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低緊張児の寝具

もしも子供を産んだ直後の自分に時空を超えて何か重大なヒントを伝えることができるなら、私は必ず「羽毛布団を買え」と言います。そして「ベビーベッドは無駄だから買うな」とも言うでしょう。

障害のあるお子さんをどのような環境で寝かすのかはその家ごとに大きな差があるのでしょうが、私はこの寝具選び問題に悩み苦しみました。
寝具選びを間違えると子供は寝ないし発達しません。寝る子は育つとはよく言ったもので、ただ寝るだけのことが病気の子供には難しく全然発達しないんです。


布団は限りなく軽いほうがいい

低緊張の子供は寝ている間に体に負荷をかけない方が良いのでできるだけ軽い布団をかけて寝させてやるほうがいいです。
「できるだけ軽い」という言葉は新生児科の先生にも看護師さんにも療育の先生にも言われたのですがどの程度が「軽い」のか私は最初よくわかっていませんでした。

なにせ私はできるだけ重い布団をモリモリにかぶって寝たほうがぐっすり寝れるタイプなので軽い布団のレベルがよくわからない。自分が重い布団をかけて寝たいものだから、私の感覚で軽い布団に買い替えましたが子供は一晩中唸り声を上げるので、その結果自分が不眠症になっていました。そのたびに子供は苦しみ、「この布団じゃダメだ…」と何度も布団を買い替え無駄遣いしました。でもそんな試行錯誤をするくらいなら、最初から羽毛布団を買っておけばよかったのだと思います。

さらに言うと新生児から羽毛布団でいいんです!このことを人に言うと「え?赤ちゃんに羽毛布団?高価でしょ?」と大抵は言われます。でも羽毛布団は決して高くない!子供が寝れたら親も寝れるから!プライスレス!絶対必要!間違いなく低緊張の子供のケアの必需品!親がぐっすり寝たければ子供をいかに寝かしつけるかですから!

ベッドは最初からデカいのを買うべき

しかもうちの子は退院した直後から「ベビーベッド」に一人で寝かせると嫌がるのでもともとあった私のセミダブルのベッドに二人で寝るようになりました。体は小さいくせに夜中に何度も私を蹴って起こすんです。しかもどこをどう蹴れば私が起きるのかすぐに子供は学習しました。頸椎です。首を蹴れば起きると思っているんです。
蹴られまくって私は不眠症になり、二段ベッドを購入して別々に寝ると盛大に嫌がられ怒り叫ばれ、ダブルベッドを購入しました。でもダブルのサイズでは身体が大きくなると狭くなり、大人と同じサイズのベッドが必要になったのでシングルベッド2つに買い替えて連結し、ワイドキングサイズにして使っています。しかも3ヶ月に一度自治体から一気に支給されるおむつの収納場所を確保するために収納付きベッドを後から購入…。

一体いくつのベッドを買い替えたのか…。バカじゃないの?!私!

ちなみに生後半年くらいから生後3歳くらいまでは1日の睡眠時間が2時間くらいでした。コルチゾールは目を覚ますホルモンですから低緊張でコルチゾールが高いのなら当然そうなりますよね。

当時は病院で相談しても「睡眠障害ですね。原因不明です」と言われて放置されていました。

寝ないからと言って泣くわけではありません。いつも通りニコニコ楽しそうにしていました。疲れないのかな?と不思議になりましたが何をしても寝ませんでした。泣かれなかったのは救いでしたがニコニコポジティブなままひたすら絡んでこられるのも辛いのです。子供の睡眠時間イコール私の睡眠時間ですから。

私がボロボロになっていたので小児科で不勉強な医師によってメラトニンなどを処方されましたがそのせいでACTHの量が減り、低緊張は強く出るようになりました。クリルオイルを与えるようになってから睡眠時間は長くなり、テストステロン補充を始めたり温胆湯を飲ませるとちゃんと寝れるようになりました。

世のなかにはこんな感じのロータイプのベッドもあって、確かに子供が小さい時はこういうもののほうが安心。ただ大人は立ち上がるときにものすごく膝に来るんですよ。私は気にならなかったんですが、私以外のお世話をしてくださった方にことごとく不評でした。

結果、こういうタイプを2個並べて使うというところに行きつきました。だからもし過去の自分にメッセージを送れるなら「コレを2台買いなさい」と言うでしょう。

ベッドと寝具選びには苦労しつくしたので「布団は羽毛布団!二枚合わせでオールシーズン使えて、家で丸洗いできるやつ!ベッドは跳ね上げ収納付きのシングルベッド2台を買ってリビングの一番明るい場所に設置」という答えが今は出ていますが、それまでの過程が辛すぎました。


実際に使っている商品はすでに廃盤になっていたのでご紹介できないので似たようなものを探してみるとありました。こんな感じのペラペラのやつ。

すごいモコモコの合い掛けの羽毛布団ではなくこんな感じの薄っぺらいダウンケットで十分!子供は汗っかきだし、布団をかけて寝かしつけるとすぐに暑くて蹴ります。この程度でいいんです。最初はタオルケットとかかけてたけど嫌がられたし寝てる間にぐるぐる巻きになって苦しんでいたけど、羽毛布団なら嫌がらずに寝姿が荒れません。

マットレスは絶対に高反発マットレス!230N以上の硬いやつです!230でもやわらかいと思うくらいですから。三つ折りならもっと硬いものもありますが折れ目に子供が反応するので使えません。体が沈み込んだりすると低緊張の子供は苦しみます。低緊張の子供に低反発は敵です。できるだけ硬い布団やマットレスの上で寝かしつけるほうがスムーズに寝てくれます。

それに寝姿の補正に最適なのがU字の抱き枕です。

小さいころは子供用の抱き枕を使っていましたが、ある程度身長が大きくなったらこういうタイプが良かったです。穴の中に入れてしまえば布団は抱き枕の上にかぶさる程度で済むので体に直接重みがかかりません。今思えば赤ちゃんのときに小さいU字の枠を手作りしてやってたら良かったんですよね。そんなの売っていないから。

ちなみに寝かしつけるときは真っ暗にしてあげたほうがいいです。もしまた呼吸が止まったらと思うと怖くて私は小さな明かりをつけたまま寝ていました。でもそれは結果的により良い睡眠を阻害していたと思います。大人は明るい場所でも寝れる癖がある程度ついていますが小さい子供はそうではないと思います。できるだけ暗い部屋で寝かしつけたほうがよく眠れます。

ああ、寝具で苦労したことを思い出すだけで私はへとへとになります。

このころはタオルだけで良かったんだけどね…。


ちなみに新生児が寝ている時に心地よくなってくると最初に手を胸の前で合わせます。次にこの写真のポーズになり、最後は万歳。だんだんと手が上に上がっていくにしたがって心地よさはUP。体の中央のラインに対して線対称になると良いと言われています。これぞ良い寝姿ですね。



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