見出し画像

論文レビュー:地域の中小企業人材育成マーケット創造研究(1)

長島剛, 松本祐一, 二川正浩, & 松田大. (2023). 地域の中小企業人材育成マーケット創造研究 (1). 経営・情報研究 多摩大学研究紀要, 27, 235-238.

論文はこちら

ざっくりいうと、大学と地域銀行さん(信金さん)が音頭をとって、人材育成を目的に自社の次世代事業を提案するプログラムを計画、実施されたので、その結果が報告されています。

  • 自社単独ではなく、異業種混合で実施

  • TACの支援(講義→レポート)

  • 多摩大学の支援(講義→レポート)

  • フィールドワーク(お互いの会社の見学)

率直に、面白いプログラムだなと思いました。

大企業に属してる私ですが、ほぼ同じような異業種混合の他流試合型のプログラムはあります。その点では、大企業も中小企業も変わらないってことですね。

私自身も、こちらで書いたように、似たようなコンセプトで新商品開発をテーマとしてチームワークやリーダーシップを学ぶという研修を実施しました。大きな違いは、社内か社外、学習テーマ(人事かビジネスか)です。

そんな私が、一番共感したのが、下記のまとめ。

研修プログ ラムと事業開発プログラムとの両立と、教育効果をさらに高めていくことが今後の課題である。

長島ら (2013)

その通り!と想いました。(えらそうに言える立場でもないですが)

私が実施した研修でも、受講者や受講者の上司から、いったいどっちをやりたいの?人材開発?新商品?という悩みやコメントも頂戴しました。

主催者としては、最初から想定してたジレンマでした。

「どっちも目指します。欲張りなコースです」 

と最初から明確に宣言していましたが、長期間にわたるプログラムでは、受講者の方はどちらに目を向けるべきか、葛藤する時期もあり、主催側にも手綱さばきが求められます。


で、どうするか?

よーーーく考えた結果、私なりの現時点での結論はこれです

  • 取り組む課題は、実際の仕事にする。リスクを取り、責任を取る事が必要なテーマにする。

  • 研修のためだけの、ノーリスクなテーマ設定をしない。(ここが大企業との違いかもしれません。大企業ではノーリスクだけど、ハイリターンな異業種混合研修や、企業内ケーススタディなどいろんなことができるでしょう)

  • 実際の仕事の中に、外部の支援者として、人材開発、新規事業の提案などの観点でサポートを実施する


中小企業だから失敗すれば終わり。ノーリスク型がよいのでは?リスクを取れるのは失敗しても体力がある大企業では?と言われそうです

そうかもしれません

しかし、目の前の問題が経営に与える影響は中小企業ほど大きく、直接的であり、その大きな問題を解決することこそが、中小企業が進むべき道ではないでしょうか?

いつかやんなきゃいけない課題でしょ

いつやるの?

今でしょ!

と思います。


本気で行うからこそ、人が育つ

本気で行わないと、人は育たない


大企業の人間が偉そうに・・・と言われそうなことは、わかります。
それでも、そう思います。


こんな私でも、気持ちは半分中小企業の人間です(妻の実家は中小企業です)。

信金さんとコラボレーションし中小企業向けの研修を実施したり、信金さん向けの研修もニーズがあるのかもしれません。

少しでも地域社会に貢献できるように、地に足着けて頑張りたいと思います




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?