演技、哄笑、絶望 ―Danny Elfman『Big Mess』を巡ってー
「何もかもジョークなんだよ…皆が大仰に崇め奉っているモノも、後生大事に戦い守っているものも…すべては桁外れにバカげたジョークさ」「だったらそいつを楽しみゃいいだろ?なのに…おめえはなぜ笑わないんだ?」
―『バットマン:キリングジョーク 完全版』より
この忌まわしい疫病の時代の暗黒面を、これ以上なく克明に描写した2020年代最初の名盤として記憶されるにふさわしい本作。黒という色がありとあらゆる色を重ねた汚濁の末に現れるそれであるように、Danny Elfman『Big Mes