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今日覚えたい文法

直説法と条件法

先日新聞にこんな記事がありました。
一緒に読んでみましょう。

Depuis son lit d'hôpital, Pierre Palmade a parlé aux enquêteurs. Il leur aurait expliqué ne pas se souvenir de l'accident. Ce serait donc un trou noir entre le moment où il quitte son domicile et son réveil à l'hôpital.

まず、冒頭の depuis で一瞬戸惑うかもしれません。学習者は前置詞 depuis は「過去から現在への時間の前置詞」と習うのですが、ここでは「場所の前置詞」として使われています。
病院のベッドから(捜査員へ)話したのです。

son lit d'hôpital も見かけない表現ですね。いつも眠っている家のベッドではなく「病院」のベッド、なのです。どの病院かということが問題ではなく、「家ではなく病院」というということを伝えるためなので何らかの限定をする冠詞は必要ないのです。形容詞的な役割を果たしていると考えてもいいでしょう。une station de métro(ほかの station ではない)、un dictionnaire de français(他の言語ではない)と同じ考え方で問題ないと思います。

Pierre Palmade a parlé aux enquêteurs.
捜査員に話したのです。何かを話したことは「事実」として記事では語られています。ウラがちゃんと取れていることが想像できます。

一方、
Il leur aurait expliqué (…) Ce serait donc un trou noir (…)
これは、事実確認は取れていない可能性が高いので、事実とは断定できない「条件法」が使われています。記者が直接確認したわけではなく、医者が話したのか看護師が話したのか、間に一人入っている可能性があります。
現世(現実)と少しでもずれている可能性があれば条件法が使われます。

どうやら説明をしたようだ。
どうやら意識喪失(ブラックホール)のようだ。

Il viendra. 確実に来ると、語っているのです。
Il viendrait. 来ない可能性があるので、条件法です。

新聞を読み取るって、かなりのパワーが必要です。
さらに技工を施してある文学を読むって、きっと違うエネルギーや知識が必要なのです。だから(と言ってもいいと思うのですが)僕は文学作品を味わうのが苦手なのです。

どうしても冠詞や時制に気を取られてしまうのです。
だめだなぁ…

ご参考まで



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