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社会人5年目、夢と実利を求めてスタートアップへ。妻子あり住宅ローンあり、人材系大手からの転職物語

大企業は安定していて、スタートアップは不安定。スタートアップはやりがいにあふれていて、大企業にはやりがいがない。——キャリア選択の話になると、必ずと言っていいほど二項対立論になる。

しかし、彼の場合はどうだろう。東北大学を卒業後、リクルートに入社。入社1年目に結婚し、翌年には戸建て住宅を購入。そして昨年、待望の第一子が誕生した小野亨也だ。

大企業からスタートアップへの転職は、「やりがいや夢の実現のために、安定を犠牲にする物語」として語られる。しかし小野は、「やりがいや夢の実現、そして安定の両方を手にするために、スタートアップに転職しました」と語る。

人材系大手から、当時従業員数4名だったLeaner Technologiesに飛び込んだ背景と今後のビジョンについて、話を聞いた。

スタートアップへの転職は、夢と実利を両方手にするための選択肢

—— 「いつか“やりたいこと”が明確になったら、ベンチャー企業に転職してイキイキと働こう」と考えていた小野さん。リクルートジョブズを経て、当時社員4名のLeanerに転職を決めた理由を教えてください。

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小野亨也(以下、小野):Leanerには、僕が探していた“青春”があると思ったからです。同世代の仲間たちと肩を組みながら、「日本中の経営をLeanにする」という壮大な目標にチャレンジするために、入社を決めました。

僕の人生を振り返ると、最も幸福を感じていたのは、何かに没頭する時間です。そして僕が没頭する時間は、「共感できる仲間たちと、コトに向かっている」ときにやってきます。

「売上1,000億円の事業をつくろう」「いつか必ず1兆円企業になろう」と目を輝かせながら未来について語るメンバーたちの姿を見たときに、僕も一緒になってその夢を追いかけたいと思いました。「いつかやりたいことを見つけたい」と思いながら大手企業に勤めていた僕の目には、その光景がとても新鮮でうらやましく映ったんです。

—— 大手企業からスタートアップへの転職について、迷いはありませんでしたか。

小野:大企業とスタートアップを比べると、リスクはやはり後者の方が大きいと思います。ただLeanerに関しては、そのリスクをあまり感じませんでした。なので、迷いは一切なかったです。

Leanerが提供するサービスは、グローバルでは既にユニコーンが生まれています。つまり、マーケットの存在が証明されている。日本の市場においても、類似ソリューションを提供するプレイヤーがいずれ現れるだろうと思っていました。しかし、現在はLeanerしかプレイヤーが存在しません。

仮に競合が参入したとしても、Leanerの布陣であれば負けることがないと思っています。代表の大平をはじめ、メンバーはどこで働いていてもエースとして活躍するであろう優秀な人たちばかりです。また、起業・経営経験が豊富なアドバイザー、BtoB × SaaS領域に知見のある投資家陣など、心強いメンバーに支えられています。

—— 転職前には、第一子となる娘さんが誕生していたともお聞きしています。また、戸建てを購入されていたそうですね。“大企業”という安定を手放すことに、不安はなかったのでしょうか。

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小野:大企業からスタートアップへの転職は、ときに「やりがいや夢の実現のために、安定を犠牲にする」といったストーリーとして語られます。しかし僕の場合は、そうではありません。夢と実利を両取りするための選択肢として、転職をしています。

Leanerは、初期フェーズにリスクをとってコミットすることを決めたメンバーには、ストックオプションを発行する制度を敷いています。なので、中長期的な面ではアップサイドが大きい。僕はLeanerが、いずれユニコーン級のスタートアップになると本気で信じています。なので数年後には、サラリーマンでは考えられなかった資産を得るチャンスがあると思っているんです。

それに、まだ27歳です。仮にこの数年結果が伴わなくても、まだ30歳。まだまだやり直せる年齢ですよね。仮に失敗しても、死ぬことはない。妻も「万が一うまくいかなくても、私がいるから大丈夫」と背中を押してくれました。

彼女と子どもとの生活は、僕にとって何物にも代え難い大切なもの。その毎日をとことん幸せに過ごすために、僕はここで働くことを決めたんです。

仕事で青春するには、無我夢中でコトに向かえる環境が必要

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—— Leanerに転職される以前は、どのような業務を担当されていたのでしょうか。

小野:新卒で入社したリクルートジョブズには4年在籍していて、プロジェクトとプロダクト、双方のマネージメントを担当していました。いわゆる進捗管理にはじまり、企画や中期戦略の立案を任せていただいたこともあります。

—— 現在も、いわゆるPMとしての業務を担当されているのでしょうか。

小野:PM業務も担当しつつ、CS(カスタマー・サクセス)とHRを兼務しています。PMとしての仕事は、代表の大平が描く世界観をプロダクトに落とし込むこと。たとえば、どのような機能が必要なのかを検討し、それをエンジニアに接続します。

また、目の前にあるニーズを解決することもPMの役割なので、お客様の声を聞きにいくこともあります。これが、CSとしての仕事です。HRは採用マネージャーとして、採用要件の定義や採用戦略の策定と実行を担っています。

PM以外の仕事は未経験ですが、スタートアップは慣れない業務を担当することが当たり前。正直なところ、日々苦労の連続です。

—— 未経験の仕事に従事するのは大変ですよね。具体的に、どのような苦労があるのでしょうか。

たとえばリクルートの仕事には、基本的な“型”がありました。先輩方が積み上げてきたノウハウがあるので、調べたり、聞いたり、何かしらの解決方法が存在したんです。しかしスタートアップは、そうはいかない。正攻法は存在せず、業務の“型”を自らつくっていかないといけません。

……ただ、そんな慌ただしく苦労まみれの毎日を、楽しくも感じています。きっと僕は、ずっとこんな環境を求めていたんです。

—— 苦労まみれの毎日であっても、楽しめていると。小野さんが楽しさを感じる瞬間は、どんなときにやってくるのでしょうか。

小野:社会人になってから忘れていた、「何かに没頭し続けることの快感」を思い出すときです。

僕は大学生の頃、1年生からスタートアップでのインターンに明け暮れていました。浪人中に同級生たちが活躍している姿を目の当たりにし、一方で自分は何もできない焦りがあって、入学と同時に学外での活動にも積極的に参加するようにしていたんです。

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インターン先であったBrandingEngineerの創業1周年記念パーティー

長期休暇を利用して仙台から東京にやってきて、マンションのワンルームに寝泊まりしながら、仕事に明け暮れていたこともあります。無我夢中でコトに向かう瞬間——「青春している」と感じられる感覚が好きでした。Leanerでの仕事には、当時感じた“青春”と同じ感覚があるんです。

—— 以前の仕事には、“青春”を感じることはなかったのでしょうか。

小野:リクルートでの仕事は楽しかったですし、向上心を持って取り組めていました。もちろん、一緒に働かせていただいたメンバーの皆さんは、今でも大好きです。ただ、青春という言葉がしっくりくるものではなかったと思います。

僕が在籍していたリクルートジョブズは同期が少なく、部署の中で最も年の近い人が5つ上、という環境でした。肩を組んで仕事に熱中するような関係性ではなかった。自分の中にある熱量を100%注げていたかといえば、そうではありませんでしたね。

青春を感じながら、厳しい環境下で成長していくことが好きなんでしょうね。学生時代はある意味斜に構えていて、自分のことを過信していた時期もありましたが、インターンで東京に出てきて、リクルートに入社して、自分が何者でもなく、優秀な人が山ほど居ることを知りました。

誰がどうみたって優れた人たちと肩を並べるために必死になり、その過程そのものを一緒になって盛り上がれる環境が、僕にとって最高な職場なんです。Leanerはまさに、そんな場所だと思っています。

また「30代で上場を経験する」ことなんて、滅多にないですよね。ここで本気になって頑張れば、異常なスキルセットとメンタルが身につき、稀有な経験値が得られるだろうなと思っています。

仕事仲間は、「同じ釜の飯を食う仲間」であり続けたい

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—— 厳しい環境で努力できる原動力は、「肩を並べたい」という向上心にあるんですね。

小野:そうですね。ただ、周りのメンバーがあまりにも優秀なので、悔しさを感じることも少なくありません。年齢や経験の差が言い訳にならない環境で、自分の至らなさを痛感することは辛くもあります。でも、間違いなく成長している自負もある。いわば毎日、「精神と時の部屋」で修行をしている感覚です(笑)。

ただ当然彼らに追いつき、彼らにも、そして今後入社してくれるメンバーにも「小野と一緒に仕事していてよかった」と思われないといけません。僕が代表の大平、COOの田中、そしてテックリードの安斎に感じたことを、今度は新しく入社してくれる人に感じてもらえる側にならないといけないと思っています。

—— 会社をの成長を担うコアとして活躍されることを目指しているんですね。具体的な今後の目標についても、お伺いしたいです。

小野:繰り返しになりますが、僕が会社に期待することは、青春というか、エモさです。肩を組み、苦楽を共にしながら、目標に向かって走り続けたい。

今はそれができているので、今後大きく成長して規模が大きくなっても、この感覚を共有し続けられる組織づくりに尽力したいと思っています。その感覚さえあれば、ずっと楽しく仕事をし続けられるはずなので。

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オフィス開設後、Amazonウィッシュリストから届いたプレゼントにはしゃぐメンバー

—— そんな組織をつくり上げるために、どんな人材を迎え入れたいと考えられていますか。

小野:大前提として、Leanerの事業と組織を、心の底から信じられる人です。ただ、想いだけでは不十分。手前味噌ですが、粒ぞろいのメンバーなので、「これだけは誰にも負けない」という武器がないと、活躍できない環境でもあります。

Leanerのビジョンに強く共感し、それでいて自分の武器を磨き続けられる、そんな人と働くことができたら嬉しいですね。

TEXT BY モメンタム・ホース