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東京駅への道

連日、2011年3月11日のことを書いてます。
と言っても当時のmixiから転記しているだけですが…​

大塚駅に着いたのは9時半過ぎ。駅はほどほどの混雑。みどりの窓口で新幹線のチケットを発券しようとしたが東海の窓口じゃないと不可とのこと。東京駅で時間をとられそうだな、と少し焦る。ホームにあがると電車が田端で時間待ちしているとのこと。

普段ならあと10分もしないで電車が来るのに20分待っても来ない。このあと電車が来ても、池袋、新宿、渋谷で同じように時間待ちをしたら品川から新幹線に乗ることになったとしても間に合うかどうが疑問だ。荒川線はのどかに走っているのがみえる。タクシーも動いてる。ルートを変えるべきか。

その時、ちょうど埼玉方面に帰宅する同僚が合流した。タイミングよく都内在住の都内育ちの同僚と話していたので変わってもらった。
「あ。かおりさ~ん。大丈夫~。」
「ごめん、ちょっとアナタの話聞きたくない。アタシの話聞いてくれるかな。」

「今から東京11時30分の新幹線に乗りたいの。品川なら35分。迂回ルート探して。荒川線は動いてるしタクシーも動いてる。けど、その先の状況がわからん。 」
「オケ。地図とテレビとPCあけたわ。品川だと地下鉄は・・・」
「泉岳寺とか高輪台でもいいよ。東京だと大手町もアリかな。」

「んーいいルートないな。タクシーは途中がわからんなー。」
「じゃ、大塚から歩ける地下鉄の駅ない?そっからルート考えるわ。」
「8分歩けるなら新大塚行きな。そこから丸の内線で大手町は?丸ノ内線は動いてる。」
「丸の内線から大手町ね。」

同僚の一人が路線図を広げてルートを確認。別のもう一人がスマホの地図で大塚から新大塚のルートを確認。
「オケ。これでいくわ。悪いけどMさんにルート変えるって電話しといて。」
「了解。気をつけて~。」
同僚が女神に思えた。

ここで少し心配になり新幹線の予約を12時半にずらしてもらった。 大塚から新大塚まではアリの行列のようにみんな移動していて迷うこともなくあっという間にたどりついた。 何よりも確実に家に近づいているという手ごたえを感じた。

同じ方向にずっと乗っていくと荻窪までつくので昨日同室だった 中央線の同僚も一緒に新大塚から丸の内線に乗った。東京駅で私たちは降り彼女を見送った。めどの立つところまで一緒にいられて良かった。ここで11時少し前。さあ、新幹線のチケットが発券できるのか。

JRの構内につくと予想通りみどりの窓口は長蛇の列。自動券売機には「えきねっと」の表示はあるが「エキスプレス予約」の表示はない。普通に並んでいたらどのくらいかかるかわからない。改札にいる駅員さんに尋ねてみると、東ではなく東海の改札に行くように言われた。

普段、改札外に出ることなく新幹線を利用していたので知らなかったが JR東海の新幹線用改札口があるのだそうだ。そちらに行くとガラガラだった!
券売機で先輩にチケットを発券してもらって無事入場することができた。このとき11時20分すぎ。新幹線の時間をずらしてもらってよかった。

じゃ、時間が1時間ほどあるからお弁当買ったりしようか~なんて言ったら
「かおりさんと新横浜さんは自由席でよければ先に帰りな。」と関西組から言われた。
新横浜の後輩は不安そうに震えているので先に帰ることにした。みんなと握手してお互いに無事に帰ることを約束して別れた。


つづく

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