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哲学とは何か?:〈メタ哲学を学ぶ〉シリーズ

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ケンブリッジ大学出版局から出版されている『メタ哲学入門』(An Introduction to Metaphilosophy) を下敷きに、メタ哲学についてレートムと勉強するため…
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科学があれば哲学は要らないのか 『メタ哲学入門』第3章まとめ

お世話になっております、レートムです。 この記事では「自然科学がこれほど発達している現代において、哲学の仕事は残されているのか」という疑問に対する、メタ哲学なりの応答をまとめています。 いま私はPCを使って、noteというプラットフォームで記事を執筆しています。 文字だけではなく音声でもお楽しみいただきたいので、Twitterのスペース機能を使って同様の内容を配信しています。 その意味で、私はもちろんこの記事を読んでいる皆さん(そして配信を聞いている皆さん)は、コンピュータ

実際にある/あった哲学とはどのようなものか『メタ哲学入門』第2章 Part1

〈哲学とは何か〉という問いの二通りの解釈『メタ哲学入門』の第2章は「哲学とは何か」と題されています。 まずはこの問いでもって、何について問おうとしているのか明確にしておきましょう。 〈哲学とは何か〉という問いについては、次の二通りの解釈が可能です。 記述的な (descriptive) 問い 規範的な (prescriptive) 問い 前者は〈実際に存在する哲学とは何か〉という問いであり、後者は〈哲学とはどのようなものであるべきか〉という問いです。 それぞれ、哲学の

〈哲学とは何か〉を考える哲学:『メタ哲学入門』序論

メタ哲学が扱う三つの問い冒頭でもご紹介したように、「メタ哲学」では三つの問いを扱います。 哲学とは何か どのように哲学をすべきか なぜ哲学をすべきなのか 「そんなこと、実際に哲学をしている人に聞けばいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。しかし実は、哲学研究者でさえもこの問題に対する答えが分かっていないようなのです。 メタ哲学の答えは研究者に聞いても分からない哲学研究者に「何をされている方なんですか?」と質問したら、もしかするとこんなふうに答えてくれるかもしれ