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その娘、お花ガール

本日もお疲れさまでぇぇーーす!
毎日あっついですね!!!
でも私は夏が好きすぎて、毎年1年、夏待ち焦がれているので。。。毎日幸せです😍笑。

その昔、連載を出してました。
夏になったら、いつもこの話を思い出す、
私の大切な大切な育児日記です🙈

今や長女は年長さんになり、
虫取もプールもできるようになりました。この記事を書いていた、5年前の当時の私もお疲れさまです!!!!😊🙏
その記録をここに。
*イラストはびしばし様から素敵なイラストお借りします!!ありがとうございます!!

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長女カレン 2歳。 第二子にして、念願の… 女児!!!
生まれた時から<女の子>に対する私の期待は凄まじく、服はもちろんフリフリレースにピンクにかわいいキャラクターもの。お兄ちゃんのお下がりなんてもってのほか。
どうしても、おしとやかでかわいい<女の子>に育てたくて、 可憐でおしとやかな<お花ガール>になってほしくて 。

母親のエゴは止まらない。

1歳を過ぎるまでは、それはそれは期待どおりにおしとやかで、本当に絵に描いたようなお花ガールだった。
1歳を過ぎた頃から、少しずつお花ガールに異変が見られる。

まず負けん気が強い。
それも、めちゃめちゃ強い。 1月生まれで月齢が低いせいか身体も保育園では小さめ。 なのに、いつもやる気マンマンである。


保育園のお砂場。
隣のお友達の払った砂が少しカレンにかかった。 3倍にして砂をかけ返す。 そこから取っ組み合いのケンカになった。もちろん相手は男の子だ 。
お花ガールは負けない。
家でお兄ちゃん相手に鍛えたたくましさなのか、 男の子にタックルを決めてからの取っ組み合い。

先生たちが止める。 男の子が泣く。 お花ガールは謝らない。 お花ガールは泣きもせず、どこか誇らしげな顔。
母親の願いがこもった、ピンクのキティちゃんのトレーナーは砂まみれ。

お迎え時に先生からその話を聞いて母は唖然。 本当に自分でもびっくりするほど典型的な 「いや、ちょっと待ってください先生、うちの子に限ってそんな…」 気がつくとドラマのような決まり台詞を口にしていた。先生が笑いをこらえながら言う。 「本当にカレンちゃんは面白すぎて、私たちも止められないんです。ずっと見ていたく て…」

先生いわく。
クラスで先生が「男の子たち~」と呼ぶと、真っ先に「は~い!はい!はい!!」と返事をする子がいる。そして先生のすぐそばまで走ってきては振り返り、「おいでおいで~~ 」とみんなを呼び込む。その子の後ろに、ぞろぞろと男の子たちが並ぶそうだ。 先頭は、もちろんうちのお花ガールである。

そしてこの夏、困ったことが1つ増えた。
虫好きのお兄ちゃんの影響でお花ガールも虫が大好きになった。
「どんな命も大切にするお花ガール」と都合よく解釈する母は、虫のことはあまり気にかけなかった。

そんなお花ガール、虫を物怖じせずになんでも触る。 クラスの女の子たちは誰も虫を触れないのに、うちのお花ガールは、ダンゴ虫を手にうじゃうじゃ乗せて喜んでいる。家ではゴキブリホイホイをのぞくのが楽しみのひとつ。

「お花ガールは、どんな命も大切にする優しい子!!!!」

呪文のように 母は自分に言い聞かせる。
もう、やけくそだよ。


秋は保育園のドングリ拾いの季節。 牛乳パックで収集箱まで作って、毎日保育園のお散歩でドングリを拾っている。 「ドングリの保存の仕方」 のプリントまで保護者に配りながら。
やだな~ドングリって、虫わくんだよなぁ~

お迎え時。
「今日のお散歩で拾ったドングリが下駄箱に入っています!」
うわぁ~要らないんだけど~

「でも、カレンちゃんはドングリの代わりにセミの抜け殻を集めたので、ドングリが1つも入ってないんです…。 収集箱にセミのぬけ殻がうじゃうじゃ入っていたので、カレンちゃんはセミの抜け殻のお持ち帰りです!」

「は?」

先生は必至で笑いをこらえている。
玄関口の下駄箱の側に 1人ずつビニール袋が置かれていた。 それぞれ、大量だったり、少なかったり。 本当に拾った分だけ置かれている。
そこに、1つだけ黄金の、ひと際大きな収穫袋が。ものすごく立体的な何かがビニール袋に入れられている。
そのうえ中身がこっちを見ている…

絶対に要らなかったドングリが、ものすごく、欲しい!!! 誰か、これと交換して…! !
そして、こんなにも律儀に「子どもが拾ったもの」をお持ち帰りさせてくれる保育園。 個性尊重しすぎでしょ。
なんてステキな園なんだ…
お花ガールはうれしそうだし、なんだか自慢気。

勘弁してくれ~~

突然、お花ガールが 「あけて」と言いだした。
セミの抜け殻を? 今? ここで?

しかたなくビニール袋を開ける。お花ガールは、そーっと1つずつ手に取って自分の服に付け始めた。 しかも、抜け殻のつめの先と服の繊維がよく引っかかって、 びっくりするほどうまくくっつく。

「バッジ」

あーあ、今日初めて着たマイメロディの服が…


それから毎日、お花ガールは バッジを付けて帰る。
ドングリを持ち帰ったことはまだ一度もない。

朝夕が冷えてくる秋の暮れに セミはいなくなった。
「カレンちゃん、今日はドングリ拾いましたよ!」と先生が言うものだから、 おっ!と思った。
「でもセミ、、ないねぇ~、、って寂しげでしたよ」 そういえば、最近お花ガールの後ろ姿がなんだか寂しそう。 置かれたビニール袋には、見向きもしなかった。
あんなにも欲しがっていたドングリを、母はソッコーで自然に還した。

帰り道に木を指さして、お花ガールはもう一度言う
「セミ、ないねぇ~」
「うん、いないねぇ。また暖かくなったら、セミさん、出てきてくれるからね。 早く夏が来てくればいいね!! 」
来年は抜け殻じゃなくて、セミ取りに挑戦させてみよう。ほんのちょっぴり楽しみかも。

今から冬が来るというのに、来年の夏をモーレツに待っているじゃじゃ馬なお花ガールがいる。


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