リゾートバイト体験記〜いつも怒っている人が怒らなくなると悲しくなる〜


キレイな湯婆婆こと、ベテランの仲居(60歳)は、いつも怒っている。
カッカしている(方言かな、これが1番しっくりくる表現)


その凛とした見た目で、いつも不満や怒りを口にしている。
「あんの社長ふざけんじゃねえよ」「あほか!早くこっちこいや」
最初は怖かったが、その見た目と口の悪さのギャップがだんだん好きになって言った。それに私も理不尽だと思ったことには言い返していた。結構生意気だったな。


3日目にして、私は重大なミスをした。正確に言うと、自分が正しいと思ってやっていたことが、間違いだった。慣れろの教えで、仲居さんの動きについていけるようにはなっていたが、正確でない部分があった。


「あんた、今までそうやってきたの!!?」

「はい……でも…」
怒鳴られるの覚悟で、言い返そうとした。

しかし、キレイな湯婆婆は大きなため息をついた。

「はあ〜〜〜〜、そうね。教えなかったわたしが悪いんだわ…」
と項垂れてしまった。


私は悲しくなった。                         

湯婆婆がいつもより小さく見えた。                  怒って欲しい訳では無いけど、怒っていてほしい。(意味わからん)いつも仕事をテキパキこなし、いつも他人にカッカしている湯婆婆が、どこか諦めた様子でミスを自分のせいにしているのは寂しい。
湯婆婆にとって、不満や怒りというのは、生きる気力や活力のような気がしていた。


いつも怒っている人が、怒らなくなると悲しくなるよねという話。(自分だけじゃないはず、うまく言えないけど)



この出来事があって、私はもっと周りに聞いて早く完璧に仕事を覚えよう。ちゃんとミスは自分のせいって言えるようになろうと、改心した(?)

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