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側弯と不妊症。

最近うちの子の体重が急激に増えたせいで、側弯がひどくなりました。側弯とは背中側から見たときに骨がゆがんで見える状態のこと。実際は骨がゆがんでいるわけではなく前後に傾いているだけですが、レントゲンなどで写真を取ると曲がっているように見えるので昔は誤解されていたそうです。

この側弯、治し方を教えてくれた先生がいました。現在彼は認知症がひどくなって施設に入っているので、コロナの関係で面会謝絶です。

最近頻繁に電話で「側弯の治し方を教えて欲しい」とお願いしたせいか、1日4~5回は電話がかかってきて側弯以外のことも教えてくれます。失明し、寝たきりでもう起き上がることもできなくなってもまだ、人体の真理にたどり着くことを諦めていない。すさまじい事だと思います。

そしてその実験を私に「やってみて欲しい、どうなっているのか。僕はもう立てないから試すことができない」と言ってくるのです。これは応えなければ。と思うのだけど、言われたとおりにやってみてもイマイチ私にはピンとこない。なぜなら私はその筋にはセンスがないのです。

ないならないなりに、工夫をしなければならないです。

まず、私がしなければならないことは。

① 先生から治療方法を聞き出す
② わかる人に説明をして検証してもらう
③ まとめる

です。

先生が今日「側弯を治すためのテク」として教えてくれたことはちょっと摩訶不思議でした。

「あのね、側弯っていうのはね。体重を左にかけてしまえば治るの。なんでかって言うと右にかける人しかならないから!逆はないの!なんでかっていうと人間の心臓がある位置を考えたらわかるでしょ?」

わかりません…

「わかんないなら、まあいいや。とにかくそうだってことだけは覚えておいて。それと側弯は夜寝てるときになるから。後ろから見たときにアルファベットのCの文字になる人もいれば逆Cになる人もいるけど、それはどっちを向いて寝たかに寄るの。低緊張だと体が柔らかくて骨を筋肉で上手く保持できない。ということは、横向きで寝てるときに体が上になる側が重くてぐーっとねじれてくる。このねじれが側弯を作るの。だからあおむけで寝るかうつぶせで寝てれば側弯にはならない。どっちに向いてねじっていたかでからだの歪みは決まるけれど、そもそも『その人が普段体重をどちらにかけて生活してるか』が大事なわけ。しかもあなたのお子さんの場合はまだ小さいから、通常の施術はできないよね。となると、寝たきりの人用の治し方をするか、新たに子供向けの治し方を開発しなければならない。それで考えました!」

考えてくれたんだ!!!!

「反対の手を上げる!」

ん??

「右に体重をかけている人が左に体重をかけかえればいいだけ。だからそうするためには2つしか方法がない。1つは左足を組んで椅子に座る。2つ目は左手を上に上げる。これだけ。」

ん???足はわかるけどどうして手?

「手の補正は身体の補正の中で一番強いんです。足首や首の矯正なんかよりもずっと。一番強いのが手首から先の動き。この補正をしていく。だからさっき2つって言ったけど、3つ目あるわ。手を変えてやる。」

手?どうやって?

「たとえば、体重が右にかかってるってことは『手をつかんででください』といって片手で片手をつかませたときに右手が上になるようにつかむはずでしょう。ということは、普段から左手で手をつかむようにしていれば自然と補正される。何の用もない時でも、左手で右手をつかませていればいいんだよ。」

ええええ?たったそれだけで?

「それが指の補正。あ、4つ目だね。たとえば『体重がかかっている方』がどちらなのかは大人で喋ることができる人なら本人が一番よくわかってるから聞けば確かなんだけど、それができない場合は目で見て診断しないといけない。どうやるかというと指を見る。親指と人差し指の間が狭い方に体重がかかっている。だから、体重をかけるほうを変えたいなら狭い方の指の間を広くするように無理やり広げてやるだけ。それだけで体重のかかり方はかわるから。」

ほんとうに?

「やってみたらいい、自分でちょっとやってみて」


というところまで話したところで、シッターさんが登場。

「それは人体の仕組みとしては合ってる。親指と人差し指の間の狭い方の手と同じ方向に人の体重がかかるっていうことは昔から知られている。格闘技をやる人間は必ずそれを理解していないと格闘技できないから、自分なんかは中学くらいの時に先生からそれを習った。それは合ってる。でもそれは足の指の間って習った。手の場合は肩だと思う。足の指が股関節、手の指が肩甲骨の方に影響があると思う。それはもっと調べるべきだ。でもこの場合は手の補正でいいような気がする。」 

なんで?

「そのやり方で治った人を見たことがある、昔。それは柔道整体だったけどやってる先生がいた。」

ええええ???なんなんだろう、この人たちの経験値。本当に恐ろしい。


ということで、まずは私の身体でテストしてみます。わたしも立派な低緊張。後ろから見たときにアルファベットのCの形をした側弯です。鍼灸や整体なんかに行くと一発で指摘されるレベル。

右腰が前に出ていて、左肩が前に出ていて、現在は右側に体重がかかっています。以前は左に体重がかかって、顔が右を向いていました。最近の自分の努力で体重がかかる方向が変わってきました。これによって便秘は解消しました。右の体側の縮みが取れてきたので。その代わり側弯がひどくなってきました。

その私が、右手の親指と人差し指の間の部分をひざに押し当てて伸ばしてみました。腰のジンジンとした痛みが1回で取れました。

何だったの!!!!!!
週2で鍼灸院に通っていたのに!
ストレッチ専門店に毎週通っていたのに!!!
腰の痛みとしびれがいやでいやで通っていたのに!!!

なんでたったこれだけで腰が痛いのが治るの!!!!

手をグリグリしただけで!!


そりゃ、先生が元気な時は毎日90人の患者さんが通ってたわけだわ…。1人3~5分の施術でチャッチャと終わらせていたけれど、こういうテクを山ほど知っているんでしょう。

でも先生の認知症の調子のいい時にどうしても聞きたいことがあります!
前からずっと教えてくれなかった例のアレ!!!

この先生実はメロンが大好物で、患者さんからよくメロンを差し入れしてもらっていました。不妊症で悩んでいる人が来たとき、「子供ができたら、お礼はメロンでね」と約束をしていたんです。それ以外ではお礼を要求しているのを見たことがありません。「これはお約束です。これを守ることが本当に効果がある」と言っていて大変怪しかった。

でも本当に皆さんすぐに妊娠してしまうので、先生は頻繁にメロンを貰っていたんです。わたしも何度もメロンを持ってやってくる夫婦を見ました。

この秘伝の子供の作り方は整体などではないと先生は言います。

「僕にとってはすごくつまらない大したことではないこと。もっと気になる難しい病気を治す方法の研究がしたくてしたくて。子供作るとか簡単すぎて興味を持てなかったから宣伝なんかもしなかったし、それが得意だといったことも特になかったけど口コミでいつも患者さんは沢山きた。でもこれは自分の強みだと思ったことは一度もない。だって簡単すぎるから」

先生は不妊症の患者さんたちに「子供が欲しくなったらおいで。子供ができる体位を教えてあげるから旦那さんを連れてきてね」と言うんです。

当然「通えば2~3か月で必ず子供ができるので有名な整体」だから来た患者さんはポカーンとします。

「して楽しい体位と子供ができる体位は違うんですよ。子供を作るには子供を作るための体位がある。普通の体位で普通にSEXしたからってできにくい人は子供なんてできないですよ。子供を作るには必然が必要なんです」と、先生は真面目な顔をして言うんです。

すると息子さんなんかは途端に嫌な顔をする。そこは整体院だからね。

先生は「うちの息子は僕の言うことを全然信じてない!この施術で得たお金で育ってきたくせに!自分だってメロンいっぱい食べてるくせに!何十年もずっとそばで見てきておきながら全く信じてない!」と言って怒るんです。

私は、信じますよ。私はメロン食べてないけど!メロン持ってきた人いっぱい見たし!だって居合系の整体院だから、バランス大事!姿勢大事!

患者さんたちがお礼のメロン持ってくるたびに「本当にアレは楽しくない」って言ってるんです。それを聞くたびに私は気になって気になって!だってそういう患者さんが来たときはいつも先生は別室でこっそりその子供ができる体位というのを教えていたから私はいつも見れなかった。見れないと気になるでしょう!!それにこういう事こそ人類の英知として伝えていくべきことなんじゃないですか??

出てきた患者さんにこっそり聞いたときは「巴投げみたいだった」と言っていたけれど、巴投げって…成立しないんじゃ??と、謎が深まっただけでした。


整体じゃなくたっていいですよ。
だから先生!

完全にボケきる前に教えて欲しい!
そしたら私がメロンを差し入れします…。

おいしいやつ。


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