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【挿絵】の世界へようこそ!

来月 7月4日(火)から国立西洋美術館で開催される
<スペインのイメージ展 〜版画を通じて写し伝わるすがた〜>。
【版画】の良さはよくわからない!と公言している私は「うーーーん、版画かぁ・・・」と思っていたのですが、楽しみにしていることがあります。

それはスペインが誇る騎士道小説『ドン・キホーテ』(ミゲル・デ・セルバンテス著)の【挿絵】作品群です。

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2022年10月に訪れた<日本の中のマネ展>で、あの・・マネが【挿絵】を描いていたことを知りました。
帰宅してからマネが【挿絵】を提供した作品=エドガー・アラン・ポー『大鴉おおがらす』を読み、マネが文学作品からイメージした世界=【挿絵】を改めて鑑賞。
これまで観てきた有名な絵画からだけでは知り得なかったマネの新しい一面を発見したような気がしました。
【挿絵】って面白い!。
そして同じ『大鴉おおがらす』を読んで ギュスターヴ・ドレをはじめとする多くの画家が挿絵を提供していることを知り、【挿絵】という分野に大いに興味が湧いたのです。もっともっと見たい!

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2022年8月に訪れた<自然と人のダイアローグ展>で、ギュスターヴ・ドレの描いた力強い【風景画】を観て心動かされました。ただ油彩画を描き続けたドレが評価を得たのは【挿絵】の分野だったそうです。
彼が『ドン・キホーテ』の【挿絵】制作のためにスペインを旅行したことを知り

いつの日か、ドレの挿絵版『ドン・キホーテ』を読んでみたいものです

note記事『第2章 みちの風景を探求すべし!』より

と投稿していました。

ギュスターヴ・ドレ『ドン・キホーテ』挿絵より
左)ドン・キホーテとサンチョ
右)風車に突進するドン・キホーテ

ドレの描いた作品は、それが【挿絵】ではなく、ある風景を描いた【版画】だとしても、そこから物語が創作できそうなほど躍動感に溢れています。
文学作品→【挿絵】制作だけでなく、【版画】→小説の創作もありですね。
iPadの画像を見るだけで想像の世界に入り込んでニタニタしてしまいます。

そして どうやら今回の<スペインのイメージ展>でギュスターヴ・ドレの『ドン・キホーテ』【挿絵】が展示されるそうです!!!
何とも。。。
国立西洋美術館は私の投稿を読んでくれているのかしら?
なぁんてことは100%ないのですが、自分の中でこの奇跡に喜んでいる次第です。

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芸術新潮2023年6月号に、国立西洋美術館の川瀬祐介先生のお話が載っていました。

本書は、もともと騎士道小説を下敷きにした大衆向けのドタバタ喜劇ですが、本国以上にフランスやイギリスで人気を呼んで版を重ね、時代によってさまざまな解釈がなされるようになりました。18世紀の啓蒙思想の時代には風刺小説として、19世紀のロマン主義の時代には理想に向かって突き進む孤高のヒーロー小説として・・・。読み方が変わると、自ずと挿絵の画風も変化してゆきます。未だに万国共通の決定版となっているのがフランス人画家ドレの作品。心理的洞察に基づく人間描写や、現地に取材した風景描写が絶妙です。

芸術新潮2023年6月号より 

そして、展示される『ドン・キホーテ』の【挿絵】で現在公開されているのが、こちらのオノエ・ドーミエ版。

オノレ・ドーミエ 『ドン・キホーテとサンチョ・パンサ』 1850-52年

うわーーーっつ、全く違う世界観!!これまた素敵✨。

この『ドン・キホーテ』の【挿絵】作品群は、17世紀の逸名の画家から20世紀のダリに至るまで、50点以上が展示会場の冒頭に紹介される予定、というのですから今からワクワクが止まりません。

私には理解が難しい【版画】の世界、まずは【挿絵】からスタートしたいと思います。

<終わり>

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エドゥアール・マネの【挿絵】を紹介した投稿はこちらで。

ギュスターヴ・ドレの【風景画】を紹介した投稿はこちらです。


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