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レクチン不耐症の人の風邪の治し方

今回、普段は風邪をひくなら鼻水鼻づまりか下痢の症状が多い私が珍しく咳・高熱の肺炎タイプの風邪をひきました。めったにそういう症状の風邪をひかないのですがたまに引くと対処に困ります。普段効果のある麻黄湯や小青竜湯などの漢方薬を飲んだのでは全く歯が立ちません。病院でもらう抗生剤などは効果が感じられないですし添加物の関係で具合が悪くなってしまうんです。飲めるのは漢方のみ。

そこで今回処方していただいたのが麻杏甘石湯です。このお薬は気管支を広げ、また痰を出しやすくして呼吸を楽にします。

麻黄(マオウ):気管支喘息に効果のある成分エフェドリン
杏仁(キョウニン):去痰作用がある
甘草(カンゾウ):緩和作用
石膏(セッコウ):熱や腫れをしずめる含水硫酸カルシウム

麻黄や甘草が入るほかのお薬と一緒に飲むと良くないことが起きるのでこのお薬は決められた通りに飲むのがいいです。


通常レクチン不耐症の人は風邪をひいたときは次のようなお薬を使います。

・麻黄湯
・小青竜湯
・竹筎温胆湯
・猪苓湯

これらはどれも双子葉合弁花を食べられないタイプの人でも効果がある漢方薬です。

離弁花を食べられる体質の薔薇タイプの人ならばこのような使い分けをします。

・高熱、寒気、関節の痛み、頭痛、咳:麻黄湯
・鼻水、鼻づまり:小青竜湯
・下痢:猪苓湯
・風邪の治りかけ:竹筎温胆湯

でもこれだけだと「咳の風邪」をどうやって治したらよいかわかりません。困りますよね。実際私はめったに咳の風邪をひかないのですが、今回酷い咳の風邪をひいてしまいとても困りました。

病院で「痰が絡む」「咳が止まらない」などと言うとカルボシステインというお薬を出されると思います。これはムコ蛋白という糖鎖を分解するお薬です。体の粘膜が多すぎるときにこれを分解しようというお薬ですが、解けちゃいけない体の糖鎖が溶けやすくて困っているのがレクチン不耐症です。カルボシステインは脳みそ破壊するレベルの避けるべきお薬!だから絶対にダメです。飲むとガタガタと震え始めて全身腫れ上がります。そして子供は全力で飲むのを拒絶して薬を嫌がります。

私はこのお薬を与えると子供が苦しむということを病院で伝えた時に小児科医は「これは安全が確立された有名な薬だから異常が起きることは絶対にない!この薬を子供が嫌がって飲めないのはあなたが甘やかしているせいだ!いい加減あなたもちゃんと薬くらい子供に飲ませられるようになりなさい!」と叱られました。「飲ませると苦しむ」と伝えたのですが、「薬を飲ませるのが下手くそな母親が駄々をこねている」と思われたようです。

「脳性麻痺のように脳にダメージがある子供の体の中では糖鎖が容易に溶けるせいで正常に発達しないのだ」という概念が全くなければこのような対応をされると思います。

私がこのことに気づいて相談した小児科医は「糖鎖」「レクチン」というだけで「わかるわけがないじゃないか!そんな難しいもの!」と怒鳴り、仕方なくムチンとレクチンの違いから説明しなければならないほどでした。一応は代謝の専門医だったのに。むしろ薬学部を卒業したばかりの薬剤師さんの方が話が通じました。困っている私を見て、薬剤師さんは「私たちの方が新しいことを習っているから、先生たちが習われた時代とはかなり進歩しているから仕方がないかもしれない」としょんぼり顔。

「小児科ではらちが明かない、薬科の偉い先生と話をしないとダメなのだ」と、思うと同時に今後病院では風邪をひいた時ですら薬1つもらえないということを覚悟しました。

頼れるのは漢方だけです。

では漢方なら完全に安心なのかと言うとそうではありません。

・葛根湯

これは有名な風邪の漢方薬ですが私たちのような薔薇のタイプの人は飲んでも効果がないばかりか苦しみます。それはまるでカルボシステインを飲んだ時のように。なぜなら葛根湯に含まれている生薬は「双子葉合弁花」のものが多いからです。漢方の生薬のほとんどは植物性のものです。当然レクチンを多く含んでいるものも沢山あります。組み合わせの妙で飲めるものも中にはありますが、「高麗人参」などが入っているようなものは飲めません。白朮・蒼朮なども苦しみます。毒を飲んだ人が苦しむ姿をドラマなどで見ることがあると思います。子供があのような姿で苦しむんです。

ですから双子葉合弁花を含んでいない漢方薬というのはとても少ないので、ほとんどの漢方薬を飲むことができません。

ですが今回私はこの酷い風邪をひいたことで、良い発見をしました。

麻杏甘石湯を飲むことができる。

そしてそれはよく効きました。


麻杏甘石湯と近い用途に使われるお薬で麦門冬湯というのがあります。

・麻杏甘石湯:痰が出る、ゼーゼーという激しい咳、喉が渇く、汗をよくかく、のどの痛み
・麦門冬湯:痰がきれにくい、コンコンとした乾いた咳、喉が渇く、しわがれ声、のどの痛み

なんだか似ていてちょっと見分けがつきづらいですね。でも私は麦門冬湯を飲んでも全く効果を感じられませんし、むしろ風邪の症状が酷くなります。ですから合弁花を食べられない人は麦門冬湯は飲むことができないはずです。麦門冬はユリ科、半夏はサトイモ科で、人参はウコギ科でアウトです。

×麦門冬(バクモンドウ):潤性薬、喉を潤す
×半夏(ハンゲ):こみ上げる咳や吐き気をしずめる降性の生薬
×人参(ニンジン):滋養強壮作用
〇粳米(コウベイ):うるち米、炎症を押さえる
〇大棗(タイソウ):神経過敏を静め、咳、腹痛などの痛みを緩和
×甘草(カンゾウ):緩和作用

風邪の咳を止めたい時は麻杏甘石湯の方が私たちは良いようです。


ちなみにうちのベビーシッターさんに私は風邪をうつしてしまいました。そこでシッターさんには「麦門冬湯が良いよ」と言って飲ませてみると「凄く効いた、6時間だけ。タイムリミットがある薬だけど続けて飲んでいたら嘘のように楽。こんなに咳が一気に止まる薬なんて見たことがない」と言われました。シッターさんは糖尿病で肝硬変寸前の脂肪肝。胆石が溜まって堪能を摘出したこともあり、心肥大をしています。不眠症で鬱っぽい症状が出ることもあり、完全に百合タイプ。

そこで私は「一緒にカレーを食べてみよう」と言いました。

なぜかというと、私たちは二人とも「咳の風邪」を引いてしまっているのです。これは「肺の問題」なので百合タイプの状態。

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シッターさんは元々百合タイプで百合の症状がでました。私は薔薇タイプで風邪によって体質が変化し、百合の症状が出ました。これを真ん中のバランスの取れたところに持っていくためにそれぞれ違う薬を飲みました。

ですが本来食べるべきものが何かと言うことを考えると、それはあえて「双子葉合弁花類を食べる」ということだと思ったのです。それで「甘口のカレー」を食べました。薬の調整よりも食べ物の調整の力の方が大きいのです。私は嘘のように咳が止まりました。

私は薔薇タイプですが一時的に百合タイプに体質が移動していました。これは普段かからないタイプの風邪にもかかります。治し方も普段と違うので難しいですが、そういうときほど「普段絶対にしないことを一時的にしてみる」ことで効果が出ます。風邪が治れば私はまた薔薇タイプの食事に戻します。


風邪は誰でも時々ひいてしまうものだから。私は1週間寝込んでひどい目にあいましたが、治し方がわかってよかったです。


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