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地下アイドルマネジャーの僕がトップオタクの重要性を感じた話

メンバーの人気順


僕は芸能事務所で働き始めて1ヶ月が経った
初日はスカウトの仕事をしたものの、
その後はパピコの現場が忙しくメインはパピコのマネージャー業務だった

AさんやEさん、Fさんは他のタレントのマネジメントや別の仕事で忙しく、
最近は僕とBくんの2人で現場を回すようになっていた

その日もパピコのライブがあり僕とBくんは現場に向かった

ライブ中は動画を撮りメンバーに共有した
メンバーはライブ動画を見て振り付けの確認や、
音と振りがずれていないかなどをチェックしていた

僕はデビューからほとんどパピコの現場にいることもあり、メンバーとの会話も増えた

ライブが終わるとメンバーから

【てめさまくん、今日のライブどうでした!?】
【どの曲が盛り上がってましたか?】
【振り付けずれてなかったですか?】

などなど質問攻めに合うこともあった

ライブが終わり物販の準備に取り掛かる

これまでチェキ券を販売していると、
メンバーの人気順がなんとなくわかるようになってくる

1番人気はリーダーのG子
2番人気は高校生D子

この2人の人気はグループ内でもダントツだった

ただ最近人気が出て来たのが、H子とH美だ
2人は仲が良く同じ事務所(ウチの事務所ではない)に所属しており、
大学生の清楚系アイドルだった

【2ショットチェキ券1枚1000円です!】

僕がアナウンスを始めチェキ券の販売が始まるとオタクが押し寄せてきた

【G子1枚】【D子1枚】【G子1枚】【H子とH美1枚づつ】【G子2枚】

オタク次々にチェキ券を注文してくる

トップオタク G男


やはりG子のチェキ券はよく売れる

【G子10枚】

10枚!?10,000円!?

驚いてオタクの顔を見ると、見慣れた顔があった

この人はデビューライブから毎日パピコの現場に来ているオタクで、
毎回G子のチェキ券を買うG男だ

ライブの度に顔を合わせるため僕もこのオタクは認知していた

G男はファン、メンバー、僕たちスタッフの中でも
G子のTOと言われているほど認知されている

TOとはトップオタクの略である
各メンバーにはそれぞれ応援するオタクがついているが、
そのオタクの中でもトップに君臨するオタクのことだ

TOになるにはライブがある日には毎日のように足を運び、
ライブ中は最前線で声を張り上げ応援し、
物販では大量のチェキ券を買いメンバーを応援する必要がある

そのためメンバーはますば確実に自分を応援してくれるTOを作ることが必須なのだ

この日のチェキの売上はG子が1番でH子が2番、H美が3番だった

メンバー内の人気順も変動があり、競争意識が生まれることは非常に良いことだと思った

ただこの時は、数ヶ月後にH子とH美が脱退することになるとは思いもしなかった。。。。

↓プロデューサーのセクハラ疑惑で地下アイドルメンバーが脱退した話①へ続く

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