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6回目のカウンセリング、わたしたちはそれについて話し始めました


新築棟で行われた初めてのカウンセリング(通算では6度目)、カウンセリングルームの広さが前の場所とあまり変わらなくて安心した。丸いテーブル(以前のよりも少しだけ大きい)、3脚の椅子(どれも新しい)、卓上のカレンダーとボックスティッシュ(これは前のところと同じ)。それから、小さな時計も。

ー具合はどうですか。
「8月からの処方薬が合っているのかおおむね調子が良いです。ただ、ここ最近は台風のせいで、体がぎゅっと緊張する感じとか、寝る前に頭がぶよぶよって重たくて、それで調子悪いです」
ー低気圧に影響される方は多いですからね。…ぶよぶよという感じというのは、痛い?寝る前以外にも感じることがある?
「ぶよぶよは・・・眠る前に横になっていると、頭が重たくて・・・おでこにぶよぶよした重たいのが貼り付いている感じ。それで、眠たくて眠ると、寝ちゃダメだー!ってなって、ハッと起きて、でもまた眠いから、ぶよぶよ重たいなーって思いながら寝て・・・またハッと起きて、そういう繰り返しです。」
「ぶよぶよーってなるのは眠るまえで、そういうときは、昼間も調子が悪くて、たとえば歩いてると全部の情報が過剰に入ってくる感じ、全部が全部同時に入ってきて頭のなかがぎゅーっと、困る感じ…」
ー頭が、ぎゅーっと痛い?
「痛いと、かゆいの中間というか。骨のすき間に手をむりやり入れられている感じがします。」
ーそうですか…。

ー前にも情報が過剰に入ってくる、というようなことを仰っていましたが、それは過覚醒・・・体が防御状態になっていると思うんです。それで、台風とか気圧の影響でちょっと体がこう・・・緩もうとするときに頭がぶよぶよ重たい、そういう感覚が出るのかな。眠る前の緩もうとするときにぶよぶよーとなって、体がまたぎゅっとダメだ!となって目を覚まさせちゃう…。
その、過覚醒になる元の体験というか、トラウマがどこかにあるんだと思うんですね。そういう感覚や、あったことを話していただければ嬉しいと思っています。

「トラウマ…」
ーはい。

「それは、本当はわかってます。姉との関係がもとにあります。ひとつ上に姉がいるんですけど、子供のころ、姉も、母も、厳しかったので。姉から暴力ということもあったので。それが自分のもとにあることがわかっています。ただ、母の厳しさが姉に向いたことで、姉の矛先が自分にあることを理解してます。母は姉にもっと厳しかったです。でも姉が二十歳のときに家を出て、それで、関係が良くなりました。今はわたしたちはたぶん仲のいい姉妹に見える、妹もいるんですけど、みんな仲良し姉妹と思ってます。それはいいことだと思います」
「いろんな自分の問題が姉との関係に起因すると思っています。でもそれを姉とのあいだで取沙汰したいわけではないので、自分のほうが変わる必要があると思ってここにきています。でも考えて、妹…わたしは妹のことがとてもかわいいのに、どうして姉はこういうふうにわたしをかわいくなかったんだろうと考えたりすると、辛い。今も、姉が少し怖いです。」
「それから、姉が、姉の子供たちを叱ったりするところを見ると、すごく怖い。すごーく怖いです。そんなにたいしたことじゃないと思おうとする、周りもそうです、笑って見ている人もいますけど、わたしはすごく怖いです。姉の子供たちが喧嘩をしているのを見ると、たまらない気持ちになる、とても怖いです。そこにいたくない。でもなんとかしなきゃならない、という切羽詰まった気持ちになる。それが本当に怖いです。わたしがいつもひとりだけずっとこんな風に泣いたりして、どうしたらいいんだろうと思う。」

ー辛かったですね。怖かったでしょう
「怖かったです」
ーここに来て、それについて話してください。

このあと、励ますような言葉をかけてもらって、それがうれしかったことも覚えているけど、わたしは疲弊していて具体的なことは覚えていない。

帰り道は力が抜けたようになって、いつもよりも道が速く進んだ。


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