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子供の病気の技術を大人に活かす#2売れる音楽を作る10
子供が脳性麻痺だとわかって1週間くらいの間に、主治医の新生児科医が「歌いかけがいい、特に男性の声の歌いかけがいいと言われているし、これに関しては私たちも実感している。話しかけもいいけれど歌いかけを生まれてすぐくらいからいかにできたかで予後が大きく変わる。これは療育の基礎も音楽で行うことがいいということを示しているんじゃないかな」と言っていたんです。
今私の子供は1回聞いたら歌はすぐに覚えてしまうし、歌詞を覚えるのと同じ感覚でドラマやアニメのセリフも覚えてしまいます。日本語バージョンのセリフを覚えたら自分で設定変更して外国語の吹き替えでもセリフを覚えてアテレコします。記憶力に関しては普通の人の数倍の威力で覚えまくって周囲を驚かせ、一度覚えたらずっと忘れません。
頭部MRIでは海馬の部分はスカスカで未発達でした。言語療法士の先生は「おそらくパペッツ回路を使わずにモノを覚えている。短期記憶ではなく、長期記憶でほとんどのことを丸覚えしてしまっているから一度覚えたら忘れないし恐ろしい精度で記憶している」と言われていたんです。
他のことは何にもできないのに音楽に関してだけ、意識の高い乳幼児でしたがこの子を育てる過程で私はある工夫をしました。
最初に音楽療法士の先生のレッスンを週1で受けていたんです。その内容は稚拙で「音楽療法の概念自体が生まれてからさほど年数が経っておらず、凄い技術があるかと言われると案外そうでもない」と本人が言うほどでした。「アメリカで生まれた技術が日本に届くのも遅い上、教えている先生たちが高齢者なので古い歌を使いがち。そのため子供たちがそれらの曲を好まず音楽療法としては効果が出にくい」と、その先生は嘆いていたんです。
①本当に使える音楽療法の新しい理論と技術が必要
②子供たちが好きで聞きたがるような音楽療法に適した曲が必要
私はこの2つに関して考えるようになりました。
そこで行ったことは、子供にいろんな曲を聞かせて観察をするということです。
・子供が好んで聞いた曲/嫌がった曲とその部分
・子供が喜んで聞いた曲の聞き方
これを観察したらある音楽理論が生まれてきました。
「脳のダメージを修復したり、ストレスを緩和するような脳に良い曲が存在する」
そしてそれは「曲の構造」によって左右される。
と、気づいたのです。
そしてそのベースになるのが「鬱音」の存在です。音が人の脳に良くない影響を及ぼす。私の子供は鬱音を含む曲に対して敏感に反応しました。その姿を見ているうちに私もその鬱音を理解できるようになって、鬱音を作ってしまう曲の構造を避けた曲というのは、商業的に成功していると気づいたんです。
でも鬱音は人の気を引く効果もあります。売れる曲の中にも鬱音がちょっとずつ入っている曲もありました。そういう曲を歌っている歌手のファンはアンチが多いなと思いました。そして歌っている本人も病気になったり、グループを解散したりしやすくて、長持ちしなかったしそういう曲は結果的に廃れやすいと気づいたんです。もちろん鬱音が多すぎる曲は最初から売れませんが、ちょっとだけ入ってると注目を浴びるから売れるけど結果的には良くない。
となると、末永く多くの人に好かれるような曲は鬱音がない音楽を作り続けることが大事だと思ったんです。
でも私に曲は作れませんでした。音痴なんですよ。ものすごいレベルで。
子供は音楽に対する意識が高くて2歳になる前に倍音を理解してピアノの先生とそのことについてピアノを弾きながら意思疎通をしていました。言葉がしゃべれない脳性麻痺の子供でもピアノを介せば人とコミュニケーションが取れるということも凄いと思いましたが、誰に習うわけでもなく自分でそういったことを見つけていける音楽性の高さにも驚いたのです。
その才能、伸ばしてあげたいけど音痴の母ちゃんには無理だわ。楽器屋さんの前を通るたびに楽器を欲しがるけど、家で誰も演奏してあげられない。
私は統計学とマーケティングしかない人間ですから、音楽はわからないけど統計でこれに向き合いたい!
ということで。
歌詞に関してはこんな私でも要素を見つけられたんです。
①フレーズの最後の音が母音の「あ(a)」「え(e)」「お(o)」で終わっている曲はよく聞く➡良い音
②フレーズの最後の音が母音の「い(i)」+休符で終わっている曲は嫌がる、歌の途中でも「い」と「休符」が入っていると嫌がる➡悪い音
③「きっと」「ずっと」「もっと」「ちょっと」という促音も好き➡良い音
④同じ歌詞や同じフレーズの繰り返しも好き➡良い音
⑤フレーズの最後の音が母音の「い(i)」で終わっても「い」と「に」の場合は問題がないことが多い(き、し、ち、ひ、み、り、ゐはダメ)➡悪い音の回避
⑥フレーズの最後の音が母音の「い(i)」で終わっても次のフレーズの最初の音が「い(i)」で始まるなら問題がないことが多い。う段も同じだが、い段はい段、う段はう段の場合だけよくて、い段とう段が絡んだ場合はダメ。➡悪い音の回避
⑦母音が「あい(ai)」「いあい(iai)の単語が入ると良い➡良い音
⑧「aiai」と繰り返すものはもっと強い効果がある➡良い音
⑨aiを伸ばす音はさらに強い効果がある➡良い音
⑩aaaのように連続する母音は強い効果がある➡良い音
⑪「ポジティブな意味の単語」の量と「ネガティブな意味の単語」の量が1:1だとネガティブな言葉の威力の方が大きいので「明るい歌詞」と「暗い歌詞」があるなら明るい歌詞の分量を多くしないといけない
⑫「希望の意味の歌詞」で歌を終了させる
⑬暗い意味の歌詞の後には希望の意味の歌詞で否定する
⑭サビの中にある悪い音は被害が大きい
⑮音の数が増えてくると無音ができた瞬間にその場所が悪い無音になる
⑯前奏はないか、サビ同然のメロディがないとダメ
⑰「聞く」という行為に集中できるように音の層が厚い曲が良い
⑱打楽器の音程でaeoを作りiuを回避する
⑲フレーズの最初と最後にがiuであっても同じ音で揃える場合は回避できる
この研究を進めれば進めるほど、「リズム」にも鬱音を作る効果があるというのがわかってきました。
つまり歌詞などに関しての条件を満たしているにも関わらず、鬱音が存在した曲というのがいくつかあります。
それが、この曲の前奏部分。小太鼓がパタパタ言ってる一番最初の部分です。ここでうちの子供が「怖い!!」と連呼して嫌がってこの曲は聞きませんでした。歌詞は完璧だったのに。
そしてこの曲にもいくつか鬱音があって、それは歌詞ではなく小太鼓の部分なんですよ。細かくスネアドラムが連続すると、その間に鬱音が生まれるというのがこの2曲でわかりました。
この2曲は、ベースがこちらの曲と同じだと思うんです。私は音楽がわからないのではっきりと言葉で説明できないんですが、リズムとか曲の構成がそうなってると思います。この西江さんのCDはうちの子供が新生児期からずっと聞いていたんです。ショパンやシューベルトも好きでしたがモーツァルトは聞きませんでした。ファリャはわたしも心地いいと思って聞いていました。
「歌詞の法則」と「リズムの法則」の2つをクリアしないと鬱音のない曲は作れないです。リズムの部分は音楽的なセンスのない私には難しい。難しいけど私には鬱音がどれか見分ける能力だけはあるんです。
ということで、「歌詞は完璧なのにリズムが悪いせいで鬱音満載の曲」をこちらにご用意しました。
毎度おなじみaeo曲のYOASOBIさんです。特に今回恐ろしいまでのai加点。そして音の繰り返しといい、疾走感といい条件揃いまくりですが、残念なことにあちこちに鬱音が練りこまれています。適度な鬱音は人の気を引くのでヘビロテ曲でもあります。売れる条件としては良いけれど、これは諸刃の剣。
でもありますがこれはまさしく良い研究素材!リズムからの鬱音を学ぶには最適です。
ということで見てみましょう。今回は歌詞のチェックは省略します。
今回は最初にこの3曲を聞いてから聞くとわかりやすいです。
この3曲を混ぜたらこれができます。
1曲目はオーオーっていってるやつ。2曲目は中盤から後半にかけてのラップ部分。3曲目は「エンジェル」という歌詞と「アイドル」という歌詞の歌い方。エン⤴ジェル⤴という独特の言い方ね。
元々売れてる曲のいい部分だけ混ぜました、という感じ。脳に良い曲を作るのには正しい方法です。
それなのに鬱音がてんこ盛りなのはなぜか?!
それは私が今まで気づいていなかった歌詞の鬱音の法則があったことと、リズムの鬱音が存在しているから。
一番大きい鬱音は3:29の「タン、タタ」というドラム。
⑮音の数が増えてくると無音ができた瞬間にその場所が悪い無音になる
これに近いのかなと思いましたが、詳しくないのでちょっと上手く伝えられないです。歌の最後に頭痛系の鬱音とかヤバイ。
中盤にも連続した鬱音があります。
この独特の歌い方で母音がズレてるように聞こえるんですよ。もともと「母音のiと休符で鬱音が発生するから悪い」と言っていたのにこの歌い方だと「メディア」のアの音が強調されているように見えて実際は無効化されてる気がする。その結果メディアのィが強く働きかけていて、結果鬱音に。
しかも鬱音は連続してて母音のiを含む「得意」「メディア」「キャリア」「愛だ」「ルビー」「マリア」がすべて鬱音になっている。
ヒーカップダメなの??
![](https://assets.st-note.com/img/1682765094736-xiGSI9jNDA.png?width=1200)
「アクア」というのと「瞼」に関しては別の意味での鬱音です。
これは「母音がaua」なんです。今まではiu系の鬱音で強いのが「iと休符」でした。このパターンがあまりにも多くて、それを含まない曲を探すことの方が難しかった。でもここまでaeoの法則にピッタリの曲だと、今までそれほど気にならなかった音が目立ってきたんです。それが「aua」です。
しかもこれはauaにピッタリ合わさる形でリズムを取っている。これが威力を増している気がします。
そこまでひどくないけれど、歌いだしの「無敵の」の部分の「む」ってその前に一瞬間がありますよね。あれも「休符+u」でアウトだとしたら、早口だから一見わかりにくいけど、実際は最初の頭のパートが全部アウトということになってしまう。
この曲の歌詞は「愛してる」で終わっていて前向きなようにも見えますが実際は漫画の中でこのセリフが出てきた瞬間は子供を残して母親が刺殺されるというシーンに発した言葉です。愛を知らない彼女が本心から愛してると言えるということ自体は感動的ではあるけれども、その後のストーリを左右する悲惨なシーンであることには変わりがありません。ということは、この歌の最後は「歌詞の意味が鬱で終わってる」ということなので鬱曲度合いとしてはレベルが高いです。
これはものすごく良くないですし、実際にうちの子供は一切聞きません。
「嫌、怖い」と言います。どこがどう怖いのかと聞くと、私が感じる鬱音と同じ場所を指し示します。
フレーズの繰り返しや疾走感などの条件によって、鬱音を否定する技術はいくらあっても、漫画やアニメの本質が明るいわけではないのでそれを純粋に表すような曲であるという時点で「鬱音が似合う曲」でもあるわけです。そしてそういう漫画が好きな人は鬱音も好きだと思うんです。ハマるし何度も聞くし、評価も高いはずです。歌の構成や内容がよくできているというだけではなく、それを良いという人たちが求める音がそこにあるので。
だから「ちゃんとそういう風に作ってある」としたら、売れる。
たしかに。
でもそれでいいのかという話になりますよね。一番最初に「売れる曲を作ろう、脳に良い曲のはずだ、アンチを生まない曲の作り方がある」という前提でaeoの法則が出来上がったのにも関わらず、「売れるために鬱音を利用する」というのはどうなのか。
音楽をやっている人の中には私と同じように鬱音を聞き分けられる人が大勢いるはずなんですよ。i+休符の鬱音がわかっていて、多少弱いとはいえauaの鬱音がわからないわけがない。
歌い方を少し変えるだけでこれは回避できるものです。でもそうすると歌としてカッコよくないですよ。残念過ぎる。
ただラップの部分ってこのiuとauaとeu/eiの音が凄く多くて、そういう曲を沢山歌っている海外のラッパーの人ってよく麻薬とかでおかしくなったり自殺したりしてますよね。不眠症や鬱で精神科に通ってる人を見つけるたびに私は「普段歌は何を聞いてるの?」と聞いてるんですが、iと休符とiuが凄く多いんです。とても偶然とは思えないほどの比率でこれらの音を彼らは欲していて「気持ちいい」と感じる。それはまるで麻薬の中毒症状のように人をひきつけます。
私は悪いとわかっていながらもこの曲が気持ちよくてずっと聞いていました。風邪をひいていたのですが普段は頭痛の症状が出ることはないのに酷い頭痛と不眠が続いていました。
auaの音は頭痛の鬱音なのだなと、感じながらそれでも聞くのをやめることができませんでした。これは癖になるなと。
そして歌詞は同じでメロディと歌い方を変えたものがこちらです。
母音のuで終わる部分を繋いで歌っているので鬱音が消えているパターン。そして母音のauaにアクセントがないとこうなるという良い事例です。
やはり母音のauaは弱い。歌い方で引き出される鬱音ですね。逆に歌い方で封じ込めることもできるということです。
私が以前歌に詳しい人に鬱音について相談したときに、「鬱音の対極にある脳を癒す曲の法則が含まれた曲」としてこの曲を紹介しました。
https://www.youtube.com/watch?v=TYOQQpmR-Rw
この曲で脳に良さげな部分は「ベルも鳴らさずに~」という部分から曲調が変わる部分と、「今夜だけいいわ…」という部分。曲の雰囲気ががらりと変わる。
私はこれを単に「転調させるのが脳に良い」と単純に考えていたのですがそれだけでもないように思えてきました。
それはこの動画を見たからです。Youtubeが私におすすめしてきたのですが、鬱音に関わる大切なことがこの中に含まれているような気がしています。
レベル8くらいから段々しんどくなってきますね。Uの前奏のしんどさにつながるものがあります。この違和感を上手く言葉で伝える能力が私にはないので残念ですが、もう少しよく聞いて考えてリズムに関する答えを見つけたいです。
ということで。
20項目目が加わりました。
①フレーズの最後の音が母音の「あ(a)」「え(e)」「お(o)」で終わっている曲はよく聞く➡良い音
②フレーズの最後の音が母音の「い(i)」+休符で終わっている曲は嫌がる、歌の途中でも「い」と「休符」が入っていると嫌がる➡悪い音
③「きっと」「ずっと」「もっと」「ちょっと」という促音も好き➡良い音
④同じ歌詞や同じフレーズの繰り返しも好き➡良い音
⑤フレーズの最後の音が母音の「い(i)」で終わっても「い」と「に」の場合は問題がないことが多い(き、し、ち、ひ、み、り、ゐはダメ)➡悪い音の回避
⑥フレーズの最後の音が母音の「い(i)」で終わっても次のフレーズの最初の音が「い(i)」で始まるなら問題がないことが多い。う段も同じだが、い段はい段、う段はう段の場合だけよくて、い段とう段が絡んだ場合はダメ。➡悪い音の回避
⑦母音が「あい(ai)」「いあい(iai)の単語が入ると良い➡良い音
⑧「aiai」と繰り返すものはもっと強い効果がある➡良い音
⑨aiを伸ばす音はさらに強い効果がある➡良い音
⑩aaaのように連続する母音は強い効果がある➡良い音
⑪「ポジティブな意味の単語」の量と「ネガティブな意味の単語」の量が1:1だとネガティブな言葉の威力の方が大きいので「明るい歌詞」と「暗い歌詞」があるなら明るい歌詞の分量を多くしないといけない
⑫「希望の意味の歌詞」で歌を終了させる
⑬暗い意味の歌詞の後には希望の意味の歌詞で否定する
⑭サビの中にある悪い音は被害が大きい
⑮音の数が増えてくると無音ができた瞬間にその場所が悪い無音になる
⑯前奏はないか、サビ同然のメロディがないとダメ
⑰「聞く」という行為に集中できるように音の層が厚い曲が良い
⑱打楽器の音程でaeoを作りiuを回避する
⑲フレーズの最初と最後にがiuであっても同じ音で揃える場合は回避できる
⑳母音のaua、iuは鬱音、繰り返すと否定のテクニックが効かないことがある
ちょっとずつ条件付けが増えてきました。まだまだあるかもしれないですね。
chatGPTにこの条件を与えて歌詞を書いてもらったのですが、ものすごく薄っぺらい歌詞になりました。細かい設定などをビッシリ入れてやらなければ内容のある良い歌詞にはならないなということだけはわかりましたが、そこから先はやる気が起きなくてそのままになってしまっています。
上手くAIを使ったら私でも音楽療法に適した曲を作ることができるのでしょうか。
まだまだ人間の方が凄いような気がしています。
ただね。
ずまさんが歌うと原曲通りでも鬱音消えてるんだよね。
特に母音のaの発音が良いから加点がデカい。それに「ん」の発音がいい。厳密に言うと日本語の「ん」は8つの音があってそれぞれ別の発音記号であらわされて、普通の日本人でも3つ4つくらいしか使い分けられてないって言われてるんです。でもこの人はその「ん」の使い分けが本当に良くて、周囲の音との絡みが綺麗だから驚くほど…、いやいやそうじゃなくて。
一言でいうなら、この声鬱音消える声!
これは…。
YOASOBIはずまさんをスカウトして男声担当にすべきでは。
ただ鬱音消しすぎててさらりとしすぎちゃうところがあるから、調整は必要だと思うけども。
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