見出し画像

合格するために「ビジネス著作権検定 上級」の勉強方法

やりました!
ビジネス著作権検定上級に合格しました。

いやぁ仕事柄、著作権に触れているので、余裕だと思っていたのですが、手強かった…。こりゃムリだ、なんで受けようとしたのか、と挫折しかかったのですが、なんとかなりました。著作権は創作のうえで切っても切れないので、これで前提知識を身につけることができたかと。

せっかく勉強したので、著作権ってなにか?という話をしながら、どのように勉強をしたのかをまとめていきたいと思います!


なぜビジネス著作権検定を受けたのか?

いま在籍しているコルクは、オリジナル作品を生み出すだけではなく、作家エージェントを担っています。だから、著作権だとどうなるのかを照らし合わせる場面が多いんですね。

著作権の社内レクチャーもあるので、基礎知識は身につけていたのですが、実際の現場では迷う場面も多い。著作権を体系的に学びたいというのが、ビジネス著作権検定を受けた理由です。

著作権ってなに?

著作権とはなにか?についてもまとめておくと…

著作権ってクリエイターの権利なわけです。クリエイターが生み出した作品を勝手に使っちゃダメだよ、その作品がどう利用されるかを決定できるのはクリエイター(著作権者)だよ、ということが主張できる。

では、著作権の対象になる「著作物」とはなにか?著作権法では、次のように定義されています。

著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう

著作権法 第2条

なんかよくわからん!

もう少しかみ砕くと、著作物には3つの条件があるんですね。

  • 創作性があること

  • 思想または感情の表現であること

  • 表現したものであること

「創作性」はオリジナリティがあるかということ。ただ独創性がなければいけないというわけでもなくて、作者ならではの要素があればOKくらいなんですね。だから、子どもの落書きだって、著作物になる。

「思想または感情の表現」は、人の内側から湧き上がってくる感情がベースにあるということ。データや事実は、著作物になりません。

「表現したものであること」は、アイデアの段階では著作物にならないということです。すごいこと思いついた!だけど作品として形にしていなければ、権利を主張できない。アイデアはだれもが自由に使えるんですね。

で、著作権を勉強していると、アイデアを出すことよりも、ゼロからイチをクリエイトする行為に価値があるとあらためてわかります。

それとともに、著作権の目的して、創作した作品について勝手に真似されたり利用されない権利を守ることがある。さらにはここが大事なのですが、著作権があることによって、文化発展に寄与する土壌づくりにつながるという考え方があります。いかに作品を作りやすい環境にできるか。創作行為が尊重されているのです。

勉強のポイント

試験勉強をはじめたのは、テストの10日前くらいです。かなりしんどかったです(ホントは1、2ヵ月はあったほうがいいと思います)。

勉強方法としては、

  1. 公式テキストと文化庁のテキストをざっくり読む

  2. 大事だと思ったポイントをメモしておく

  3. 過去問を一度、解いてみる

  4. 不足している知識がわかるので、テキストを読み込む

  5. メモに追記していく

  6. 過去問を解いてみる

といったことを繰り返していきました。とにかく過去問は早めに解いてみたほうがいいと思います。ここで難易度が把握できるので、なにを勉強すればいいのか、定まってきます。自分の場合は、過去問を一度解いたときに、「ヤバい!」「まったく点数がとれない!」と、本気モードになれました。

で、重点的にやっておくべきなのが、「著作権の許可がいらない場合」をしっかり把握すること。これがややこしいんですね。ダイレクトに問題として出てきます。過去問をやりながらそれぞれを整理していって、その線引きをつかんでいきました。

  • 私的使用のための複製

  • 図書館等での複製・インターネット送信等

  • 引用・行政の広報資料等の転載

  • 教科書等への掲載

  • 学校教育番組の放送等やそのための複製

  • 教育機関における複製・公衆送信等

  • 試験問題としての複製・公衆送信

  • 視覚障害者向けの著作物利用

  • 聴覚障害者等向けの「字幕」の作成等

  • 非営利・無料の場合の著作物利用

  • 政治上の演説、裁判での陳述の利用

  • 時事の事件の報道のための利用

  • 裁判手続等による複製

  • 美術品等の展示、屋外設置の美術品、建築物の利用

  • 美術展における作品の解説・紹介のための利用等

私的使用や学校では、著作権を考えずに使っていいように善処されていることが多いです。あと美術品は、自分の感覚と著作権のルールにズレがあって、苦戦しました。

著作権おすすめ本・資料

ここからは検定のために読んだ本や資料を紹介していきますー。

『ビジネス著作権検定 公式テキスト[初級・上級]』

情報が見やすくまとまっているので、この本を軸にしながら勉強しました。1回はざっくり読んで、わかりづらい点を中心にメモをとっていく。過去問をやりながら、また2回め読んで、足りない知識をメモしていきました。

『著作権テキスト』

文化庁がいい資料を用意してくれています。前述した「著作者の権利の制限(許諾を得ずに利用できる場合)」を重点的に読みました。

https://www.bunka.go.jp/.../seidokaisetsu/93726501.html

『著作権とは何か』

著作権の本なのに、びっくりするくらいおもしろいです。わかりやすく書いてくれているし、身近な例が入っているんですね。ネットやSNSの発達によって、著作権はだれもが関係することになったとわかります。改訂版があるので買うならそちらを。

『クリエイターのための権利の本』

具体的なケースで説明してくれるので、これが知りたかった!という回答を得られます。 たとえば「町並みなどで無関係の人が写り込んだ写真は使えないのか?」「フリー素材は自由に使ってOKか?」「どの程度の引用なら許せるのか?」といった内容を解説してくれます。試験でもさまざまなケースが出てくるので、参考になりました。

『エセ著作権事件簿』

「松本零士と槇原敬之」「ポニョ事件」「ミッキーのプール事件」など、71の事例がまとまっています。軽快な筆致で読みやすい。ネタ本だから直接的な試験対策にはなりませんが、著作権とはなにかを知るにはいい。息抜きとしても読んでいました。

著作権を体系的に学ぶ意味

試験を受けることで、強制的にインプットをして、体系的に学ぶことができたと思いますた。知識を詰め込みました。それによって、著作権の概念がつかめるようになるので、さまざまなケースで判断しやすくなったと感じました。もちろんあくまで専門家ではないので、気をつけながら判断しないといけないわけですが。

コルクでは、創作するだけではなく、創作物をどう広めるか・どう活用するかをやっていますので、さらにワークできるイメージがあります。合格して終わりではなく、ここから知識を現場で使っていけるようにと思います!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?