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生体異物除去中に使える漢方薬

生体異物除去食を食べているときに体調を崩してしまった場合は通常病院で処方してもらう薬の殆どを使うことができません。二酸化ケイ素やステアリン酸を含む薬で体調不良を起こしてしまうからです。錠剤とカプセルの形をしている時点で飲めないということがわかります。これは薬以外のサプリメントでも言えることです。せめて100%ピュアパウダーであれば摂取することは可能です。中身に賦形剤を使っていない場合は、カプセルから出して飲むこともできます。

そこで漢方薬を使うことが多いのですが、漢方の生薬には双子葉合弁花を使ってあるものもたくさんあります。使える漢方薬をどのように選ぶかは次のような考え方で選定していきました。

「まずは動物性の生薬を用いる」

植物を除去しているのだからこの選択は仕方がないことです。

・鹿茸(鹿の袋角)
・阿膠(ロバのコラーゲン)
・牛黄(牛の胆石)

この3つを最初に使ってみたのですが、鹿茸はコルチゾールとDHEAを上げてしまうので順調に苦しみ、阿膠はコラーゲンなので普通に苦しみ、良い効果を感じられたのは牛黄だけでした。最初に私が飲んで問題がなければ子供に飲ませました。

熱性けいれんを起こした時に体温が42度あったのですが、牛黄を少量飲ませてみたら10分後には35.3度まで下がっていました。そして牛黄こそ「子供の万病に効く」と言われています。熱があるときやけいれんを起こした時に牛黄を使います。牛黄は大人の物忘れにも効くとされていて、主に強心、血栓症改善、赤血球新生促進、血圧降下、解熱、鎮痛、不眠改善、抗酸化作用、抗炎症作用、利胆、肝保護などに効きます。血栓を改善するなんて糖鎖の病気にピッタリじゃないですか。

私の子供が取れない甘味料の一つに「フェニルアラニン」を含むものが多かったのですがフェニルアラニン代謝酵素はネズミの胆汁から単離されています。なぜネズミだったのかというとマウスは実験にも使うので手っ取り早かったのではないかと思います。ほかの動物の胆汁の成分を取り出せればよいのですがそういったものはありません。牛の胆石にも同じ成分が入っているかどうかわかりませんがあってもおかしくないと思います。

先生からは哈士蟆油をおすすめされましたが、ヌメヌメしている部分なので恐ろしく思って試すのを躊躇していたら100%ピュアなものはなく試せませんでした。商品としてほかのオタネ人参などの生薬と合わさったものしかないと言われて残念なようなほっとしたような気持になったことを覚えています。


レクチンを含む生薬を避ける

漢方の先生は「鹿茸は昔から脳性麻痺の子供に使われている。できればこれに高麗人参を合わせたい」と言われましたが、鹿茸は反応が強く出るというかとにかく心臓がバクバクしたりして私は嘔吐しました。「ちょっとこれは、今わたし死ぬかな?」と思うほど胸が痛くなり、脳性麻痺もちょっと系統が違う脳性麻痺のことを言っているのではないかと思いました。

私は昔から参鶏湯を食べたときに盛大に嘔吐します。10年ほど前にインチョン空港のレストランで参鶏湯を食べたとき、マーライオンのように吐き戻して向かいに座っていた女性の集団に多大な迷惑をかけました。当時はなぜ吐くのかわかりませんでした。牡蛎を食べても同じように嘔吐しました。吐くたびに「食中毒だったのかも」と思っていたのですがレクチンを受け付けない体質だっただけなのだと思います。高麗人参はウコギ科です。コア真正双子葉類 、キク類、セリ目ですから、合弁花中の合弁花です。

ちなみに鹿茸に阿膠を混ぜて飲むと鹿茸の効果が0になったような気がしました。阿膠はコラーゲンなので糖鎖です。受け付けない糖鎖が配合してあるとそれ以外の成分の効果も失われるのだなと思いました。

・双子葉合弁花類の生薬を避ける
・レクチンを含む部位であるなら動物性のものも避ける

という、至極当然な条件がここでつきました。

この時、私が漢方薬をテストすることで子供の体質と同じようにレクチンを受け付けないということがわかりました。一般的なトマトやゴマなどの食べ物であれば普通に食べれていたものも生薬となると症状がはっきりと出ます。子供に生薬を与える場合は驚くほど少ない量で試すべきだと思います。それは大人の1/10~1/20量から始めるのでちょうどよいです。体重から計算して1/3量を与えたりすることは危険です。

そこで「親の私が飲める漢方薬を先に探す」という方法を取ることにしました。


親で人体実験をする

当時私が飲んで「効果があった」と感じることができた処方は次の通りです。

・麻黄湯(熱があるときの風邪の薬)
  麻黄(マオウ)
  桂皮(ケイヒ)
  杏仁(キョウニン)
  甘草(カンゾウ)

・小青竜湯(鼻水・咳・のどの痛みがあるときの風邪の薬)
  麻黄(マオウ)
  桂皮(ケイヒ)
  芍薬(シャクヤク)
  半夏(ハンゲ)
  五味子(ゴミシ)
  細辛(サイシン)
  乾姜(カンキョウ)
  甘草(カンゾウ)

・猪苓湯(膀胱炎・下痢・足の浮腫み取りの薬)
  猪苓(チョレイ)
  沢瀉(タクシャ)
  茯苓(ブクリョウ)
  阿膠(アキョウ)
  滑石(カッセキ)

・八味地黄丸(虚弱体質、排尿困難、かすみ目の薬)
  地黄(ジオウ)
  山茱萸(サンシュユ)
  山薬(サンヤク)
  茯苓(ブクリョウ)
  沢瀉(タクシャ)
  牡丹皮(ボタンピ)
  桂皮(ケイヒ)
  附子(ブシ)

・桂枝茯苓丸(生理不順、のぼせの薬)
  桂皮(ケイヒ)
  芍薬(シャクヤク)
  茯苓(ブクリョウ)
  桃仁(トウニン)
  牡丹皮(ボタンピ)

・大黄(下剤)

・黄耆(止汗、強壮、利尿作用、血圧降下の薬)


私はシナモンを料理に使うと具合が悪くなりますが桂皮とはシナモンのことです。そして滑石はタルクです。一度これを除去してほかの4つの生薬で猪苓湯を作ってみたら全く違う薬になってしまい効果はありませんでした。甘草もそれだけだと低緊張になりますが、少しずつ入る分には問題がありませんでした。杏仁もシアン化合物の系統の毒です。

配合のバランス次第で、本来摂取しにくいものが平気で使えるようになってしまうことに、漢方の奥深さを感じました。


効かない漢方薬の特徴

麻黄湯と小青竜湯は風邪の薬です。風邪の漢方薬と言えば「葛根湯」のほうがポピュラーだと思います。幼い頃から「葛根湯は効果が全くない薬」というイメージがありました。効いた実感が全くなかったからです。このことを薬局で相談していたら「あら、私の逆ですね」と薬剤師のお姉さんに言われました。私たちは効いた薬が本当に正反対だったんです。

●お姉さんに効いた生薬で私に効かなかったもの
葛根湯(寒気、頭痛)
麦門冬湯(長引く咳、気管支炎)
柴胡桂枝湯(吐き気、胃腸炎)
五虎湯(激しい咳、喘息)
甘草湯(のどの痛み)
銀翹散(のどの痛み、頭痛)

●私に効いた生薬にお姉さん効かなかったもの
麻黄湯(高熱、鼻かぜ)
小青竜湯(鼻かぜ)
竹茹温胆湯(治りかけの風邪・インフルエンザ)

その日から飲んだ時に具合が悪くなった生薬をリストアップしていきました。

・五苓散
  猪苓(チョレイ)
  茯苓(ブクリョウ)
  蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
  沢瀉(タクシャ)
  桂皮(ケイヒ)

猪苓湯と五苓散は水抜きの漢方なので処方の組み合わせは少し似ています。蒼朮・白朮が入っている五苓散は飲むと苦しみました。蒼朮・白朮はキク科の植物なので合弁花です。それでだめなのだろうと予想がつきます。

五行草という菌を殺す薬があるのですがそれを飲んだ時も倦怠感、嘔吐、頭痛といった症状が出ました。これはヒユ科の植物です。合弁花かどうかのチェックは怠らないようにしなければ自分が苦しみます。


黄色い生薬は味方!?

またこの頃から「麻黄、大黄、黄耆、地黄」というように黄色い生薬が妙に多いことが気にかかっていました。コルチゾールについて調べているときにアメリカのサプリメントで「リローラ」という商品を見つけました。内容は漢方薬の厚朴エキスと黄柏エキスを組み合わせたものです。こちらも黄色い生薬です。この商品は添加物の関係で飲めなかったので薬局で相談してみたところ生薬の原末を分けてもらえたので試しに飲んでみました。ひどい下痢になってしまい、量の調整が難しいと痛感しました。合う合わない以前に量がわからないと判断ができませんでした。

そこで黄色い生薬を集めたお薬を2種類試しました。黄連をベースにしたものです。黄連にこだわっていたのはちょうどこの時に糖鎖分解酵素のシアリダーゼを減らすためにジンジバリス菌を除菌しようとしていたからです。黄連に含まれるベルベリンを使いたかったのです。

・黄連解毒湯(のぼせ、めまい、イライラの薬)
  黄連(オウレン)←キンポウゲ科
  黄ごん(オウゴン)←シソ科
  黄柏(オウバク)←キハダ属
  山梔子(サンシシ)←キク類

・三黄瀉心湯(のぼせの薬)
  黄連(オウレン)
  黄ごん(オウゴン)
  大黄(ダイオウ)

黄連解毒湯は気分が悪くなりました。三黄瀉心湯は黄連解毒湯よりはマシでしたが良いとは言えませんでした。

そこで私はひらめきました。

「麻黄湯に黄連を混ぜちゃえ」

麻黄湯に少量の黄連を混ぜて飲みました。寝る前に飲んで寝ると寝起きがすごく良かったので子供にも飲ませてみました。舌に空いた穴がふさがっていたので効果がありました。穴のふさがり具合でいうとアロマターゼ阻害薬よりは効果は落ちましたが、認知が落ちずに舌の穴が塞がったのは良かったです。

この時に「麻黄湯と黄連に加えてブドウ糖ときな粉」を加えると効果はもっと高くなりました。「脳の中のジンジバリスにも効いたらいいなぁ」と思い、なんとなく閃いてこの組み合わせをしたのですが、2~3日続けて飲むと物忘れが改善しました。

ちなみにこれらに少し似た処方の漢方薬があります。

・半夏瀉心湯
  半夏(ハンゲ)
  黄ごん(オウゴン)←シソ科
  黄連(オウレン)←キンポウゲ科
  人参(ニンジン)
  乾姜(カンキョウ)
  大棗(タイソウ)
  甘草(カンゾウ

これは飲むと具合が悪くなって1回飲んだだけで二度と飲まなくなりました。人参が入ると途端にダメになります。


特にひどい症状が出たのがこの2つです。

・桂枝加竜骨牡蛎湯(不眠、神経過敏の薬)
  桂皮(ケイヒ)←クスノキ科
  竜骨( リュウコツ)
  牡蛎(ボレイ)
  芍薬(シャクヤク)←コア真正双子葉類、ユキノシタ目
  生姜(ショウキョウ)←ショウガ科
  大棗(タイソウ)
  甘草(カンゾウ)←マメ科

・冠元顆粒(頭痛、めまい、高血圧の薬)
  紅花(コウカ )←キク科
  芍薬(シャクヤク)
  川芎(センキュウ )←セリ科
  香附子(コウブシ )
  木香(モッコウ )←キク科
  丹参(タンジン )←シソ科


また八味地黄丸は効果があったのに似た別の薬は具合が悪くなりました。これも参考になると思います。

まずこれが八味地黄丸です。

・八味地黄丸(虚弱体質、排尿困難、かすみ目の薬)
  地黄(ジオウ)
  山茱萸(サンシュユ)
  山薬(サンヤク)
  茯苓(ブクリョウ)
  沢瀉(タクシャ)
  牡丹皮(ボタンピ)
  桂皮(ケイヒ)
  附子(ブシ)

・六味丸
  地黄(ジオウ)
  山茱萸(サンシュユ)
  山薬(サンヤク)
  茯苓(ブクリョウ)
  沢瀉(タクシャ)
  牡丹皮(ボタンピ)

六味丸と八味地黄丸との違いは、桂皮と附子が入っていないだけです。これは体を温めるものです。体温が低いのであれば八味地黄丸でよい気がしますが、薬局では大人は八味地黄丸、子供は六味丸を飲むのが一般的な飲み方だと説明されました。六味丸を飲んだ私の子供は嘔吐を繰り返しけいれん発作を起こしました。八味地黄丸の場合は何の問題もありません。

・牛車腎気丸
  地黄(ジオウ)
  山薬(サンヤク)
  山茱萸(サンシュユ)
  茯苓(ブクリョウ)
  沢瀉(タクシャ)
  牡丹皮(ボタンピ)
  桂皮(ケイヒ)
  附子(ブシ)
  牛膝(ゴシツ)←ヒユ科
  車前子(シャゼンシ)←キク科

こちらは八味地黄丸に牛膝と車前子を加えて水抜きもできるようにしてある処方ですが倦怠感が強く出て嘔吐しました。牛膝と車前子は合弁花なので具合が悪くなったこともうなづけます。ウリ科セリ科キク科の悪影響は大きいと思っていましたがヒユ科も凄まじいです。こうしてみるとレクチン不耐症の人間にとって使える漢方の生薬はそれほど多くないということがわかります。

水抜きの効果の大きい生薬は合弁花が多い特徴があります。私たちは浮腫みやすいのでよくをかいてこのような漢方に頼ろうとしていたのですが、アロマターゼを阻害することがうまくいっていれば女性ホルモンが減るので浮腫みは取れます。

処方薬が使えないことが多いのでせんじ薬の知識を得て、いざというときに使える薬を確保することはとても重要です。漢方薬も丸薬や原末、せんじ薬などは良いのですがエキス錠などには添加物が含まれているので具合が悪くなることがあります。メーカーによっては名前が同じでも細かい処方が異なることがあるので注意が必要です。

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