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観察note #1 DENNER

おはようございます。デザインを勉強中のドイツ語圏に住むよっこです。昨夜は雪が降ったみたいで草地や屋根にうっすら雪が積もっています。花粉症のせいなのか風邪をひいてしまったのかくしゃみがとまらない。

外は寒いけど、昨日の熱が冷めないうちに早速観察対象を探してみました。朝コーヒーを飲みながら食卓を片づけていると目についたのが、スイスの広告。昨日はドイツ語圏と自己紹介してしまいましたがスイスのドイツ語圏に住んでおります。新聞は取っていないけど毎週火曜日にどかっとやってくる広告の束。さらっと見ては古紙回収箱に溜まっていくばかりだった私のドイツ語の教科書達です。
無料の広告と言っても素敵な写真やタイポグラフィの使われた雑誌並のものも混じっているので、いいなと思ったものはいつかまた読もうと取ってありました。

その中から最初に目についたDENNERのアルコール飲料と葉巻用のA5サイズのかわいい広告を選んでみました。

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自分で取った写真に全然納得がいきませんが、今日は写真の練習ではないのでこのまま観察をしていきます。

第一印象

爽やかな明るい空色と黄色のコントラストで春を感じる。
果物の切り口のジューシーさがおいしそうでそれぞれの味を想像しやすいし、サイダーを象徴するような水玉模様になっていてかわいい。

タイポグラフィ

メインのキャッチコピー 
Operetta 32 ,Legatum や Didonesque Ghost Bold のような高級そうなセリフフォントを元に、この商品の為に角を丸く取ったり同じサイズの円弧で切り取ったりしてレトロでモダンな感じに変身させたようにみえる。
ライムやマンゴーの丸とシンクロしていてHard Seltzer の炭酸が弾けるしゅわっとした感じも出ていると思う。
左肩の縦に配置された日付 
Blooming Elegant Sansのような高級感があってエレガントな印象のフォントを文字間隔の開き加減で雑誌の発行日のように見せているが、この広告に掲載されている商品の割引開始日が書かれていてニヤッとさせるユーモアがある。

レイアウト

背景にそれぞれのフレーバーの果物を左と右に分けて対象的に配置してあり文字を読まずとも直感的にどんな味なのかわかるように補助している。
輪切りにした果物がフリーハンドながら規則性を持ってならべられていて気持ちのいい水玉模様の背景を作り出している。

ビジュアルタイプ

商品の写真の下に大きく強めの影が掛けられていることで、商品自体は白がベースで背景も薄い色なのに商品がふわっと浮き上がってみえる。
この方法は冊子全体に使われていて、爽やかにしたいから背景を濃くしたくないけれど商品を浮かび上がらせる事のできる素敵な工夫だと思う。
商品の印象やフレーバーのビジュアルをポップに配置して興味をもたせ、細かな説明文も読もうという気にさせてくれる。

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媒体特性

A5の6枚綴り、広告にしては厚めのムック本のような雰囲気。普段は安いが売りのスーパーなので食料品のぺらぺらなチラシと一緒に入っているけれど、アルコールと葉巻には力が入っていてこうやって別冊子を作って高級感を出している。

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このザ広告の感じからは程遠いイメージ作りをして作り込んでいるという事に今更気づきました。これをデザインしている会社や人に対しても興味がわいてきたので調べていきたいです。

おわりに

観察していくにあたり、フォントの検索には What The Font というアプリを使って当たりをつけ Adobe Fonts の中からも似たフォントを探しました。
そして、オオカワラさんの2019年のnote『グラフィックデザイン上達へのアプローチ方法』の中で提示されていた「グラフィックを構成する要素」を参考にさせていただきました。

何を見るかを明確にしたことで見えてくるものがあり、今までいい感じだなあと思っていたものの理由を言語化できて楽しかったです。

これだけを言語化するのに2時間以上かかりました。これからも時間を図って、効率よく観察できるようにしていきたいです。

今日も拙い観察記録を読んでいただきありがとうございました。
自分はこう思った、またはここは間違っているよというようなことがあればぜひご指摘、コメントをよろしくおねがいします。
デザインについて語り合うことができる人ともつながっていけたらとても嬉しいです。

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