マガジンのカバー画像

自作詩

25
ナルが書いた自作の詩のようなものたちです。読んでいただけたら成仏できます。
運営しているクリエイター

#若葉

わかば

若葉の風かおるこの街で ぼくたちは夢を探した、冒険家になって はるか遠くからでも見えた希望 拠り所にした、あの山 一度きり、出会ったエル・ドラド 待ち合わせた交差点、赤信号、走り出す 月明かりの下で語った祈りと傷 数字の羅列になった、かなしいこと わからないことばかりでも、できないことばかりでも いとしいと言えたあの年月に、その日々に ぼくは帰れない、帰れない、帰れない、帰りたい (緊急地震速報 強い揺れに備えてください) (緊急地震速報 強い揺れに備えてください) (

ナナカマド

心と過去に増える傷を ナナカマドが撫でる 傷を撫でて汚れたそれを見て ぼくはひどく悲しくなった ごめんなさい、と声にしても 風がどこかにさらっていく ありがとう、と口にしても 波がどこかに隠してしまう 赤に汚れた若葉も 世界が綻んでいく日々も 全部僕のせいだって知ってる (生まれてきたことは間違いだったでしょうか) (生きてきたことは間違いだったでしょうか) ざあ、ざあ。 ごお、ごお。 間違いだったとしてもいいよ 生きるしかないってわかってる このまま終われたら楽だとしても