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自作詩

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ナルが書いた自作の詩のようなものたちです。読んでいただけたら成仏できます。
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#言葉

ことば

蓮華色、きみのまぶたに 脆そうな雪が触れる ねずみ色、重い空 見上げてふたり笑った さよならって言葉がきらいで ぼくたちはいつも「またね」って言う その小さな、淡い祈りが どうかいつまでも続きますように 終わりばかり詠ってはいけないね かなしい結末を引き寄せそうで ぼくたちは言葉に怯えている だからせめて希望を詠う 蓮華色、きみのまぶた はかなげな雪が降りる ねずみ色、暗い空 明日もふたり一緒に さよならを嫌っても いつか離れる日は来るのでしょう お別れはいつもくるし

ぼくの言葉を見つけてくれて 本当にありがとう 好きになってくれなくてもいい 聞き流したっていい ただぼくを見つけてくれたこと それだけでうれしいんだ いのちの終わりにばかり向く心を さよならにばかり流す涙を 無理やりにでも引っ張りあげて いたずらっぽく笑うあなたがいて ぼくはやっと、息をした この世界に生まれたんだ 笑顔に色があるならそれは若葉 優しさの色は唐紅 笑い合うときは空のように 思い合うときは海のように あなたと生きたこの日々のすべてが やっと色づけてくれた世界に