパンのポケットに入っているイヤホンにて、
もう、起きてる時間はずっと聴いていました。
ランダム再生なので、演歌流れてノリノリで聴いてたと思うと、次はデスメタルかかったり、アニソンだったり、J-POPだったり。オールジャンル入りまくっているので、
まー飽きない。
ベッドの上で何もなく耐えられたのは間違いなく音楽聴いてたからですね。
ただやはり、視界がずーっと同じってのは辛かったですね。
あとの楽しみは、
誰かと話す事でした。
残念ながら病室の人達とは一言も喋る機会はありませんでした。ずっとカーテン閉まったままでしたし、本当に物音がしなかったくらいだったので、察するに、僕よりは重症だったのでしょう。
いや、僕もそこそこ重症ですけどね。
で、話し相手というか、
会話ができる人とは、
主治医の先生、看護師さん、入院手続きやなんかを色々教えてくださる職員さん、そしてお見舞いに来てくださる皆様。
話をすると言っても、自身の容態を話すか、名前と生年月日言うか、トイレお願いします、くらい。
もう、充分なわけです。それだけでも、誰かと会話するのがこんなに有難いと思いましたね。
頭もなんとか働きだし、呂律はしっかりとしているもんだから、このお喋り性分な僕は、更に喋りたくなってきた。ボケたくなってきた。笑いをとりたくなってきた。
嗚呼、ダメな所がでてきたな。
と言いたい所ですが、元気に回復に向かっているというポジティブ思考で自分にいい聞かせる。
もうアレを言いたくて仕方がない。
名前ボケを。
食事受け渡し時、お薬もらう時、リハビリ行く時、入院中は何するにも生年月日と名前を必ず確認されるんです。
もうボケたい。言いたい。
過去何十年、病院で繰り広げられたであろう、
お調子者VS病院関係者様
挑みたい。挑まなきゃいかん。
病院以外でも、常日頃から、もう二十年以上色んな人に言い続けてきた、

ブラッドピッドです!

って言いたい。
いや、言う。
もう次誰か来たら言う。
絶対迷惑や思う。でも頭のリハビリと割り切って言う。決めた。
そして、

時は来た。

被害者は、入院にあたり、必要な手続きを教えてくださる相談員の方。
本当に素敵な方で、常に笑顔。
背は低く、もう、大変に可愛らしい方。常に笑顔。全身から優しさが溢れてるのよ。親身になり、わからない事を一生懸命にお教えくださる。常に笑顔。感謝しかありません。
そんな方に僕は、なんて事。
いや、もう決めたんや。
きた。
もう、失礼します。生年月日とお名前をお願いします。

ブラッドピッドです!

言えた。噛まずに、呂律も大丈夫。やった。
相談員の方、もう、百戦錬磨ね。
「あはっ!あぁー、あははは、ですよねー、で、加藤さん、入院手続きのね、、、」

きちんと相手していただき、綺麗にスルーを感じさせないスルー。
もうプロや。スルーのプロや。
こんなに素敵で可愛い方が、もう、スルーのプロや。

あれ?傷つかなかったよ?なんてこった。
病院って、すっごい。感動しかない。
主治医の先生、看護師さん、リハビリの先生、お掃除のおばあちゃん、皆様おそらく、スルーのプロやろうと悟った。
完敗でした。
優しさに包まれまくった完敗。
病院って優しい。全部優しい。
もう、住みたい。ありがとうございます。

頭をしっかり使ったオリジナルリハビリは、優しい完敗に、温かい気持ちで終了。

リハビリにも色々あるんよ。
これリハビリなんか?いや、リハビリ。


まだまだ続く。


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