リーグ戦最終節の戦い方について
第48期最高位戦リーグ戦も終盤を迎えました。
最終節を終えたリーグも多く、悲喜こもごもの報告が届いてきています。
(かくいう私は、降級の方が近い残留でした……危なかった(>_<))
中には、昇級や残留までポイントが離れてしまっていて、どう戦えばいいのかわからなかった、という最高位戦選手の若手の方もいたと思います。この記事は、そうした最高位戦選手に向けて、私の考え方を紹介するものになります。
(また、最高位戦選手以外の方にも、リーグ戦を観戦する際の考え方の参考になればありがたいです。)
競技規定を読む
どう戦えばいいのか。迷った時にまず選手が参照すべきは、競技規定です。
そこには、こう書かれています。
第一章 基本精神
・全ての選手が公平であるように努めなければならない
・全ての選手には審判義務が生じる
・立会人の裁定には必ず従わなければならない
・自己の利益を目的としてプレーしなければならない
・対局が速やかに進行するよう努めなければならない
今回の話で重要なのは、以下の2つです。
・全ての選手が公平であるように努めなければならない
・自己の利益を目的としてプレーしなければならない
ここでいう、自己の利益とはなんのことでしょうか?
私の考えは、以下のとおりです。
・まず第一に、昇級すること。
・昇級が難しい時は、残留すること。
・昇級や残留のボーダーと無関係の時は、一つでも期首順位を上げること。
・一つも期首順位を上げることが難しいという時は、1ポイントでも多く獲得すること。
自分はもうトップをとっても降級確定だから、あがりも放銃もしないでただ見ていよう、という打ち方は、私は競技規定に反するのではないか?と思っています。
なぜなら、リーグ戦においては、本質的に部外者など存在しないからです。
自分自身に昇級の可能性がなくても、自分の同卓者と争っている別卓の人間にとっては、あなたがトップをとるかどうかが非常に重要な意味を持っていることがあります。
つまり、あなたがどんな配牌でもあがらない、放銃もしないという選択をとることは、同卓者に対して有利に、別卓の人間に対し不利に打つということになり、
・全ての選手が公平であるように努めなければならない
という規定に反するのではないか?と思うのです。
私自身、別卓の人間が70000点トップをとらなければ昇級できるという時に、70000点トップをとられて残留した経験があります。
もしその時、同卓の3人があがりに向かわず、ただその人が連荘するのを眺めているだけだとしたら、「ちゃんと打てよ!」という気持ちを持ってしまったかもしれません。
リーグ戦の参加者は、全員が自己の利益を目的としてプレーしていると信頼するからこそ、どのような結果も納得して受け容れることができるのです。
(もちろん、そこに至るまでにもっとポイントを稼いでおけばよかっただけの話で、結局は自業自得なんですけどね)
期首順位とは
また、期首順位についても、忘れてはいけません。
本部リーグに所属する最高位戦選手には、全員に期首順位という通し番号が振られています。
これは、通期リーグであれば1年ごと、半期リーグであれば半年ごとに更新される、最高位戦における「強さランキング」のようなものになります。
これは、タイトルの獲得数などは全く考慮されず、純粋に前回のリーグ戦の結果のみを元にした数字です。
この数字を少しでも小さくしていき、いつかは1=最高位を目指す、というのがリーグ戦に出場する最高位戦選手の目標になります。
期首順位は単なる数字というだけではなく、実際の意味もあります。
まずは、シード順位です。
最高位戦では、期首順位が上の人間の方がシード順位が上位となります。
下位リーグにまで実際にシードが回ってくることはほぼありませんが、上位リーグでは大きな意味を持つ数字となります。
また、リーグ戦の成績が同ポイントで終わった場合は、期首順位が上の選手が上位となります。
これも、実際にリーグ戦の成績が同ポイントで終わることなど稀ですし、ましてやそれが昇級ボーダーや残留ボーダーに重なったことなど、未だかつてないかもしれません。
それでも、ベストを尽くすというのであれば、期首順位を上げておくことは当然の判断になると思います。
終わりに
以上が私の考えです。
目の前の同卓者が昇級を争っていて、自分の一見して意味のないあがりによって昇級を阻むことになるのは、心苦しい……そんな気持ちも理解はできます。
なので、これが正解だと押しつけるつもりはなく、考える一助となればと思い、書かせていただきました。
それから、これはあくまで最高位戦のリーグ戦においての話です。
タイトル戦決勝などはまた別で、それはそれで難しい問題だなと思います。
今西はどんな答えを出すのか……!?それを見せるためにも、まずは何かの決勝に残りたいと思います。
拙筆失礼いたしました。
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