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「発達障害の”課題解決”に向けた新しいアプローチを提案する2人」2周年イベントレポ前編

今年3月にLedesoneは創業2周年を迎え、それを記念してLedesoneのこれまでの活動内容や開催したハッタツソンで生まれたプロジェクトや現在発達障害を軸に活動されている方をゲストに迎えて「Ledesone 2th Anniversary Online Meetup」を3月22日に開催しました。

そんな2周年イベントの様子を前編と後編に分けてお届けします。

今回の記事では発達障害を軸に様々な活動をされている2人の話しがあったショートプレゼンのパートをお届けします。

「学生を中心とした発達障害の課題解決に向けたプロジェクト」

相良さん

登壇者:相良 壮馬(さがら そうま)

大阪大学医学部医学科2年 / inochi学生プロジェクト
1999年福岡生まれ。小学校低学年ごろまで体調を崩しやすく頻繁に病院に行っており、その時に医師に憧れを抱き、医師を志す。中学生ごろ、興味分野が多岐にわたり、社会問題などにも興味を持つ過程で、医療と社会問題両方の側面を持つ発達障害に興味を持つ。また、中学2年生ごろ軽度の吃音を発症し、より発達障害への関心を強めていった。阪大医学部進学後、「inochi学生プロジェクト」という学生団体に入る。その学生団体で、2019年度はプロジェクトリーダー(PL)のもとで心臓突然死の課題解決に挑む。2020年度は自らがPLとなって、発達障害の課題解決に取り組んでいる。

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「inochi学生プロジェクト」に2019年から入っており、コアメンバーとして活動していて、2020年から「inochi Gakusei Innovators’ Program」という高校生と取り組むプロジェクトの関西代表をしております。

inochi学生プロジェクトとは「若者の力でヘルスケアの課題を解決する」を理念として掲げる学生団体です。メンバーとしては東大・京大・阪大の医学生などを中心に活動しており、現在大阪の方では約40人、東京では40数人、金沢にも輪が広がり30人程が活躍しています。
理念にある通り、ヘルスケアの課題を解決することを目的としており、その中でも重要な点は
・新しい技術の活用
・コミュニティの中でのリーダーシップ
です。
その二つを用いて、ヘルスケアの問題に本気で取り組んでいます。

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次に提携団体である「inochi未来プロジェクト」という大人のプロジェクトを紹介します。
この団体は阪大の医学部に心臓血管外科の澤先生という方が理事長を勤めている団体です。

簡単にいうと、関西から医療を盛り上げていこうというような団体ですが、inochi学生プロジェクトはこの団体の学生支部という形で活動をしています。学生支部という形なので企画、運営であったりは、僕たち学生が行っていて、この団体が活動について承認するという形で行っています。

毎年11月の末くらいに、inochi学生・未来フォーラムという大きなフォーラムを開催します。ここで、高校生たちが自分で考えたアイデアをプレゼンしたり、基調講演等を行って、僕らから世の中に向けて発信する場を設けています。

ここまでのお話は、発達障害にはあまり関係のない内容でしたが、これから今回発達障害をテーマに行う「inohi Gakusei Innovators’ Program」について話しをしていきます。

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inochi Gakusei Innovators’ Program(旧inochi学生フォーラム)は、中高生・高専生対象のヘルスケア課題解決プログラムです。毎年決まったテーマが決まっており、今年は発達障害がテーマです。去年は心臓突然死、一昨年は自殺対策、その前は認知症の課題解決っていう風に、毎年テーマが決まっており、そのテーマの課題解決に中高生・高専生が5か月間取り組んで、解決策を競います。5か月間の期間は、僕たち大学生が関わらないわけではなくて、計10回の教育プログラムを通じて、大学生メンターと二人三脚でアイデアを磨き上げていきます。

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4月の上旬から5月の中旬にかけて中高生を募集、そこから面接などでチームを選考していきます。6-9月にかけて教育プログラムがあり、専門家のプログラムを受けます。その専門家が講義をしたり、残りの時間は大学生がメンタリングしたりします。メンタリングとは、高校生たちのアイデアのサポートであったり、話しをまとめたり、ファシリテーションしたりというものです。10月に最終選考会があり、ここで15チームの中から5チーム選ばれて、先程説明した、inochi学生・未来フォーラムで発表しその中から一位を決めるという形になっています。

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このような形で、ただのアイデアコンペに終わらせるつもりはなく、そのあと社会に実装される所までにこだわり、活動しています。

今年は「発達障害と、 共に歩む/個性を活かしあう 社会を作る」をテーマに行います。関西の中高生・高専生が、テクノロジーとコミュニティの力で「発達障害の人々の生きづらさをなくす」ための課題解決に取り組む約5か月のプログラムです。

テーマ背景は、日本の国公立の小学校の普通学級において発達障害の可能性がある児童は6.5%と言われています。これは40人クラスで計算すると約1クラスに3人、決して少なくない数字だと思います。このように1クラスに3人もの子どもが、特に対処されず苦しんで生活している部分があるのは、一つの大きな課題だと感じています。発達障害の方が就職し、一年後の離職率も28.5%ということで、そもそも就職するのも難しい現状もありますし、就職してもなかなか続かないのが一つの大きな課題としてあると感じています。

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発達障害の方が、大きな苦しみを抱えるのは小学校・中学校等に入学するタイミングであるといわれています。
inochiが取り組む意義として、主に5つあります。

まず1つ目は、私達学生は自閉スペクトラム症の子どもたちにより近い目線であるので、当事者の声がより伝わりやすいという点です。
小、中学校で学習内容が複雑化するにあたって全く理解できなくなってしまったり、人間同士・人同士の関係性も複雑化していくので、そこで、自閉スペクトラム症の子たちはより生きづらさを抱えやすくなります。

2つ目は、inochiが5年間を通じて蓄積してきた圧倒的な経験とノウハウです。
これによって、より本質的な課題解決が出来ると思っています。
3つ目は、それぞれのコミュニティに戻った時に、発達障害当事者の生きやすい環境づくりの為の起爆剤になるという事です。アイデアが実装される話もそうですが、参加している中高生や運営の大学生が正しい発達障害の知識を身に着けることで、発達障害当事者の生きやすい環境づくりのきっかけとなると考えています。
4つ目として、今の世の中の情勢として、互いに違いを認め合う、そのような社会づくりに取り組む機運が東京オリンピックやパラリンピックを契機に高まっているという事があると思います。

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僕らが考えている発達障害の課題解決の注意点は、1つ目、発達障害は病気ではないというスタンスを取っています。心臓突然死などは無くすべき対象ではありますが、発達障害は無くすべきというものではないと思っています。発達障害でありつつも社会で特性を活かしながら、生きていくという方向で問題解決を目指しています。
2つ目に発達障害の方々を救うのではなくで、その方々の得意な所を活かして、社会に活かせる事を僕らは目指しています。

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解決へのアプローチは、先行事例にも課題はあると思っており、僕らはその課題もリサーチして、これらで解決できなかった課題であったり、これらが救いきれなかった部分に着目して課題解決を行っていこうと考えています。

inochi学生プロジェクトが今行っていることとしては

・発達障害に関するリサーチ
・参加高校生リクルート
・運営大学生リクルート

をしています。

発達障害の当事者の方にヒアリングをしたいのですが、なかなか当事者の方にお会いできていないので、もしお近くに当事者の方がいらっしゃいましたらご協力をお願いいたします。

inochi学生プロジェクトとしてのゴールは、文部科学省、大阪府、スウェーデン政府(予定)等に政策提言をしていく、論文の執筆、海外のコンペでの優勝を目指しています。

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発達障害の方が過ごしやすい未来へという形で、今年の1月からプロジェクトは始まったばかりで、まだ具体的なアウトプットが出ているわけではないのですが、1年後、中高生たちが考えた具体的なソリューションを15個持って、実装へと踏み込んだ状態にしたいと思っています。

ここまではinochi学生プロジェクトの活動を行う相良さんの話しでしたが次は凸凹ギルドの活動を行う山本さんの話しです。

「発達障害のあるフリーランスのためのクリエイター事務所」

山本さん

登壇者:山本 祐己(やまもと ゆうき)

神戸大学経営学部4年 / 凸凹ギルド
1998年大阪育ち。家族に発達障害のある人がいたことがきっかけで障害分野での活動を始める。福祉業界の会社でのインターンを経て、2020年より発達障害のあるクリエイターを集めた集団、”凸凹ギルド”をつくり、主にデザイン業務の受託を行っている。副業として、引きこもり経験のある人を中心に設立された会社で、WEB制作事業に携わっている。

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今は凸凹ギルドを行っていますが、去年Ledsone(レデソン)主催のハッタツソンのエンジニアとして参加していたり、その後は株式会社LITALICOという福祉の会社でインターンをしていたりと、去年から福祉の分野で本格的に活動を始めました。
きっかけは、家族がアスペルガー症候群の診断を受けていて、就職活動に苦労したというのが、僕はすごいショックで、それがきっかけで去年から始めました。
その前はエンジニアとして活動していました。

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僕が目指している世界として、誰もが必要とされる社会というのを目指しています。特に仕事は人に必要とされたり、人の役にたったり、たまに怒られることもありますが、人の喜怒哀楽に結構影響を与えているなと思っていまして、そういった領域が人が幸せに暮らす上で必要だと考えています。

凸凹ギルドのコンセプトとしては、フリーランスと会社の間を目指しています。
「ギルド型組織」聞いたことがある人も居ると思うのですが、フリーランスよりも一人ではなく、会社組織よりも縛りがないような、フリーランスの集団の様なものを今作っています。

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図にするとこのような感じになりますが、今はデザインを中心に事務所として仕事を受けて、デザイナーの方に業務委託で外注するということを先月から始めました。
この事務所では、発達障害のある人の可能性を最大限に発揮して、多くの人に愛されるデザインを届けていきたいと考えています。

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発達障害の分野の課題を整理したいのですが、発達障害の方は推定で、大人でも300万人ぐらいいるのではないかと言われています。

発達障害のある人の就労状況はどのようになっているかというと、下図にはかなり極端に書いてありますが、主に二択あります。1つは障害者雇用枠で働く、もう1つは一般求人枠で働くという所ですが、それぞれ良い面、悪い面があります。障害者雇用枠だと合理的配慮を得やすく、働きやすい環境は比較的得やすい所ではあるのですが、給料の水準が低かったり、キャリアアップの仕組みがなくて給料も全然上がらないし、仕事内容も変わらないまま、10年も20年も働くというのが結構ざらにあります。

そのような状況もあり、みなさん最初は一般求人で狙いたいという気持ちもあり、実際に就職したりもしますが、離職率はこちらの場合は高くて、2年以内に離職したり、3か月で離職したり、転職歴が多い人だと10社とか20社とか。

このような、働きやすさとやりがいの二者択一を解決したいと思って、この事務所を立ち上げました。僕の家族もまさにここに当てはまっていました。

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働きやすさとやりがいのある環境をどうやって作るかというと、僕は今、近いのがフリーランスと副業だと思っていて、僕はフリーランスと副業をしている方をサポートすることで、この右上のゾーンを作っていきたいと考えています。

どんな方をターゲットにしているかというと、例えばASDのあるフリーランスのデザイナーさんだと、対人関係が苦手だったりして新規開拓営業が出来ない、進行管理やクライアントとの調整が苦手だったりすると、フリーランスとして独立することがすごく難しくなったりします。

極端に苦手な業務があったりすると、フリーランスとして一見自由に見えるのですが、全部自分でやらないといけないので、それがネックになってしまうということがあります。
この人がフリーランスとして独立するためにはどうすれば良いかという事で、僕が考えたのが、営業とディレクションを事務所に任せて、デザインに集中する仕組みを作る事です。
事務所としては営業トディレクションをデザイナーの代わりに代行して、デザイナーの人はデザイン業務に集中する仕組みを作ります。

今、メンバーはデザイナーとイラストレーターの方が5人(イベント当時)いて、和気あいあいとやっています。

根本的にやりたいことは誰もが活躍できる、必要とされる社会を作ること、かつ、発達障害というのは、結構、能力の偏りと環境のミスマッチで起こる障害だと思うので、その人が得意な部分に集中して、苦手なことは他の人と補完しあうような、そのような適材適所があるように、本気で事業をやりながら模索していきたいと考えています。

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先月から事業は始まったのですが、既に受注がきていて、例えば今月受けた案件だと、記事のサムネイル制作といい、ライターさんが書いた記事のトップの画像の部分をデザインしました。40個程デザインしまして、クライアントの方からは「めちゃめちゃイメージにぴったりでかわいいですね」とか「素敵なデザインをありがとうございます」という声があったり、SNSでシェアしてもらったりだとか、デザイナーの方もこういうのを見ているので、自分の仕事に誇りをもってこの案件で頑張った事を記事にしたり、自分自身で作った者をシェアしたり、このようにしてデザイナーのキャリアアップに繋げていきたいなと思っています。

改めてになりますが、
僕が目指しているのは誰もが必要とされる社会で、仕事を通じてもっと自分を好きになること。成功体験を積んで、自分の自己効力感とか自己肯定感を高めていくような居場所を作っていきたいと考えています。

○ 関連リンク

相良 壮馬
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山本 祐己
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※掲載内容はイベント当時のものです。

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