西とボカロ曲 5選
※トップ画像は、「【ボーマス20参加】「月・西江」のPVを作ってみた」(原曲:Solpieさん、PV:佐又さん)からスクリーンショットをお借りしました。問題があればご指摘ください。
レポートのために、記事作成が遅れてしまいました。
2月4日は、「に(2)」と「し(4)」の語呂合わせで「西の日」とされています。(2月4日 - Wikipedia)
ビートルズの愛称"Fab.4"を"Feb.4"(February 4)にかけて「ビートルズの日」でもあるのでビートルズカバー作品でも良かったんですが、「ビートルズの日」は、1966年に来日した6月29日も記念日になってるので、そっちの方がふさわしいかなあ、と。
(修正)facebookは左馬名義で登録してたら、なぜか追い出されたんですが……個人情報登録しろとか言ってくるので放置してますw
さて、「西」がタイトルに入った作品で5選、行ってみましょう。
1.【KAITO・MEIKO】東ノ暁 西ノ黄昏【オリジナル】(仕事してPさん)
遥か彼方に光り輝く 昇る黄金 瞳眩しく
仰いだ両の手の平を照らす 東の暁
明日へ向かいて沈み落ち行く 揺れる紅 円を描いて
薄明かりに淡く星屑散らす 西の黄昏
仕事してPさん、年長組の和風曲、2009年元旦の投稿。KAITO兄、MEIKO姉の双唱に聴き惚れます。高音域の伸びやかな声が重なり響きあう、仕事してPさんの特徴ですね……素晴らしい。さすが、伝説の年長組マスターです。
2.【鏡音リン】 純情通リ刹那西入ル三丁目 【オリジナル】(えこまるさん)
そっと過ぎる平成十八年五月十日(きょう)の景色に
ふたり戯れる 子猫のように
ふわり風が窓から吹いて
ぼくらまるでひだまりです、残像。
曲:えこまるさん、歌詞:はいのことんさん、リンちゃんロック、2008年12月27日投稿。鏡音1周年作品。リンちゃんの背景には夕暮れの街並み。瑞々しい情感を捉えた歌詞と、昭和的な哀愁をも感じるダサカッコいいロックのリズムが、良い按配のバランスとなっています。
3.out of survice / 「西新宿JCT」Music Video(out of surviceさん)
激しかった夜の信号が赤く灯って消えた
ほのかに光る真空管(tube)から聞こえる独り言
明るく真似た音声に荒くディストーションをかけ
眠らない街で溺れそう ラジオ(radio)はまだ続くみたい
曲:out of surviceさん、MV:すこっちさん、ONEちゃんでポップロック、2015年投稿。UGCアワード上映作品、アルバム「終焉JCT」収録曲。軽快で心地よいリズムに乗って、ONEちゃんの調声が聴きやすい印象。声の揺らし方には賛否あっても、もっと伸びてよい曲だと思います。現在7万再生。
4.【初音ミク】東西東西狂乱興行【オリジナル曲】by HaTa(HaTaさん)
ハイ、ではみなさん、ハイ、御一緒に――
テムポ正しく、握手をしませう。
HaTaさんの27作目、テンポ自在の和風曲、2017年。イラストはplug.さん。サビの運びも、後半にくる間奏部で少しゆっくりにして語るように刻むのも素敵なんだよなあ。
上記にも示した歌詞は、中原中也の『春日狂想』からの引用です。詩人が長男の死を悼んだ詩で、道化風の軽快さの底に、家族の死や自らの病による苦しみが滲みます。特別に何かできるわけでもない自分が、人生を悲観せず穏やかに過ごしていく心持ちへと変わる、これが最後の「テンポ正しい握手」の呼びかけにつながっていきます。Hataさんの歌詞はこの詩を当世風に読み替えたものと取れるわけで、恐るべき文才。
5.【ボーマス20参加】「月・西江」のPVを作ってみた(曲:Solpieさん、PV:佐又さん)
晚风岸抚柳 笛聲殘 夜風が柳を払い 笛の音は消えていく
看红叶 秋色染 紅葉はだんだん秋色に染まり
飄零滿江 千里风霜 川面に落ちて 千里まで寂しさを運ぶ
扶手一行茉莉紗 不覺胭脂伤 薄衣で欄干に寄り 落ちる頬紅にも気づかず
泪沿江倾洒 とめどなく涙を零しながら川沿いを歩く
曲:Solpieさん、PV:佐又さん、民族調曲、2010年5月28日投稿。ゆったりと優しい中華風のメロディに乗せて、ミクさんが見事な調声の中国語で歌っています。Solpieさんは中国・広西チワン族自治区のボカロPさん(当時は20歳の学生)で、原曲は2010年5月7日にニコ動に投稿されましたが、作者が中国の方と言うだけで心無い中傷コメントで荒れてしまい、約1週間ほどで投稿者削除されています。この件は当時、複数のニュースサイトでも取り上げられました。そして、作品に感銘を受けた佐又さんが、Solpieさんの許可を得てPVをつけて投稿したのが本作というわけです。PVもまた圧巻で、色づいた山水画風の花川を背に、ミクさんが大人の佇まいを見せています。
日本では知る人ぞ知る名作でしたが、中国語圏のボカロファンの間ではアンセムとなっています。2015年6月の上海MIKU EXPOにて、アンコールの1曲目として採用された際には、驚きと歓声をもって迎えられたそうです。
なお、YouTubeでは、中国語ボカロとカバーしている作品もありました。よろしければ、ご覧ください。
【初音V4C/乐正绫/心华】月西江【溱绫/逢时】【翻唱曲/pv付】
それでは、今回はこの辺で。
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