見出し画像

涙雨


癒えかけていた
昏い切り傷が
静かに開いてゆく
今宵

雨が
窓を叩く
優しい夜



寒いのは
多分
気のせい
独りだからじゃない


ならば
何故

胸が
こんなにも痛むのだろう


眠れず
閉じた瞼から
とめどなく

が流れ出してきて


枯れることは
忘れたまま
飲み干すことも出来ず


優しい嘘
が欲しくて

悲しい言葉
を知らないふりして



で出来た


足を取られてしまい
身動き出来ないでいる



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?