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夢の引越し便 #1-①

真っ青な空の中に
形を変えずにたたずむ
白い小さな雲
肌を刺す冷たい空気を
ゆっくりと押しのけてくれる
秋の太陽
流れる車 釣り人の会話
橋を渡る電車
世界がクズであるように
僕もまた無能の人間である
僕は僕を偽り
僕は僕を失い
そして涙を流す
雲は消えていた

【これは私が大学四年の時に、授業を休み、多摩川の土手に腰掛け書いた文だ。
ゆっくりと秋の匂いがしてきていて、草むらから虫の声が聞こえていた。私は何を考えていたのだろう。何も考えていないようで、実はたくさん考えていたような気がする。そのときの時間は今までの人生の中で一番ゆっくりと流れ、まるで私が問題の解決法を発見するまで止まっていてくれたように思える。だが、今となっては、当時導き出した解決法(とまで言えるのかも疑問だが)は、ほんのひと握りしか残っていない。】

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