【法律事務所】結局事務員って雇用した方がいいの?

独立する際、事務員(秘書)を雇用するかは一つの悩みのタネとなります。

ひと昔前は事務員はいて当たり前くらいの感覚でしたでしょうが、最近は電話代行等の秘書サービスの普及により事務員なし弁1あるいは弁複数の事務所が増えているようです。

私は事務員なしで即独しましたが、今は雇用しています。事務員ありなし両方を経験した私のこの問題に対する答えは、断然あり派!というものになります。

事務員雇用をためらうポイントは人件費の負担でしょう。正社員で雇うとなれば間違いなく事務所最大の支出となります。純粋な秘書的業務をしてもらって相場平均程度払うなら社会保険含め年間の支出は1人400万円程度になります。

私もこの支出をネックに感じており、しばらくの間、事務員なしで事務所を運営していましたが、事務員を雇用したことで収入が増えたので雇用してよかったです。

もともと私の主な集客源はコアな関係性の紹介者からの紹介とネットからの特化的分野の問い合わせだったのですが、事務員の雇用によりライトな関係性の知人からの紹介や依頼が増えました。

ここでいうライトな関係性の知人とは、ときどきご飯に行ったり、ゴルフに行ったりするような関係性の人たちです。概ね会社経営者で、外資系生保の営業マンの方もいます。仕事の知人というよりはいわゆる遊び仲間です。

ライトな関係性の知人からの依頼や紹介が増えた理由は次のとおりと考えられます。

①平日外出しやすくなり、ライトな関係性の知人が増えた
②信用度が上がった

まず、端的にライトな関係性の知人が増えたということが要因です。留守番役としての事務員に事務所に居てもらうことで外出が容易になるため、平日のお誘いに応じやすくなりました。

暇な経営者層はだいたい平日はゴルフなどで遊んでいますので、平日のゴルフに行ければ遊び仲間としてコミュニティに参加できます。平日遊んでるような経営者は顔が広いことも多いので、次々と仲間を紹介してくれるようになります。

そのおかげで、経営者層の知人がだいぶ増えたと思います。私はJCとかの経営者団体に所属したことはありませんが、遊び仲間コミュニティは、時間的な負担はJCほどもなく、同業者もあまりバッティングしないのがよかったと思います。同年代とかのイソ弁とかは、経営者団体の行事に参加できても、平日遊びに行くなんてたとえ暇であってもまず無理でしょうから、同じ年齢層で同業者と被ることはまずなかったです。

次に信用度が上がったという効果は間違いなくあると思います。顧問先だったり一緒に仕事をしているようなコアな関係性の紹介者は、既に信用を獲得しているので、仕事で評価をしてもらえますが、ライトな関係性の知人は仕事での評価は期待できません。

すると事務員がいないと「事務員もいない事務所で大丈夫かなぁ」という不安は少なからず持つのではないかと思います。事務員がいればそういった不安がなくなるので、紹介や依頼を受けやすくなるのではないかと思います。

他には、弁護士が生産性の高い業務に集中できるだとか、話相手ができるといったりする効果がよく言われていますが、私にとっては上記の効果が大きかったです。

ちなみに事務員を雇うことにより自分の仕事が減るかというと、必ずしもそうではなく、労務管理など弁護士固有の仕事はむしろ増えます。

独立時の売上が1000万円を見込めないのであれば、さすがに事務員の雇用は微妙だと思いますが(そもそも独立も辞めた方がいいのでは?)、1500万円ぐらい見込めるのであれば、事務員を雇用することでさらに売上も増えるのではないかと思います。

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