片足
顔を明後日の方向に向けて、片足だけ突っ込んでる。
日常というか、自分を取り巻く空間というか、自分というか、毎日というか、時間というか、
生に本気になれていないような気がしてならない。
学校の座席に座って、後ろの方の人だかりの中で笑っている人を見ると、夢中に笑えることがたやすくできる人を羨ましく思う。
笑いとか、涙とかそういうものは、その人が空間に溶け込んで一体化しているからできるんだって信じてるから。私は、どんなに感動的な一幕で、周りがどんなに涙していても、自分が感動しなければ、周りを気味悪がるような人間だ。その空間と一体化出来れば、私もそこで感動に胸をいっぱいにさせて、溢れるような純真な涙を流せるのに。
空間に本気になれず、いつも片足だけ突っ込んでいて、それでいていざもう片方の足を空間に突っ込もうとすると、本当の自分を異国に置き去りにしていくようなきがする。
どうにも本気になれないまま、時間だけが過ぎていくだけで、私は透けガラスを何層も重ねたようなぼやけた孤独を忘れられない。
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