髪と頭皮に優しい湯シャン(NoPoo)のひみつ
食べるものと同じく大切な毎日のスキンケア、ヘアケア。
アトピーなどの皮膚炎があるとシャンプーの問題はとても大きな課題となります。
そこで今回は美容と健康に関心のある人々の間で話題の"湯シャン(NoPoo)"を取り上げてみましょう。シャンプーを使わずに髪を洗うこの方法、一体どんなメリットがあるのでしょうか?
■ 湯シャン(No Poo)とは
湯シャン(NoPoo)は、シャンプーを使用せずに頭髪を洗う方法で、"No Poo"とは、「no shampoo」の省略形で、シャンプーやコンディショナーを使わずに髪を洗うというヘアケア運動を指します。
化学物質への関心が高まる中、特に健康や環境に意識的な人々によって自然な髪と頭皮の健康を保つために取り組んでいます。頭皮が自然に産生する油分を保つことで、頭皮の乾燥や刺激を防ぐことができます。
このムーブメントは世界中で広まりつつあり、一部の有名人も実践していると言われています。しかし、これは一体どうしてなのでしょうか?それは一部のシャンプーに含まれる成分は一部の人々にとって刺激やアレルギー反応を引き起こす可能性があり、近年アトピー性皮膚炎やフケや脱毛に悩んでいる人が増えていることも後押しになっています。
■ 湯シャン(No Poo)のメリット
湯シャンは、シャンプーやコンディショナーを使わずに、水またはお湯だけを使用して髪と頭皮を洗う方法です。その主な目的は、天然の油とバランスを崩さずに、頭皮と髪を清潔に保つことです。
1.頭皮の自然な油分の保護
シャンプーに含まれる硫酸塩や強力な洗浄剤が頭皮を過度に乾燥させ、かゆみやフケを引き起こすことがあります。また一部の人々はシャンプーに含まれる香料や化学成分に対して敏感で、刺激やアレルギー反応を引き起こすことがあります。湯シャンは、自然な油分を保護し、頭皮や皮膚の健康を維持することを目指しています。耳にアトピーができる場合、皮膚科では「シャンプーの洗い残しで炎症を起こしているので湯シャンをしなさい」といわれることがよくあります。
2.髪の健康
シャンプーは頭皮だけでなく髪を乾燥させる可能性があり、乾燥は髪がもろく、折れやすくなる原因となります。また、シャンプーに含まれるシリコーンは髪の表面に皮膜を形成し、髪の健康に必要な湿気や栄養素の浸透を阻害する可能性があります。シャンプーを使わないか、または低シャンプーを使用すると、これらの問題が改善することがあります。
3.化学物質の摂取を減らす
多くのシャンプーには、合成香料、人工色素、硫酸塩、パラベンなど、皮膚刺激物やアレルゲンが含まれています。湯シャンは、これらの成分の摂取を避けることができます。
4.コスト節約
定期的に高品質のシャンプーやコンディショナーを購入することは、経済的な負担になることがあります。湯シャンは、この種の出費を削減することができます。
4.白髪や脱毛の防止と改善
一部では効果を期待されていますが、直接白髪を改善したり、脱毛(ハゲ)を防止したり改善したりするエビデンスは現在のところありません。
しかし、湯シャンは頭皮環境を改善する可能性があります。シャンプーによる過度な洗浄により頭皮が乾燥し、それが髪や頭皮のストレスとなって白髪や脱毛の原因になっている場合や、脂漏性皮膚炎などが湯シャンにより頭皮の自然な油分を保つことができ、白髪や脱毛が防止改善される可能性があります。
■ 湯シャン(No Poo)のデメリット
湯シャンには様々なメリットがある一方で、実際に試す人によってはいくつかのデメリットも経験されています。
1.髪のにおい
シャンプーに含まれる香料がないため、髪に特有の自然な臭いが気になることがあります。ただし、これは通常、湯シャンを始めてしばらく(数か月)すると改善されると言われています。解決策としては、洗髪時にアップルサイダービネガーやエッセンシャルオイルを少量使うと、自然な香りを与えることができます。
2.適応期間の困難さ
シャンプーから湯シャンに切り替えると、初期段階では髪が油っぽく見えたり乾燥したりすることがあります。これは皮脂のバランスが自然に戻るまでの「適応期間」と言われるフェーズです。解決策としては適応期間は通常数週間から数ヶ月で、髪質やライフスタイルによります。適応期間中は頭皮ブラシを使用して頭皮をマッサージし、皮脂の分布を均一に保つと良いでしょう。
3.髪のスタイリングが難しい
シャンプーを使わないと、髪がしっとりとした感触を保つため、スタイリングが難しくなることがあります。解決策としてはヘアスタイルをシンプルに保つことをお勧めします。また、ヘアジェルやワックスの代わりに天然成分から作られたスタイリング製品を使用することも一つの方法です。
4.頭皮の問題
一部の人々は、湯シャン後に頭皮が乾燥したり、かゆみやフケが出ることがあります。皮膚炎の人は悪化することもあります。解決策としては頭皮が適度に潤うように、自然なオイル(例えばココナッツオイルやホホバオイル)を使って頭皮をマッサージすることが役立つことがあります。様子を見ながら医師や専門家に相談することも必要な場合もあります。
これらのデメリットは湯シャンが全ての人に適しているわけではないことを示しています。湯シャンを始める前には、自身の髪質や頭皮の状態を考慮し、社会生活を送る上で超えられるものなのかを判断して行ってください。
■ シャンプーに含まれる化学成分
シャンプーに含まれる一部の化学成分は、人体や環境への潜在的な影響が指摘されています。具体的には以下のような成分が問題視されることがあります。
硫酸塩(Sulfates)
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)やラウレス硫酸ナトリウム(SLES)などの硫酸塩は、シャンプーの洗浄剤や発泡剤として一般的に使用されます。これらは豊富な泡立ちを提供する一方で、頭皮や髪を過度に乾燥させる可能性があります。また、一部の人々はこれらの成分に対して刺激やアレルギー反応を示すことがあります。
パラベン(Parabens)
パラベンは化粧品やパーソナルケア製品によく使われる保存剤で、バクテリアや真菌の増殖を防ぎます。しかし、パラベンはホルモン様の効果があるとも言われ、その長期的な影響については研究が進行中です。
合成フラグランス(Synthetic Fragrances)
「香料」または「パフューム」とラベルに表示されるこれらの成分は、商品に香りを付けるために使われます。しかし、これらの成分は頭皮の刺激やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。また、具体的な成分が明記されていないため、何が含まれているのか特定するのが難しい場合もあります。
シリコーン(Silicones)
シリコーンは髪の滑らかさと光沢を高めるためによく使われます。しかし、長期間使用すると髪に重みを与え、髪をダルく見せる可能性があります。また、シリコーンは髪の表面に皮膜を形成し、必要な湿気や栄養素の浸透を阻害することがあります。
一部の人々はこれらの成分に対して敏感である一方で、全く問題なく使用できる人も多いため、自身の肌や髪の状態、ライフスタイル、価値観に基づいて選択をすることが大切です。
■ 湯シャン(No Poo)の方法
1. まずは入念にブラッシングします。頭皮を傷つけてしまわないように優しく入念にブラッシングし、フケや汚れを落とします。
2. ぬるめのお湯または水で優しく5分ほど時間をかけて頭皮を洗います。熱いお湯では油分を落とし過ぎてしまうのでいつもよりぬるめのお湯で、爪を立ててゴシゴシしないように注意してください。
3. タオルドライの後、しっかりとドライヤーの低温で乾かします。生乾きの状態は雑菌が繁殖してしまうので面倒でもしっかりと乾かします。
髪の艶を保つコツ
・お湯の温度は低め
・ドライヤーは低温で、頭皮から乾かす
・ドライヤーは髪の上から下に向けて当て、最後に冷風を当てる
・ブラッシングで艶を出す
すぐにはコツが掴めないかもしれませんが、それぞれに合った方法を試行錯誤してみてください。
■ 湯シャン(No Poo)ムーブメント
湯シャン(No Poo)は国や地域を問わず、全世界で人気を博しています。特に自然派やエコ意識が高い人々、化学物質に対して敏感な人々、頭皮や髪の疾患を抱える人々などが取り組んでいます。
日本でも海外でも芸能人や著名人が湯シャンを公言している人が増えてきて、取り入れやすくなってきたのはうれしい限りです。
湯シャン(NoPoo)にはさまざまなメリットがありますが、私も取り入れている一人として言えることは、適応期間に心が折れそうになるのを乗り越えられるか?が成功への鍵だということです。
皮膚炎が悪化したり、べた付きやニオイ対策は社会生活を送る上で大きな障害になる場合もあります。数十年使ってきたシャンプーを断つのですから、それ相応の適応期間は覚悟しておいた方が良いでしょう。それでもフケや脱毛などの問題を抱えている人はトライしてみる価値はあると思います。
ただし、個々の頭皮環境や髪質、生活習慣によって結果は大きく異なる可能性があることを覚えておいてください。湯シャン(NoPoo)はあくまで一つの選択肢であり、必ずしも全ての人に適した方法ではないかもしれません。
脂漏性皮膚炎が根本的に治って嬉しい。本気で10年悩みましたついでにハゲ予防
https://youtu.be/jIT2RsIvZ54
脂漏性皮膚炎の人はこの動画もとても参考になると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたに最高の幸せが降り注ぎますように☆
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