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ロシア映画『動くな、死ね、甦れ!』 ルーブル美術館より価値があるラストシーン

これまで観た映画ベスト3に入る作品です。と言うか、そう言いたくなる作品かな。まず題名が良いですよね。「好きな映画は何?」と聞かれてこの作品を答えることができれば、映画通からは一目置かれます。たぶん。

今や有名女優の二階堂ふみも、出世作でのオーディション時に、この作品が好きだと言って、出演の決め手になったというもあります。

第二次世界大戦直後のソ連極東、主人公ワレルカこの地でグレながら育っている。
周囲では殺伐とした大人たちの世界が繰り広げられている。
収容所の囚人の姿、日本人捕虜、強盗、密告。
唯一、幼なじみの少女ガリーヤだけは、ワレルカを気遣ってくれる。
ワレルカはイタズラが嵩じた結果、他所に家出することになるが
そこでは強盗団に入り、強盗殺人の片棒を担がされる。
なんとか少女に助け出された主人公はともに帰路につくが・・

回ったり、叩いたり、滑ったり、こけたり、走ったり、登ったりと、とにかく動きが多く、観ている方も身体感覚を刺激される。こういう手法は観ている人を惹き付ける効果があると思う。

本作のヴィタリー・カネフスキー監督はソ連時代に無実の罪で8年間投獄された経験があります。圧倒的な苦労、圧倒的な災難にあった人間のつくる物語というのは凄みがあるなと。

で、ラストシーンはぶっ飛んでいます。脳天ぶち抜かれました。これだからロシア映画には一目も二目も置く。ルーブル美術館100個分ぐらいの価値がある。

ちなみに本作には続編が二つあって、どんどん映像の自由度が上がっていきます。

#映画 #ロシア映画 #動くな死ね甦れ #ヴィタリーカネフスキー  


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