矯正するということ

「矯正」―おそらく左利きとして産まれたならば、九分九厘誰もが避けて通れない道でしょう。
みっともない、世の中で不便しそうと、お子様なりお孫さんなりを右利きに矯正しようとしている皆様へ、一当事者から一言申し上げておきます。

左利きの右手は、いくら訓練しても、右利きの右手ほど器用にはなりませんよ。
確かに、世の中での不便感は軽減されるかもしれませんが(かくいう自分も、箸と鉛筆とハサミは右に直されました)、それは当事者のスタートラインを、運良く右利きに産まれた子より後ろに引き下げる行為に他なりません!

私の場合最悪だったのは、右手持ちに矯正されても正しい持ち方には矯正してもらえなかったことです。
お陰で箸遣いは超下手だわ字もミミズだわ…そうして、利かない右手を一生不自由しながら使ってゆくのです。

最終的な判断は保護者様たちに委ねられるのでしょうが。
矯正を決めたのならば、キッチリ正しい持ち方まで仕込んであげるまでが矯正です。
その程度の覚悟もないような人は、お子様の意思どおり左手を使わせてあげてくれませんか?
私のような悲劇は、もう繰り返して欲しくありません。

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