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読むサイエンスラバー!人間の声を再現する「声道模型」を研究する意義

LeaL がお届けしている Podcast”サイエンスラバー”。今回は上智大学の荒井隆行さんをお迎えし、「音響音声学」をテーマにお話を伺いました。本記事では番組本編の一部を抜粋して、声が出る仕組みを再現した模型「声道模型」を、荒井さんが研究し続ける理由をご紹介します!

こちらは荒井さんの作った声道模型の一つ。その他の声道模型の様子も、記事最下部の動画リンクから是非ご覧ください!

アナログだからこそ、五感で感じられる

小池:荒井さんはたくさんの声道模型を作っていらっしゃいますが、どういった目的で作り始めたんでしょうか?

荒井隆行さん:
発声の仕組みについて、いかに分かりやすく授業で説明するかということを考えた時に、実際の物で見せられたら良いなと思ったんです。作った模型を皆さんに見てもらうと、「面白い!」「どうしてこれで人間の声になるの?」という声をいただきました。
そこから工作教室をやるようになったり博物館で展示をしたりして、子どもから大人まで多くの方々に見てもらう活動につながっていきました。

小池:声道模型があると「そもそも声とは何か」「発音ってどうやっているのか」という基礎をスッと理解できるなと、身をもって感じます。

皆さんに声道模型を見てもらう中で、もしかしたら発音の練習にも使えるんじゃないかと思うようになりました。人間の発声の仕組みや発音などを説明する時に声道模型を使えば、視覚的に、さらには触ることによって発音を模擬することができるのではないかと。
そこから喋ることに障害がある方々、あるいは外国語の発音を習得しようとしている学習者の皆さんに使ってもらうことに発展していきました。

リアルな口の形のものからシンプルな筒状のものまで、様々な形の声道模型を紹介してもらいました

小池:僕は大学でフランス語を履修していたんですが、先生が発音しても口の中は見えないじゃないですか。でも声道模型なら見える!

そうですね。可視化できる部分もありますし、さらには実際に自分で触ってみるっていうこともできます。五感を使って人間の発声や発音について学べる教材になるのかなと思います。

小池:今は自動音声とかがありますけど、声道模型は本当にアナログですよね。この面白さは、ぜひ多くの人に体験してほしいです。

瀬戸:こういったものがコンピューターと繋がると、どういう風に生きてくると思いますか。

全てがコンピューターだと、何でもできて当然みたいに思うかもしれませんよね。でも、アナログなところを残しておくと、これコンピューターじゃないよね?何でこれが声になるの?となります。だからコンピューターと融合させても、重要なところはしっかりとアナログで見せるということが大事だと思います。

小池:人間が声を出すという現象に迫っていくには、アナログのアプローチもすごく大切ですね。

声道模型の動画へのリンク

「この模型、しゃべります。」

リードが震える音を「あ・い・う・え・お」に変換する模型をご紹介します!

模型に教わる”R"の発音

この模型、なんと英語の”R”を発音します!↓

Podcastへのリンク

本編では「そもそも声ってどんな仕組みで出ているの?」「良い声を出すには?」といった素朴な疑問から、音声音響学の研究の意義や荒井さんの研究に対する熱い想いまで幅広くお話を伺っていますので、是非お聴きください!

前編【模型が喋った!】アナログで再現する人間の声

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後編【英語の発音はどうやったら上手くなる?】声にまつわる素朴な疑問

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