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玉川温泉で「治らない」と感じたときの対処法

玉川温泉はあらゆる病気の人が通う湯治場です。数週間滞在しているとあちらこちらから「治った!」「よくなった!」「この間湯治をして帰ったら検査の数値がよくなってた!」なんて話をよく聞きます。あちらこちらで次々に良くなっている人がいると「よし!自分もがんばろう!」と思えるし、良くなった人たちの体験談は参考になります。

私も本格的に湯治を始めたらすごくよくなったので、続けて通っていたのですがあるとき「思ったようにいかないな」と感じることがありました。

・停滞期というのがあるのかな?
・前はこれでよかったのにな~
・頑張っているのにどうして前みたいにうまくいかないんだろう
・しんどいな、効いてる感じがないのは本当につらいな
・ギュウウウも結構来てるのにな、それだけじゃダメなのかな?
・最初はあんなに効いてる実感があったのにどうして???
・みんなの言うこと信じてやっているのにな~

そう思って湯治がつらくなっていたんです。

最初のうちはギュウウウという痛みが来るとスッとしこりが消えていたのにだんだんと慣れてくるとそれだけではしぶとく残ったしこりは消えなかったんですよ。

玉川温泉で効果を感じられなかった人は意外といて大体が「コツをつかめなかった人」です。でも私はコツつかんだと思ってたんです。最初めちゃくちゃ効いてしこりが消えたから。でもずっと通っていると途中から変わらなくなってきてスランプがやってきたんです。

私はそれをいろんなおばあちゃんに相談して「なんでなんだろう?スランプかも~」と言うと、おばあちゃんたちはいろいろなアドバイスをしてくれました。

「もっと100%に長時間入らないとダメ」
 ➡もうすでに結構入ってるよ~
「あなた入りすぎよ!もっと短時間でいいのよ!」
 ➡そうはいっても入らないことには~
「たまには観光しにいって気分転換してきたら?」
 ➡昨日行ってきたよ~
「外の岩盤浴も行ったほうがいい。今から行こう」
 ➡疲れるんだよね~、しかも今日雨降ってますけど~
「今度夜中に一緒に岩盤に行かない?」
 ➡夜は怖いし子供いるから無理~

みんながいろんなことを言うものだからだんだんと混乱してきます。言われている内容が全部正解だということもわかっています。でもスランプだと今自分が何をすればいいのか自分でわからない状態なので、何を言われても「う~~~~~ん」という感じ。

そんな時複数人のおばあちゃんが「神社は行った?」と聞いてきたんですよ。

玉川温泉には神社があります。神社のある山の前には赤い鳥居があってその周辺にはラジウムの濃度が高い場所があるんです。そこはいわゆる重度の患者さんが集まっていました。ステージ4の人に人気の場所です。本気の湯治の中でも特に真剣味がすごい人達が集まっていて独特の雰囲気があります。

「健康な人や子供は近づいたらダメよ。あそこは強すぎるから」といろんなおばあちゃんたちに忠告されていたので、私も行ったことはなかったんです。こんなに何年も通っているのに。

私は明らかに外岩盤よりもお風呂に浸かるほうが体調がよくなった実感があったので、お風呂中心の湯治をしていました。たまに仲のいいおばあちゃんたちと約束をしたときに外岩盤で一緒におしゃべりをしに行くくらい。ほとんど行かなかったんです。特に神社方面は全然行っていませんでした。

するとあるおばあちゃんが「なんのアレもないんだけど、1回お参りをしに行ってみたらどう?鳥居の前にはいかなくてもいいからお参りだけしてくるのよ。神社なんて信じてない人のほうが多いと思うんだけど、せっかくこの温泉に来たわけだからここの神様にご挨拶の1回くらいしてもいいんじゃないかしら。何があるってわけでもないけど」と言ってくれたんです。

「それもそうか」という軽い気持ちで「そうだね、行ってみようか」と言うと、ほかのおばあちゃんが「え?行ってないの?全然神社お参りに行ってないの?だったら明日朝いちばんに連れて行ってあげるから一緒に行きましょうよ」と熱心に誘ってくれるんです。

なぜなのか聞いてみると「私も最初に来たときに全然神社に行ってなかったんだけど、治らないって相談したら行けよって知らないおじさんにめっちゃ怒られて、仕方なくいったらそのあと治ったのよ。」と言うんです。

そしてまた別のおばあちゃんは「私が知ってる人で4日で全部治したとかいうサラリーマンの人とかはついてすぐ最初に神社にお参りに行ってて、なんで行くの?って聞いたら『ここで湯治をするなら最初に神社に行くと良いって聞いたから。ここを紹介してくれた人がそういってたから』っていうのよ。嘘みたいでしょ?たかが神社で治ってたまるかって感じでしょ?でも上に行ったらなんか気持ちが変わるのよ。行ってみたらわかるのよ。ストンと何かが腑に落ちるみたいな気分になったのよ。私の場合は。だから本当に騙されたと思って1回行ってみたらいいのよ」と言うんです。

私はもう何にだって騙されるよ。玉川温泉では騙されたほうがいいことが多かったから。なんぼでも言いなりになるよ。

ということで、次の朝に神社に行ってみました。

階段を上がると大きな石がありました。その奥には少し小さめの神社があって一段高くなっているので周りを見渡せました。確かにあのおばあちゃんが教えてくれたように「気持ちがリセットされる感覚」というのを感じることができました。ずーーーっと湯治をしていると同じ景色しか見ないですよね。

朝から晩まで風呂!
ご飯作って掃除して洗濯して
おばあちゃんたちとしゃべるのは楽しいけど
そこにいある間毎日ずっと同じなんですよ。

意外とこの繰り返しに気がめいっていたのに自分で気づかなかったんだと思うんです。

「飽きてる」

これは人類にとってものすごい敵ですよね。だからかもしれないけどおばあちゃんたちは「うちの部屋来る?」と誘ってくれるんです。部屋が変わると見るものも変わるし気分転換になりますよね。湯治部にいるとTV見たりとかもないし、湯治という生活サイクルそのものに飽きてるんですよ。

お参りをしたときに「すぐに降りてこずにあそこにあるでかい石の上にでもしばらく座っていなさいよ」と言われていたのでその通りにしました。かなり長い間そこにいたと思います。子供を預かってもらってたので、30分くらい神社にいて階段を下りていくと顔見知りのおばあちゃんと会いました。

「あなた!せっかくこっち来たんだったらここに寝ていきなさいよ!」

と、場所取りをしていたところを譲ってくれたんですよ。隣にいたおじさんを押しのけて。

「絶対ここ!絶対ここよ!ここが一番いいところなのよ!あなたがガンでダメになったらあなたのお子さんは一体どうなるのよ!絶対に治さなきゃいけないんだから今日今ここで治して帰るのよ!はい!枕!これ中に北投石入ってるからこれ使って!上にかける毛布もあるよ!寝たら感じるから!すごいのがすぐわかるから!30cm違うと全然違うから!いいのはね、ここなの!ちょっとずれると全然違うの!この岩のこっち側はいいけどその隣は全然ダメ。ここよ!」と至れり尽くせり。真剣味あふれるコミュニティの人たちも優しいんです。

「あそこはヤバいくらい放射線が強いから行ったらだめ」と言われていたので恐る恐る寝たんです。私は何がどうすごいのか全く分からなかったんですが起き上がるとおばあちゃんに「まだよ!」と言われて寝るように勧められたので結局1時間半くらいそこにいました。

30cmで効果が全然違って良くも悪くもなるのなら、確かに場所取りがシビアなわけだと思いました。

「こういうやり方で治った」という実感があればあるほど、だんだんと凝り固まっていくんだと思うんです。でもいろんな人と出会っていろんな方法論に接するからこそ停滞期も乗り越えられるんだと思うんです。そのあとは普通にお風呂の入浴をするだけでよくなりました。

そのあと誰もいない山を夕方一人で歩きました。

妙にスッキリした気分で一人で歩いていました。ずっと子供と一緒で、おばあちゃんたちの大勢で生活していて一人になる時間もなかったんです。

いつもと違う時間を過ごせて、良かったです。


そして次の日の朝、起きて胸を見るとしこりがごっそりと消えていたんです。

「ああああ~!神社がよかったのか鳥居の前がよかったのかわからないけどめちゃくちゃ効いてる~!」

と、思いました。

でも一番良かったのはやっぱり気持ちをリセットできたこと。「なんでよくならないんだろう~」と思いながらする湯治は効果も出なくて当然なのかも。

治る治らないは気持ちが9割ですよ。


そして最近玉川温泉で仲良くなった人と話をしていた時にある気づきがありました。

「玉川温泉では、お風呂の相性がいい人と外岩盤の相性がいい人がいる」というのは常識です。私も実際にお風呂で効いた実感があったのでその理論は正しいと思っていました。

たいていの人が「私はこっち」と数日入っていると決められると思うんです。体感でわかる人が多いです。

でもこの言い方だと、こう考えたくなりますよね。

パッカリと分かれる印象

確かにこの理論は間違っていない。
だけど実際は、こうじゃないかな??
カブってるひと、大勢いると思うんです。

両方ちょっとずつがちょうどいい人もいるはず

「どっちも両方入っていて病気がよくなった人」っていますよ。むしろ片方だけにしか行かない人のほうが珍しいと思います。たいていの人はどちらも行きます。

でも私が体験したのはそれだけじゃなかったんです。


時間軸が存在する

お風呂で効果がなかった時に外岩盤に行くと効果があったのだから。そのあとは基本的にはお風呂の効果が高い体質なのでまたお風呂に入るとよかったんですよ。

基本的に合うほうが1つあるというのは本当なんだけど、ずっと一緒じゃないかもしれないです。でも普段から「玉川温泉では、お風呂の相性がいい人と外岩盤の相性がいい人がいる」と言われているから、誰でもちょっと誤解しちゃいますよね。どっちか片方で、1つに決まったら一生自分はそちら側だと。


いろいろな人から話を聞いた結果、

・消化器系、ホルモン系の病気の人はお風呂が合う人が多い
・脂肪の多い部位の病気(肝臓とか皮膚とか脳とか)、心臓、目、耳、メンタルや骨やリンパの病気の人は外岩盤が合う人が多い

という印象でした。これは間違いなく本当なのだけど岩盤浴が合うタイプの人もお風呂にしっかり入って治していた人もいるし完全にパッカリ2つには分かれないんですよ。

そういう人は「100%のお湯も入るけどそんなには入らないわ。1日に5分10分のことが多いわ。しかも全部入るのなんて無理だから大体足だけつけてる。私はミストサウナや箱湯に1時間はいるのよ。1日に2回朝と夜入るから大体2~3時間はサウナを出たり入ったりしてるわ」なんて言うわけです。ミストサウナも箱湯も100%の蒸気なので全然楽じゃないです。

このセリフ、「玉川温泉あるある」の元ですよね。これも大きな誤解を生みだします。

湯治に来て湯治をせずにただ「空気を吸っているだけ」っていう人が割といます。普通の人なら「湯治に来て風呂に入らないで空気を吸うだけ」ってちょっとおかしいと気づきますよね。

でも初めて湯治に来たときにそこにいる人に「どういう入り方をしたら治ったんですか?」と尋ねて「蒸気を吸いに来てる、浴槽には長く入らない」なんて言われたらどうでしょうか。実際はめちゃくちゃミストサウナに入ってるんだけど、外で涼んでいる時間が長いから本当にただ空気を吸ってるだけのようにも見えるんですよ。そしてそれが伝播してすぐに広まっちゃう。

「浴槽には長くつからなくていい、その場で空気を吸うだけでも効果がある。部屋にいるだけでもパワースポットだから効く」なんて徐々に尾ひれがついて段々とこう…、誰もお風呂に入らなくなるんです。

玉川温泉をよく知る人なら「そんなわけはないでしょ?!」って思うはずなんです。でも玉川温泉でよくなった人たちって良くなった人同士と約束をしてお風呂に行きますよね。仲いい人同士で同じ時期に予約を入れて泊まるから、うっかりすると「治った人たちが集う時期」とそれ以外の時期が発生します。

私はそれに気づいてあるおばあちゃんに言ってみたんです。

「治ってる人が多い時期と少ない時期があって少ない時期にはガセネタが蔓延してお風呂に入らない主義の人が空気吸うだけなの恐ろしい」って。

そうすると彼女はこういいました。

「昔はもっともっと人がたくさん来てくれていて、普通の湯治客じゃなくて玉川博士と呼ばれていたような人たちがいたのよ。温泉のことをよく知ってて患者さんたちの病状を聞いてすぐに適切なアドバイスができるような人たちが。だけどそういう人も年を取って寿命が来て順番に一人減り二人減りと少なくなっていってるの。もうそろそろ世代交代が必要な時期なんだけど、新しい人で玉川博士になってくれるような人がそんなにはいないのよ。若い人にどんどん入りに来てもらって、入り方のコツをうまく教えてくれる人が増えていくと治る人も増えてくると思うんだけど」、と。

治った人たちがチェックインしてくるとそういう雰囲気ではなくなっていくんですが、いないときは「今これ地獄だわ…」と思うような状況です。

私は何度かそれを体験したんですが、お風呂に入ってると怒鳴られるんですよ。「その入り方はダメ!すぐに出て!1日に3分くらいでいいのよ!外で空気を吸ってるだけでもいいんだから!入りすぎよ!無駄なことしてる!そんなんじゃ治らないよ!」と。良かれと思って教えてくれてるんですよ。優しくて熱心な人なのよ。一生懸命私のことを思って言ってくれている。

でもそれは湯治をしない湯治…。

お風呂では誰も嘘は言っていないんだけど、正直に伝えようとすればするほどなぜか誤解が生まれてしまう場所でもあります。だから誰が悪いわけでもないんだけど、その誤解が多くの人の「効果が出ない」とか「スランプ」を作り出しているのかもしれません。


結局はどんな入り方がいいのかは自分が入ってみて体感で選ぶしかないしそれも常に一緒ではないかも。

「自分はどっちのタイプなのか?」だけでなく、「今どっちなのか?」ということも常に視野に入れておくといいと思います。

「頑張っていてうまくいかないときは、普段と少し違うことをわざとしてみる」ということで逆境を克服できることもあるでしょう。

スランプの時は、わざと自分の信念とは違うことをやってみるんです。



そして湯治に来ている人の中には、病気の受け入れが上手くいっていない人もいます。一見明るいけど実は心の中では「どうして自分がこんな病気にならなくちゃいけないの?」とか「ほかの人は良くなってるのにどうして自分だけが治らないの」とか、心が治療に向かず運命を呪ってしまって停滞しているんですね。

夜中にトイレに起きて廊下を歩いているとシクシクとすすり泣きの声が聞こえてくるんです。昼間も部屋で泣いている人がいます。

ネガティブな気持ちが積もり積もると、宿に滞在しているのは確かなのに大浴場でも岩盤浴にも顔を出さず毎日部屋の中で一人で泣いているという人もいます。玉川温泉のように大勢が目の前でどんどん治っていくのを見るとつらさが増すんだと思います。それで人に会えなくなるんですね。

そういう人はみんな優しい人なんです。人に迷惑をかけたくなくて自分のことは何でも自分でやってしまいたくて弱音を吐くのも苦手で。でも一見明るいから周りは誰もその人がつらい思いをしているとは気づかない。本当は一番助けを必要としているのに。

そしてそういう人が明るくふるまっているとき、ほかの常連さんたちと喧嘩をしはじめます。モメにモメている。よく見る光景です。

喧嘩の内容は色々ですが、共通するのは「治っていない人が治っている人を悪く言ってモメた」というのが多いです。

治っている人はうれしいので人に言います。聞いた人は真似をします。同じように治ったらまたそれを人に言うじゃないですか。するとみんなが集まってきて「どういう風に入ってよくなったのか」と言うことについて盛り上がります。

ただコツをつかめた人は簡単につかめるのにすごい努力をしてもしてもしてもコツのわからない人がいるんです。そうなると「なんで私だけ」と思うと思うんですよ。こんなに努力してるのにというフレーズはよく聞くんです。

これは「お風呂に入らないから治らない」というのとは違います。すごく努力して湯治をしているのに効果が出なくて困っている人がいるんです。


「どうしてあなたは治って私治らないの?!」と私に言ってきた人もいました。「放射線治療効かないのにやらなくちゃいけないの?抗がん剤効いてないよ!また変えられたよ!何度変えてもどの薬も効いてないのに飲まなくちゃいけないの?どうしたらいいの?わからないのよ!温泉だって1年に4回も来てるのに治らないの!みんな治ってるのに私だけ治らないの!みんなと同じことをしてるのに!」と言うんです。

私はできる限り知っていることを説明しましたが、「全部それは違うと思う。あなたやあなた以外の大勢はそれでいい。でも私はみんなのやり方ではダメ」と言いました。ずっと表情は泣き顔なのに涙は流さないんです。ただ私に「ずるいずるい」と言うんですよ。

それを見ていた人は「なんであんな性格の悪い人を励ましてあげたりしてるの?ほっとけばいいじゃない。八つ当たりしてみっともない。見ていて気分が悪いわ。優しくしてもらってるのにあなたを恨むようなことばかり言っておかしいわよ。相手することなんてないのよ」と言っていましたが私は重要なヒントがそこにあると思っていたんです。

・努力は人一倍してる
・いわれた通りのことを正しく実践してる
・だけど王道の治し方が自分にだけは当てはまらない

「不公平よ!あなたが治って私が治らないのは不公平よ!」と、彼女は言いました。このように病院の治療はもちろん温泉治療でも「なぜかことごとく効果がない」という人はいます。「どうして私だけ治らないの」と考えているときは思考がストップしていて、本当にしなければならないことに目が向いていないんです。

玉川温泉の湯治のゴールデンルールは存在するんです。でもそれに当てはまらない人はたまにいるし、当てはまらないときは誰にでも来るんです。

彼女のSOSを無視するといつか私も同じ目に合うと思いました。答えは早く見つけておかないと。

すべての人を救うにはやはり「ルールの例外」に当てはまる人を調査して、治していくための情報を整理する必要があると思います。例外こそ、王道の真実を解き明かすものだと思います。

しばらくするとその人は「私は私のやり方を見つける!」と言って頑張ってたんです。これは正しいことだと思うんですよ。たいていの人は人と同じだと安心するじゃないですか。「自分は人と違うけど自分の方法を必ず見つけてやる」という気分になれたときとは、いい覚悟が決まった状態だと思うんです。私が神社に行った時と同じように。

病気を治すときに本当に必要なのはその覚悟1つなのだと思います。それがないとどんな治療法もいい効果が出ないです。

「治っていく姿を想像できる」
「明るい未来を信じられる」

そうなるようにするためには、間違えたらいけないことがあります。

答えは1つじゃない。その答えも永遠ではない。常に新しい答えを自分で見つけるしかない。周りの人は一緒に協力して病気に打ち勝つための味方だけど、みんな自分とは違うから結局は自分の体に自分で聞いて自分で決めないといけない。

これです。

常に「今どうすればいいのか」を察知するセンサーを働かさなければ。


そこで私は一層やる気を出して「例外とは何か」と考えました。

・玉川温泉の治療が上手くいかなかったとき
  ➡お風呂の入り方を変えてみる(湯治の場所を変えるetc.)
  ➡玉川温泉以外の温泉を選択する

この2つですね。なぜならこの特別な温泉の効果が古細菌由来のものだとしたら、自分に合う古細菌を取り込める場所を特定しなければならないからです。

基本的には、お風呂の中にいる古細菌と外岩盤にいる古細菌の種類が違っていて相反する働きを体の中でしてくれています。たいてい病気になるときそのバランスが悪いのだけど、この温泉に入っているといろいろな種類の古細菌がいるので自分にとって必要な菌がやってきてくれるのでしょう。

長くお風呂の中に入っているとお風呂の古細菌をたくさん取り込めたのだけど、やりすぎるとしんどくなってくるんです。それを岩盤浴のほうに行くと増えすぎた菌が減ってバランスが取れてくる。このことを知っていれば、「自分に合う菌とどこで出会えるか」と言うことがわかってくるはずです。

問題はどの古細菌が自分の味方になってくかです。


そもそも私は最初家から比較的近い三朝温泉に行っていました。

そこで常連の奥さんに「私は最初に玉川温泉に通っていたのよ。だってうちは岩手県だし近いから。でもあまり効果がなくていろんな人に相談していたら、玉川が効く人は三朝が良くなくて、三朝が効く人は玉川がよくないって言われたの。実際は玉川は冬季休業しちゃうから夏はあっちで冬は三朝っていう人が多いんだけどね。だけど向き不向きは実際に両方に入ってみたら感じるからそういうのあると思うわよ。三朝は肝臓がんの人が多くて、玉川は何でも効くって言われてるけど実際に治った人の数でいうと乳がんと胃がんとかの人が多いじゃない?だから私はあなたはここよりも遠くても玉川に行ったほうがいいと思うわ」と言われたんです。

そのころは低緊張が本当に強くて三朝温泉に行っている間はうちの子は立ち上がれていたんです。家に帰ると立てなくなっていました。効果は感じていたし、三朝が相性が悪いとは思えませんでした。だけど玉川に一度行ってみれば違いは歴然でした。たった2週間滞在しただけで車いすから降りれなかったくらい体調が悪かったのに走っていましたから。

元気な人にはただのお風呂かもしれません。でも病気の人には圧倒的に効果をもたらすのが本当の温泉治療なのだと思います。そして本格的な湯治のできるくすり湯には「相性」が存在するのだと知りました。

・三朝温泉
・有馬温泉の金泉
・千原温泉
・神石高原温泉

これは私が入ってみて「私には違うな」と思った場所です。もしかしたら自分のことを「ゴールデンルールの例外」だと感じたことがある人には向いているかもしれません。日本全国にたくさんある温泉の中にはこの4つ以外の温泉もあるはずです。できれば通いやすい場所で見つけられたらいいですよね。

玉川にずっと通っていると「治った人の話」もよく聞きますが「治っていない人の話」もよく聞きます。でも私は知り合った人は全員治ってほしいと思っています。

それには選択肢を広げて考えていかなければならないと思います。


別の場所で効果を得るには温泉である必要もないのかもしれません。

先日私は石上布都魂神社に行きました。同じマンションに住む女性がここにお参りをしてガンがよくなったと言っていたんです。有名なガン封じの神社でご利益があると言っていました。それを聞いたときは「神社にお参りしたくらいで治るわけがないでしょう」と内心思っていたんです。温泉で治したと言っても信じてもらえない私が神社のことは全く信じていませんでした。

私がここを訪れたのは全く別の目的だったのですが、本宮がある山を上がると巨大な石がありました。

その石を見たときに思ったんです。

玉川の神社の石と同じだと。

ここの石の雰囲気は似てるんですよ。

偶然かなと思いましたが、帰宅すると私は具合が悪くなり子供も発作を起こしおました。

それでやっと見た目は似ていたけど「相性悪いほうのやつだった」と気づきました。

古細菌は温泉だけじゃないはずです。もしかしたら古細菌を持つ石が「ガン封じ」で有名な場所にあるのかもしれないですね。


「神社の山の上にある石に長い時間座っておいで」というのは、そういうことだったのかもしれません。たいていの人は低用量放射線が出ている北投石を目的に玉川温泉を訪れています。

でも古細菌ベースで考えるのであれば、

・お風呂
・外岩盤
・神社の石
・足湯

のようにいろいろな選択肢があったのかも。

外岩盤でも場所はいろいろあって「テント派」「大噴派」「鳥居派」「●●派」「●●派」といろいろあるんです。場所の好みがいろいろあるから一口に外岩盤と言っても簡単じゃないんですね。

足湯派の人多いですもんね。あそこも放射線量が適切らしいといううわさがあって人気ですがそれだけでもないのかもしれません。私の子供は嫌がりますし、ここも「お風呂が合う人以外の人向け」の部類に入るのかも。

満遍なく入ってみて、心地よい場所を見つけて続けていくのがいいと思います。

それには「岩盤とお風呂の二択」にとらわれすぎないほうがいいのかも。

ただし「例外」の人はそれほど大勢いるわけではないので、ほとんどの人は王道の入り方で大丈夫です。


ちなみにこれを糖鎖と生体異物除去食で考えるなら「例外」に当たる人というのはどのタイプであるか明確に答えが出ています。(女性に限りですが)

・子宮がんから大腸がんに転移をして脳に転移をした女性
・乳がんから大腸がんになって脳に転移をした女性
・乳がんの後にあちこちいっぱい転移して、脳に転移した女性
・リンパ腫から膵臓がんになった女性
・肺がんの後に糖尿病がひどくなった女性
・胆のうのガンの後に肝臓のガンになり、膵臓が悪くなった女性

全員C-2の部位です。

そして共通する点は、「糖質制限」、「極端な玄米菜食」、「ジュース療法」をやっている人が次々に転移をしてC-2の部位に偏りがとどまっているんです。

たしかに「玄米菜食で良くなった」という人もいましたが「悪くなった」という人のほうが数が圧倒的に多いんです。しかも「野菜」と一口で言っているけど内容は大きく異なるようでした。ある女性が「これが玄米菜食よ」と言って食べさせてくれた野菜メニューはおかずの部分はアブラナ科と単子葉植物がほとんどで完全な生体異物除去食Aでした。そしてまたある女性が食べさせてくれた「玄米菜食」は生体異物除去食Cでした。野菜は全部一緒じゃないです。それでも玄米菜食ブームは圧倒的人気を誇ります。野菜はおいしいですからね。

私は湯治場でいろんな人のご飯をつまみ食いしてきたんですが、「玄米菜食」と言われていても、食べさせてくれる人によって全く別物ですよね。食材の選び方も調理方法も違います。

「玄米菜食で治ったのよ!」と言っている人はいろいろな条件が上手く重なってそうなったのだと思います。それはとても素晴らしいこと。だけどみんなに当てはまるわけじゃないことも確かなんです。


私は玉川温泉で治った人達のコミュニティに最初に入りました。すると多くの人が1つの事柄について私に相談してきたんです。

「私たくさんここで仲良くなった人とお葬式に行ったのよ。同じように玄米菜食をしていて私は治ったからよかったけど治らなかった人もたくさんいてね。私勧めちゃってたの。自分に良かったから。でもあんなにちゃんとしてたのにどんどん悪くなる人もいて。だから私、お葬式に行くたびになんでなんだろうってずっと考えててつらかった。だからあなたが勉強してそれを教えてほしいわ。私知りたいの。知りたいのよ。どうして玄米菜食が合う人と合わない人がいるのか、知りたいの」

こういう人は1人2人ではありません。長く養生をしているとみんなどこかで気づいて迷って、傷ついている。

だからおばあちゃんたちは「自分たちが治った話」の何倍も「治らなかった人の話」をしてくれて、どこに原因があるのかを一生懸命調べています。私以上に詳しく調べています。

養生の方法はまるで宗教のように広まり、それを利用する教祖様のような医者もいます。死んでしまっては文句も言えないし、生き残った人が宣伝してくれて「効果がある」「名医」ということになるけど、何度も友達を見送った経験のある人はそれが誰にでも当てはまる真実ではないということを知っています。

しかも男性の情報は入りにくいのでなかなかわかりません。C-2で発症する人はもともとD-2の場合が多いので、メンタルが弱く病気になっても遠くの場所に行こうという意欲が出にくいです。食欲がなくて不眠症になったりして。温泉に来ても部屋で泣いてる人が多いのもこのせい。このタイプの人がポジティブを装って人前に出ると喧嘩をしがち。トラブルを避けるためにひっそりと暮らそうとする傾向があるので人としゃべりたがらないことが多いので情報が集まりにくいです。

でもおかしいですよね。「玉川温泉は血糖値が下がるから糖尿の人にも良く効く」と言われているはず。C-2の部位以外にもなにか複合的な条件があるんでしょうか。「血糖値が高い人がなるはずのC-2の部位」にそうではない人が偏ったとき、糖質を減らすと具合が悪くなるという現象は興味深いです。

とにかくC-2の部位で治った人を見つけて話を聞かなければ。
まだ1人も見たことがありません。



ちなみに。


D-2とC-2はつながりがあるので、もしかしたら「皮膚」に関する効能があるといわれている温泉はかなり条件が合うのではないかなと想像しています。

実際になんだかおもしろそうな特徴のある温泉がたくさんあるんです。

これが合っているかもしれないしそうでないかもしれない。体質の違う私には試せないです。これはC-2で症状がでていてる人にしかできないチャレンジです。


私だったら、「なぜ私にだけ効かないの?」と感じるなら「私にだけ効く場所があるはずだ」と考えます。そして「数は多くはないだろうけど私以外にもきっといるはずだ」と考え、探します。もしC-2やD-2の部位で病気になってしまったら、私は我先にこれらの温泉に試しに行きます。

探しましょう。
例外などないくらい、調べつくしましょう。

これは認知症に関わる古細菌を見つけ出す手段になるかもしれないので。

特別珍しい人の為のものなんかじゃありません。


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