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こんにちは、音楽療法士の井上です。



今回は、私がセッションに取り入れている活動の続き(楽器活動と鑑賞)についてお話ししたいと思います。






・楽器活動
音楽に合わせて(歌唱しながら)鳴子や鈴などの小楽器を鳴らしたり、トーンチャイムを使って合奏しています。

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歌唱しながらの楽器演奏は「デュアルタスク」を行うことができます。



「デュアルタスク」とは、同時に二つ以上の課題を行うことで、
脳の様々な部分を活性化させ、特に認知症予防に効果的であると言われています。「ながら作業」ともいいます。



二種類以上の小楽器がある場合、デュエット曲の男女でパートで楽器を分けたり、歌詞を一行ずつ区切り交互に演奏します。



また私が提示したリズムを模倣して楽器を鳴らすゲームを取り入れて、
より活動に集中できるよう工夫しています。



トーンチャイムの合奏では、メロディーを演奏していただくこともありますが、
伴奏部分を分担して奏でていただくことも行っています。



役割分担をすることにより、達成感や一体感を感じることができるためです。







・鑑賞
映画音楽、クラシック、ジャズ…様々なジャンルの曲を演奏しています。

BGMの効果として挙げられる、気分誘導やイメージ誘導を目的として実施しております。

※気分誘導
 …音楽に作用され気持ちが動くこと。スポーツ選手が試合前にお気に入りの音楽を聴くことで気持ちを高めたりなど、音楽によって気分に影響を与えることをいいます。

※イメージ誘導
 …音楽を使って空間のイメージづくりをする。おしゃれな雰囲気ならジャズ、高級感を出したいならクラシック、などその場の雰囲気を作り出すことをいいます。




また映画音楽では、ポスターや主演の俳優の写真を提示して、回想法も考慮しております。

※回想法
 ……昔の写真を見たり音楽を聴くことでよみがえった、昔の記憶について語り合う認知症リハビリテーションの一種。
もともと回想法は1960年代にアメリカの精神科医が開発した手法で、「自分の過去とのことを話すことで精神を安定させ、認知機能の改善も期待できる心理療法のこと」と定義されています。(長寿科学振興財団)
現在では、日本でも認知症の非薬物療法のひとつとして位置づけられています。






対象者さま自らリクエストを言われたりと、率先して音楽療法に参加していただくきっかけになっています。



他には、イントロクイズも取り入れております。



当時、ラジオやテレビで聴かれていた歌のイントロを覚えている方が多く、
なかなか曲名は答えられないこともありますが、歌詞を思い出しながら歌われて、
積極的に励まれている様子が見られます。

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