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英語の現実⑤英語ができれば海外で働ける?

Q. 英語ができれば海外で働ける?

A. あなたの人生と能力次第です。英語だけ出来ても駄目です

「英語が世界中で使えるから英語ができればどこでも働ける」というトンデモ論理が宣伝では使われています。これがどれだけ馬鹿げたことなのかは採用する側になって考えてみればわかりやすいと思います。

例えば大学で日本語を学んだ30歳のインドネシア人があなたのいる会社(東京)で働こうと応募して来たとしましょう。あなたの会社はインドネシア語が出来る人を必要としていないとします。この人はインドネシアの企業で真面目に働いてきた人で、日本語にはなまりがあって時々話が通じないことがあるけれど、悪い人間には見えないです。ビザには問題が無いとします。

この人の他に同じぐらい真面目で過去に何も問題を起こしたことのなく大卒30歳以下の日本人数人が採用の候補にあるとします。

あなたは採用担当として現地の人(日本人)ではなく、このインドネシア人を採用するでしょうか?

応募してきたインドネシア人の方に特別な能力やコネが無い限り、100%日本人の応募者を採用するでしょう。これは人種差別ではありません。外国人を採用するにはそれ用の手続きが必要になったり、職場に合わない可能性が高くなったりなど不安要素が多くあるからです。外国人でも日本で働くひとが増えていますが、それは人手が足りない時に採用しているのが現状であり、日本人からの応募があったらそちらを優先して採用するのが現実です。

あなたがもしも海外で働こうとしたとき、その応募先の企業は同じように考えるはずです。どうして現地の人ではなく日本からきたこの人を採用しなければならいないのか。そこにはリスクを消すぐらいの強い理由(会社にとっての利益)が必要です。「頑張って勉強して英語が出来るようになりました」と本人は思っているかもしれませんが、企業からしたら「だから何?」と思われるだけです。また、社内公用語を英語にするという動きが一部の企業であって、それも「大人が英語を学ぶ理由」の宣伝に使われますが、公用語が英語の企業で英語が決め手になって採用されることはありません。そのような企業では英語は最低条件です。

「英語を学べば世界中で働ける!」は実際には、外国人を採用するリスクを超える価値を提供するか、何らかの理由で「日本語と英語が出来る人(外国人可)」を採用したい企業で働くことが条件なのです。正確には「英語を学べば(それと年齢などその他条件次第では)海外で働くことが出来るかも」という程度の話です。騙されないようにしましょう。


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