その3 山あり谷ありの谷。 Year3
Kao1248さんの素敵なお写真をお借りしてます、ありがとうございます。
前回の続きです。
同窓会に出席した夏が終わり、僕が再びゲーム製作に没頭していた頃のお話。
書いていたシナリオもいよいよ本題の終盤という感じ。
結末をどういう風にするかなどを親友Aやメンバーと話していましたが、なかなか決まらず…。
ちなみに僕の中では結末の案はいくつかあって、そのうちの1つはちょっと自信があった。
なので、これは中々面白いだろうと鼻の穴を大きくして、自信のある結末をメンバーに話すと「それ、アニメ〇〇のラストと同じだよ…」と残念な顔で言われ撃沈。
しかもそのアニメ、未見で楽しみにしていた作品だったので、自分からネタバレまでしてしまいダブルで落ち込む。
結局ラストについては、周囲の意見を聞きながら、自分の考えた案と擦り合わせることになった。
そして前に書いたとおり、同時進行で音楽の基礎部分もまかせてもらえたので手持ちのMP3レコーダーに楽器を演奏し録音。それをDTMソフトでまとめ、簡易デモ制作もはじめた。
簡単なリズムと簡単なメロディーを組み合わせシーンに合わせた6曲ぐらいを目指してやるものの、頭の中では出来上がってても、いざやってみると全然上手いかないので難航した。
数日かけとりあえず、なんとか5曲分ぐらいのデモ音源が完成。
今度は、そのたどたどしいデモを親友Aに聞かせ、Aの演奏で実際の音に差し替えていく。僕も少しだけ打楽器で参加した。
Aはある程度の楽器ならなんでも演奏でき、なおかつそれをレコーディングできる知識もあった。グラフィックソフトを使いイラストも描き音楽までできるAは本当に凄い人だと思う。
音楽に関しては、さらに知り合いのバンドに差し替え演奏してもらう案もあり、どの曲をお願いするかなどAと相談して僕らは話を進めていた。
そして秋も深まる頃になると、原案兼メインプログラマのSさんがテストプレイのできる試作品を完成。
まだ音楽はつかないが、ゲーム画面の中でキャラクターとテキストが動く様を見て参加メンバーみんなで興奮した。
数年前は何もできないと落ち込んでたけど、今回誘ってもらえてよかった、頑張って挑戦した甲斐があった。親友A、それに新しい仲間とラストに向けてさらに頑張ろう、と僕は充実感に満ちていた。
しかしその日々は長くは続かなかった。
2週ぐらい後の事だった。
「体調が悪いので今日のミーティングは休ませてもらう」とAから定期ミーティングを休むLINEが入る。
Aが体調不良というのは珍しいことなので違和感を覚えたが、僕は受けた言葉のままに「了解、また来週、お大事に!」と返事をした記憶がある。
しかしそれに対する返事もなく、次の週もAはミーティングに姿を現さなかった。
ほどなくして、他の人もAと連絡がとれていないことが発覚。
電話をしたりLINEしたり他の仲間もコンタクトをこころみるも、Aとは一切連絡がとれなかった。
Aにも何か考えがあるのだろうと思い、僕はしばらくは静観することにした。
しかし3週間経ても状況は変わらなかった。
最終手段として、僕が代表でAの実家に電話をすることになった。
ちなみにAは実家住まいです。
Aの実家に電話をすると、実家の人もAが仕事に行くといったきり帰宅しないので困っているとのこと、きっと誰か友達の家で寝泊まりしてるのだろうと思ってたそう。
Aならありがちだけど、今回は誰の家にも行っていない。
というか僕らと会って作業している時間が長いので、あり得ない話だし。来るとしても僕の家が一番可能性が高い状態だった。
僕はでしゃばりを承知で「捜索願」を出さないのか踏み込んで聞きいてみた。でもご家族の方はふらっと帰宅する場合もあるのでしばらく様子見してみると返事。
「えー!マジすか?」となるけど、子供ではないし、Aに限っては過去にもふらっと旅に出て音信不通になることはあったので、わからないでもない。
結局、現状は何もわからず、何も変わらないままだった。
僕はご家族の方に、Aが帰宅したら必ずこちらへ連絡するよう伝言を頼み、電話を切った。
直前になにかあったり、仕事の節目ならまだしも、今回はゲーム製作中。しかもAだってやる気に満ちていたので今回のことは不可解だった。
少なくとも僕に見える範囲では。
過去にAと仕事していた人が「そのうち、なんもなかったみたいな顔して帰ってくるよ」と言ってもいたので、確かにそういうパターンならAらしいな、そんな感じでまた元に戻れたらいいなと諦めるしかなかった。
とにかく僕が参加したゲーム製作は、もっとも信頼し行動を共にしていた親友Aが失踪した事で再度ストップした。
Aに対しては冷静に考え、人にはそうなりたい時はある、責めるつもりはない、旅先ではどんな体験をしたのか、次に会ったら土産話を聞いてみようと思っていた。
重くとらえるのではなく、やんわりと僕はAの毛布みたいな存在になりたかっただけだ。
帰ってきたら「なんかあったの?そうか、じゃあ続きをやろう」って色々と理解した上で普通に接したいというか。
僕とAは長い付き合いだし、また一緒に面白いことして、くだらない話で笑おうって思うだけだった。
考えても不安になるだけなのでゲーム製作についてはAから連絡があったら、すぐに戻れるよう心に一時停止ボタンを押すことにした。
だから僕はすぐに次の行動に移る事にした…
この時、減薬に関しては現状維持していたと思う。もちろん通院はしていた。
相変わらず1ターン動いたら3ターン休むみたいな感じだけど、自分でもペースが掴めていたので体調面での大きな困難があった記憶はなかったです。
今回はここまでです。
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