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自作詩

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ナルが書いた自作の詩のようなものたちです。読んでいただけたら成仏できます。
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#希望

ことば

蓮華色、きみのまぶたに 脆そうな雪が触れる ねずみ色、重い空 見上げてふたり笑った さよならって言葉がきらいで ぼくたちはいつも「またね」って言う その小さな、淡い祈りが どうかいつまでも続きますように 終わりばかり詠ってはいけないね かなしい結末を引き寄せそうで ぼくたちは言葉に怯えている だからせめて希望を詠う 蓮華色、きみのまぶた はかなげな雪が降りる ねずみ色、暗い空 明日もふたり一緒に さよならを嫌っても いつか離れる日は来るのでしょう お別れはいつもくるし

ナナカマド

心と過去に増える傷を ナナカマドが撫でる 傷を撫でて汚れたそれを見て ぼくはひどく悲しくなった ごめんなさい、と声にしても 風がどこかにさらっていく ありがとう、と口にしても 波がどこかに隠してしまう 赤に汚れた若葉も 世界が綻んでいく日々も 全部僕のせいだって知ってる (生まれてきたことは間違いだったでしょうか) (生きてきたことは間違いだったでしょうか) ざあ、ざあ。 ごお、ごお。 間違いだったとしてもいいよ 生きるしかないってわかってる このまま終われたら楽だとしても