【追悼】B-DASH GONGONのやさしさを忘れない
日本のパンク・ロックシーンに多大な影響を残した伝説のバンド、B-DASHのギターヴォーカルのGONGON(菅原勇太さん)が、2024年7月5日に亡くなりました。
それから約一ヶ月。いまだに気持ちの整理がつかず、正面から事実に向き合えない自分がいます。
B-DASHは私が高校~特に大学生時代にとても熱中していたバンドです。
当時Visual系かぶれで「青春パンクなんてクソ食らえ」と思っていた頃、なぜかGONGONの歌声は心に自然と突き刺さってきて、死にたいと思うほど辛かった時期に立ち直らせてくれました。
今では、聴いたことのない青春パンクを聴いても泣いちゃうもの。
好きな音楽の幅を広げてくれたし、沢山の勇気をもらえました。
それから何十回とライブに通い、仲良くなってプライベートでも遊んだり、デモのCD-Rをもらったりと、ファンを大切にしてくれたGONGON。
コピーバンドで何十曲もコピーしました。
彼らの音楽といえば、「B語」とか「適当アドリブめちゃくちゃ語」などと呼ばれる「日本語でも英語でもない響きのいい言葉」で歌われる、不思議な歌詞が特徴です。
理屈ではなく感覚で理解できるその心地よさがリスナーに響いたのだと思います。
・・・ちょっと何言っているかわかんないですけど。
とても聴きやすいにも関わらず独特の世界観で意味不明な歌詞の世界。
そういった響きのいいメロディラインと、ハードコア・パンクの持つ激しさが融合した楽曲が当時多くの若者たちの心に刺さりました。
初期の頃はパンク・ロックの持つ熱量/抑えきれないエナジーのようなものが表立っていました。けど実はGONGONの優しさから溢れ出る暖かい歌声と、背中を押してくれる応援ソングのような一面も大きな魅力でした。
中~後期はむしろその側面の方が大きかったと思います。
「明日はきっとある」「僕がそばにいる」といったJ-POPによくある、応援ソングはこれっぽっちも興味がないのですが、B-DASHの歌詞に出てくるそういった言葉は凄く心に響いて、何度も助けられました。
有象無象のPOPソングと彼らの曲は何が違うのか、理屈では説明できませんが、理屈ではない。それが音楽というものだと思います。
そんな私の命の恩人ともいえるGONGONですが、数年前からSNSを見るとかなり病んでいたようでした。
いつか何かGONGONの助けになることができないか?恩返しする方法はないか?と思っていたのに、それもできなくなってしまった・・・。
なんともいえない喪失感と、無力感と、怒りのような気持ちもあります。
だからなかなか現実に向き合う気になれませんでした。
そんなやるせない状況ですが、少しずつ彼らの曲を聴きけるようになってきました。そして、当時彼らに勇気をもらっていた青春時代を思い出してきたんです。
この辛い気持ちも、きっとB-DASHの曲が救ってくれる。
このまま嫌な思い出として終わらせないためにも、B-DASHの曲で塗り替えていくしかない。
ていうかやっぱり普通にいい曲!とただただ再認識。
短い人生の中で、B-DASHに出会えてよかった。
GONさん、素敵な思い出をありがとう!
残されちゃったから、あなたが残してくれた素晴らしい楽曲と、楽しかった思い出を語り継いでいくね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?