見出し画像

結婚式用ムービー納品の流儀

こんばんは、レイヤーズです。

結婚式場でオープニングムービーやプロフィールムービーを上映する場合、必ず守らないといけない結婚式場のルール(流儀)がありまして、それを守らないと式場から差し戻しとなってしまうことがあります。

このルールは結婚式業界特有の内容が多く、ウェディングムービークリエイターとして活動している人の中では業界の流儀として必ず守られているものです。
(この記事の中盤で実際に式場から提示されるルール書類を掲載しています)

今回は結婚式ムービークリエイターなら絶対に押さえておくべき、映像制作の「流儀」について解説します。


結婚式場はディスク上映が基本!

流儀の第一歩はこれです。
ウェディング業界はDVDもしくはBlu-rayでの上映が基本です。
完成したプロフィールムービーを新郎新婦に納品するときは、DVDもしくはBlu-rayでお渡ししないと新郎新婦が困ることになります。

データで納品し新郎新婦側でディスクを作成するケースもありますが、基本的には製作者側でディスク化する事が多いため、ディスク作成のスキルは必ず身につけましょう。

「え?ディスク?」「動画もオンデマンドが主流になっているのに今更DVD?」「もうディスクなんて何年も使ってないよ〜〜T_T」

読者の方でこれからウェディングムービークリエイターを始めるという方は、なぜ令和のこの時代にディスクなんだとびっくりされる方もいると思います。

ディスク納品が主流の理由

なぜウェディング業界はディスクで映像を上映しているのか?については、きちんと説明すると長くなってしまうので、端的に結論だけお伝えすると

①DVDプレイヤーが主流で、データ再生用の機器(PC等)が常設されてない会場がまだまだ多い

②市販楽曲利用(音楽著作権)の都合上、2023年1月まではディスク再生でしか上映できなかった

この二つの都合があり、ディスク上映が主流となっています。

2023年の1月にデータ納品が解禁!

動画のオンデマンドが全盛になり、やっと2023年1月にウェディング業界でも市販楽曲を利用したムービーのデータ納品が解禁されました。
ウェディングの音楽許諾を管理するISUMが2023年1月に解禁を告知しましたが、ISUMやJASRACといった音楽管理団体についてはまた別の記事で解説したいと思います。

当面はディスク作成のスキルが必要不可欠

データ納品が解禁されたことで、少しずつですがディスク不要でデータ上映を可とする式場が増えてきました。
1年経った今の時点で、レイヤーズが携わるウェディングムービー案件のデータ納品の割合はまだ15名中1名(約7%)程度ですので、完全にディスクが無くなるまではまだ数年かかると思います。(1年経ってまだ7%か〜😭)

結婚式場でムービーを上映する流儀の詳細

ここからは式場ルール(流儀)について詳しく解説していきますが、具体的な書面を見てもらった方が分かりやすりと思いますので、実際のルール書類を3式場分掲載します。

実際の注意事項書類

3式場分の書面を見比べると、ルール掲載の順番や文章表現で多少の違いはありますが、ほとんど同じ内容が書かれています。

書面からルール(流儀)を整理すると以下のようになります。

1.映像制作に関する流儀

1-1.本編の最初と最後に5秒以上の黒(ブランク)を入れる

1-2.テキストはセーフティーゾーン(80%)内に入れる

2.ディスク作成に関する流儀

2-1.アスペクト比は「16:9」もしくは「4:3」で作成する

2-2.書き込みディスクは「DVD-R(DVD上映の場合)」もしくは「BD-R(Blu-ray上映の場合)を使用する

2-3.DVDの場合は「NTSC / DVD-Video形式」、Blu-rayの場合は「BD-Video形式」で書き込み(ファイナライズ)したディスクを作成する

2-4.ディスクには「リピート」や「チャプター」設定はしない

2-5.柄や写真、BGMをいれた「ディスクメニュー」を付けない

2-6.16倍速等の「高倍速」でディスクの書き込みをしない

2-7.オープニングとプロフィールムービー2つの映像を上映する場合、  ムービー毎に別々のディスクを作成する

2-8.ディスクの盤面には「挙式日」「両家名」「上映シーン」を明記する

※盤面への情報記入は新郎新婦にお願いしてもOKです

3.番外編

ディスク作成やブランク挿入といったテクニカルな内容以外で、配慮すべき点があります。

以下はお祝いの席では縁起が悪いとされています。

3-1.忌み言葉「忙しい」「忘れる」「離れる」等を使用しないようにする

3-2.句読点「。」「、」を使用しないようにする

「最近は忙しくて会えないけどまたバスケしよう。その前にまずはダイエット!」
とプロフィールのメッセージで書くと、アウトです。

あくまで個人的な見解ですが、忌み言葉や句読点を使ったからといって、縁起が悪い、無知な新郎新婦だと考える人は、今の時代あまりいないと思います。

「忙しくて・・・」「単身赴任で2年間離れて暮らしました!」というようなメッセージは実際よくあります。

ディスク作成した後に式場で再生確認をしますが、その時にプランナーさんから指摘が入ることが稀にあります。
直すか直さないかは新郎新婦次第ですが、言われたら気になるから直すという結論に至ることが多いです。

レイヤーズでは忌み言葉はスルーしますが、句読点はできるだけ外してあげるようにしています。

3-3.市販楽曲を使用した場合は利用許諾の手続きをする

市販楽曲を利用した場合は、ISUM等への利用申請が必要です。
式場からも音楽許諾証明を確認されます。
映像仕様やディスク作成にルール違反がなかったとしても、許諾証明がなければ上映してもらえません。

ISUM、JASRAC、日本レコード協会への申請をムービー製作者が行わない場合、新郎新婦は申請代行できる業者に依頼する必要がありますので、各団体へ加盟してない方は必ず新郎新婦にその旨伝え、申請してもらうようにしましょう。

以上が「結婚式場でムービーを上映する流儀」でした。

この記事を読んだだけだと「めっちゃ複雑じゃん…」「毎回これやるの…」とネガティブになるかもしれませんが、実際慣れてしまえばなんてことはありませんので、ぜひ「流儀」をおさえて良いムービーを作成してください!

最後までご覧いただきありがとうございました!

See you!







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?