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2020.6.6 一貫性信仰かも

今年、珍しく3つも学振DC申請書を読ませてもらった(例年は0〜1)。それで知った自分の頭の偏りのこと。

申請書について数名で話し合ってる時、ある先生が「これまでとこれからの研究の差別化が重要」「研究室が変わるとかテーマが変わる場合には差別化しやすいんだけど…」「これまでとこれからが似たような話になっている申請書をたくさん見てきて…」という風におっしゃっていた。これを聞いて、ほんとうにびっくりしたのである。

というのも、自分自身が申請書を書いた時(え、もう10年以上前…?)の思い出として、これまでの研究とこれからの研究の繋がりを作ることに一番苦戦したな...という印象がガツンと刻まれており、とにもかくにも「これまでとこれからをどう1つにするか」が重要なんだとずっと思い込んでいた(と気づいた)。人の申請書を読んだ時にも、これまでとこれからを貫く系の提案をしがちであったし、研究室が変わるのなんて申請書を書く上では不利にしかならないと思っていたよ。

もちろん二者択一的な話ではないことはわかってるのだけど、自分自身の一貫性重視度合いが強めであるとは今まで考えもしなかったという事実にびっくりしたというか。

改めて考えてみるとこの一貫性信仰って、私の場合はこれまでとこれからで対象種が違ったDC1とDC2その1の申請書が落選で、対象種が同じかつこれまでの研究から生じた問いをこれからの研究計画にしたDC2その2の申請書で採用された、というできごとだけに基づいているのでは...?上に書いた「一番苦戦」の思い出も後付けなのでは…?

たぶん本当のところは、私が一番苦戦したのも不採用だった主な理由も、「知りたいこと/やりたいことがなかった」だった気がする。今回読ませてもらった申請書はどれもやりたいことがしっかり書かれていて、そういう申請書はやはり読んでて楽しいもんな。

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