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動物と一つになろうとした画家

Agenda 2020 <2月・③>

『Jeune chêne 』(若いオークの木) 1909年
今週は20世紀初期ドイツの画家、フランツ・マルク(1880−1916) の作品です。
私はマルクの名前すら知りませんでした。

そして彼の言葉がこちら

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Dessiner un objet de façon que chaque trait paraisse inamovible et on ne peut plus nécessaire ; que la ligne ou le modèle décrive et représente totalement l’objet, de la manière la plus simple et donc la plus “ expressive “ ,tout est là .
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原文のドイツ語を仏訳しているからでしょうか?
私がフランス語を理解できないから?それとも現代美術やマルクのことを全く理解できないからでしょうか。
今週の言葉の意味がよくわかりません💦
しかし この機会にマルクのことを学んで、少しでも画家の言葉に寄り添いたいと思います!

風景画家で神経質な父親に厳しく育てられたマルクは、内向的で人間嫌いの子供だったようです。動物たちの純粋さに惹かれて大好きになった彼は、作品によく動物を描き入れていました。
1903年からパリに滞在し ゴッホの作品に影響を受けてからは、自由で生き生きとした表現を手に入れ、動物画も大胆かつ生命感あふれるようになったようです。
そして1909年頃に描かれたのが本作。

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確かに、若いオークの木は画面いっぱい自由にうねり、好きな方向に広がって生命力にあふれています。そして波打つ雑草のタッチはゴッホの筆触に似ているような気もします。

さて、実は今週の言葉はこの作品について語ったものではなく、その後カンディンスキーと「青騎士」という年刊誌を刊行した1911年頃のものです。
グループ「青騎士」のメンバーは、
全ての芸術は精神からスタートするのであり、外観というベールの背後にある隠れた事物を大切にしてそれを表現しようとしました。
その中でマルクは、動物だけが人類に欠けている純粋さと美しさを持っていると考え、動物の姿に高貴な精神性と力強い生命力を象徴しようとしました。色彩にも明確な象徴性を持たせ、モチーフの形態を単純化する抽象的表現に向かっていくマルク。
うっ…難しい💦

彼について書かれたいくつかの記述から今週の言葉を私なりに読み解くと、
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主題としての対象物(ex. 動物の姿)は必要最小限まで単純化し、その背後にある精神的な尊さを完全に表現することが画家の使命なのだ!
=精神的な尊さを完全に表現するために、主題は必要最小限にまで単純化する!
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ということでしょうか。今の私にはこれが限界です💧

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1914年頃には未来派とキュビスムの影響を見せ、それ以降の作品はより複雑な構造を持つようになったそうです。自らの魂を動物たちに投影していたともいわれるマルクは、第一次世界大戦の中 36歳の若さ、夢の道半ばで戦死しました。
マルクの “ expressive “ がもっと見たかったです。
・  <終わり>

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