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今日覚えたい文法

Un petit-déjeuner français « typique », que ne prennent pas quotidiennement les Français.

文法解説をします。

朝食にも色々あるし、典型的といっても読者は知らない可能性もあるし、他にも「典型的」なものがあるかもしれないから、決めない不定冠詞を使ってます。
典型的なフランス風の朝食が世間に認知されていたり、誰が考えても同じものになる場合は定冠詞になります。

typique は「典型的な」を意味する形容詞ですが、« … » という記号に入っている場合はニュアンスが違うのです。
« 本当は違う» という意味を帯びます。

Il y a beaucoup de « professeurs » de français sur internet, qui donnent de fausses informations.
嘘の情報を流す「フランス語の先生」がネット上には溢れています。

Je connais un couple franco-japonais qui se « communique » en anglais.
日仏カップルを知っているけど、英語で「話して」いるね。

"," がないと情報がダイレクトに伝わるのですが、コンマ "," を入れると、そこで少し「休憩」ができるので補足説明であると伝わります。話しているときには que で一瞬流れを切ります。

関係代名詞 que を使ったら、その後の語順は少し自由度が高くなるのです。
que の直前の名詞は、この後に登場する予定の動詞の「直接目的語」であるということが明白なので、その主語が一般名詞である場合は倒置(動詞を先に出し、主語を後に置く)をすることができます。ただし、代名詞が主語の場合は倒置をすることはできません。

どうやら、名詞で文が終わると「文全体が落ち着く、締まる」という効果が生まれるようです。なぜそうなのかは、ネイティブも説明できないようですが。
結果論なのか、意図なのかは、発言者のみ知るところですが、名詞を最後に持っていくと、そこに新たな説明を付け加えることが可能になります。名詞→動詞の語順において名詞に関係代名詞などを使って説明を付け加えると、主語の部分がどんどん長くなって、バランスが崩れてしまいます。
文全体を司る「動詞」は早めに聞きたいということがあるのかもしれません。

pas tous les jours よりも pas quotidiennement の方が、短い語で多くのことを伝えているので、表現に色気があります。

以上の訳で、

Un petit-déjeuner français « typique », que les Français ne prennent pas quotidiennement.
より
Un petit-déjeuner français « typique », que ne prennent pas quotidiennement les Français.
が好まれる傾向にあるようです。

長〜い「倒置」を中心とする文法解説でした。
お付きあい、ありがとうございました。

ご参考まで

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