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【映画】ヒストリー・オブ・バイオレンスを観た

【映画の一口感想】
「ゆったりとした、スピード感で不気味さと狂気を演出するって、なかなかやなぁ」

ヒストリー・オブ・バイオレンス。
失礼ながら全く知らん映画だった。

出演している俳優も、エド・ハリスは分かったけど、他の方々はほぼ知らない。
(どっかで見たことあるぁ・・・の人は少しいたけど)

当然、全然期待しないで観たのだけど、これが意外と面白い作品だった。
まぁ、最初から期待値が低かったのが幸いしたのかもしれんけど。

まず、オープニングシーンが良かった。
派手なシーンで釘付けにするわけでも、主人公の独白から始まるわけでもなく、晴れやかなアメリカの田舎町の一角のゆったりしたスピード感で、でも不気味な狂気をたっぷり感じる冒頭。
こういう見せ方をされると、つい引き込まれてしまう。
また、冒頭に出てくる2人の俳優の気怠げな感じがたまらない。

そんなわけで、観始めてあっという間に作品に没頭させられるわけだけど、ストーリーはシンプル。
元マフフィアの殺し屋が足を洗って名前を変えてアメリカの田舎で家族と慎ましく幸せに暮らしているところへ過去に恨みを持つマフイアが居場所を突き止めて・・・よくある感じ。

でも、この映画、全編を通じて、アクションシーンやバトルシーンがそれほど多くない。
どちらかというと、冒頭にあるゆったりしたスピード感をキープしつつ、過去に縛られて堕ちてゆくのか、過去を断ち切って未来へ進むのか、もう、見てる方の感情をグラグラと揺らしてくる。

過去を断ち切って新たな自分に生まれ変わろうと決意しても、過去を断ち切れるかどうかは結局他人に決められるのだ。
自分でいくら「もう昔の俺じゃない・・・」といったところで、
自分以外の他人がそれを認めなければ、過去はいつまで経っても自分にまとわりついているものなのだ。
過去を断ち切るには、他人が忘れる、許す、諦める、以外には、自らが排除していかなければならない。
これが、よく言われる「過去にケリをつける」ことなんだろうな。

主人公のトムがジョーイ変貌するする時の顔の表情が、ゾッとするぐらい真に迫っていた。
スゲェ良い俳優だな、、、と思って調べたら、「グリーンブック」のウィゴ・モーテンセンだった。
全然わからなかった。。。

よい作品だった!

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