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パーソナルトレーナーが最低限知っておくべき15項目〜パーソナルトレーナーズ・バイブル(4)「カーディオフィットネス」

大阪〜神戸で活動して24年目に突入!パーソナルトレーナーのたかつです
スポーツトレーナー学院で校長をしたり、パーソナルトレーナーの寺子屋というオンラインサロンを運営しています。
こちらのブログはフィットネスの世界で働く方、働きたい方、NESTA等パーソナルトレーナー資格をお持ちでスキルアップ、キャリアアップを考えている方向けに書いてます

セクション4:カーディオフィットネス

呼吸器系

 呼吸は鼻腔から入った空気が気道を通り、気管、気管支と枝分かれし肺胞に到達し、そこでガス交換が行われる。 肺が直接空気を吸い込む運動を行うのではなく、肋骨の動き横隔膜の動きにより胸腔内の圧力を変化させることで吸気と 呼気を繰り返している。ガス交換は肺胞と血管で行われる「外呼吸」と、血管と体の細胞で行われる「内呼吸」がある。

心臓血管系

 心臓血管系の働きは、血液を介して酸素や栄養素を運搬し、二酸化炭素や老廃物を除去していくことである。

体循環:(  )心室⇒大(  )脈⇒細(  )脈⇒毛細血管⇒組織⇒細(  )脈⇒大(  )脈⇒(  )心房

肺循環:(  )心室⇒肺(  )脈⇒肺⇒外界⇒肺(   )脈⇨(  )心房

※復習がてら( )を埋めてみてください



血液の循環


<心臓血管系に関する用語>

✅血圧
 血管を流れる血液が血管の壁に及ぼす圧力。
 収縮期血圧/ 拡張期血圧

✅血液
 体細胞に酸素と栄養素を供給し、二酸化炭素と老廃物を取り除く。 
 体内の血液量は5L前後あり、55%が液体で45%が細胞です。

✅心拍数 
 1分間の心臓の拍動数。
 ・安静時心拍数=70〜80拍
 ・最大心拍数=220−年齢
 ・目標心拍数=(最大時−安静時)×0.4〜0.8+安静時

✅心拍出量
 心室が1分間に心臓から送り出す血液の総量。
 =心拍数 × 1回拍出量

✅動静脈酸素較差 
 動脈血に含まれる酸素量と静脈血に含まれる酸素量の差。
 酸素の受け渡しの効率を表す

✅最大酸素摂取量 
 全身持久力を表す指標で、どれだけ効率的に酸素を運びどれだけ細胞で利用されるかを示したもの
 =心拍出量 × 動静脈酸素較差

<エネルギー産生の仕組み>

筋収縮の直接のエネルギーはATP

食物から熱量をもつ栄養素(糖質、脂質、タンパク質)を得る。しかし、これらが直接、筋肉のエネルギーになるのではなく、一旦ATPという化学的なエネルギーに変換されて利用される。

ATPの形ではわずか数秒でなくなってしまうほどしか体内にはストックがないため、常になんらかの形で再合成される必要がある

3つのエネルギー再合成機構

・ベースとなるのが「有酸素性機構」であり、安静状態でも絶えずATPを持続的に供給する仕組み。どんなタイプの運動をしても最後はこのシステムに依存することになります。

エネルギー基質:グリコーゲン、脂肪酸、アミノ酸

システム:酸素を伴うことでミトコンドリア内で上記の基質を使い、クレブス回路ー電子伝達系を経て大量のATPを作り続ける。酸素の供給が需要と釣り合う範囲内において優先的に使われるシステムである。

有酸素性機構

・一方、酸素需給が釣り合わない、運動開始直後や強度の高い運動時においては2つの無酸素系機構が備わっている。

フォスファジェン系は、陸上の短距離や投擲、ウェイトリフティングや高強度な筋トレ時に優先的に使われるシステムで理論上7秒程度の持続が可能。

 エネルギー基質:クレアチンリン酸

システム:ATPがエネルギーを生み出す仕組みは、ATPがPを切り離すことでADPとなることで生まれる。そのADPにPを戻すことで即座にATP再合成が可能になる。筋肉に蓄えられたクレアチンリン酸の量がその限界点となる

無酸素性機構の二つ目は、陸上の400mやボディビル系のウェイトトレーニングなどで中心となるエネルギー再生機構が無機的な解糖である。

 エネルギー基質:グリコーゲン

システム:グリコーゲンが分解されピルビン酸になった後、十分な酸素供給がない運動時においては、ピルビン酸を乳酸に変換することになる。解糖段階でATPを合成するがこのシステムは約40秒ほどで破綻する。運動限界と乳酸の蓄積がリンクすることから、乳酸疲労物質説というのが昔にあったが、今は完全に否定されている。

 3つのシステムは、運動強度とその持続時間の関係でどのシステムをどのくらいの割合で使うかが決まるが、いずれにしても最終的に支えるのは有酸素系機構であり、例えば無酸素運動と言われる「ウェイトトレーニング」でも、インターバルを含めたトータルのエネルギーシステムは有酸素系に依存することになる。

<有酸素運動における短期的応答>

運動強度を上げていくと、心拍数が上がり呼吸が乱れていくのを経験したことはあるでしょう。これが体の反応(応答)です。

安静時に12回/分程度の呼吸数は最大で40回くらいまで上昇する。いわゆる定常状態(酸素需給の平衡)では、一回の換気を増やして対応するが、平衡が崩れた場合は呼吸数でカバーする。

心拍数は強度に比例して右肩上がりで、変化することからトレーニング強度に用いられる。

エクササイズ中は収縮期血圧の上昇は見られるが、拡張期は横ばいか下がることもある。レジスタンストレーニングとは異なる点である。

<有酸素トレーニングにおける生理学的適応>

①心臓血管系

 安静時及び、最大下運動時の心拍数や血圧は下がり、行っていた運動が楽に感じるようなる。最大時の酸素摂取量は上昇する

②呼吸器系

 最大下では一回換気量が増すため呼吸が楽に感じられるようになる

③骨格筋

 タイプⅠ線維の適応

 毛細血管密度および、ミトコンドリア密度の上昇

 グリコーゲン貯蔵量の増加

④代謝系

 脂質代謝が改善され、持久力向上につながる

 乳酸性作業閾値が向上する。つまり、乳酸が血中に出る強度、有酸素から無酸素へ切り替わるラインがより高いレベルになる。

 ⑤その他

 インスリン感受性が向上する

 体重や体脂肪率へのプラス効果


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