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寄与分が認められる5つの条件とは?

『寄与分』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、被相続人(亡くなった方)の財産を相続する際、特別の貢献をした相続人や親族がいる場合に、その者に対して相続分以上の財産の取得を認める制度です。

ただ、条件が厳しく、なかなか認められないのが現状です。
今回は、寄与分が認められる5つの条件について、お伝えさせていただきます。


「寄与分」とは?

被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合に、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる制度です。
相続の場面では、法律で決められた相続分(法定相続分)にしたがって遺産を分けることが基本です。

寄与分が認められるための法律で決められた「5つ条件」

① 貢献度が非常に高い【重要】

身内の助け合いのレベルを超えて「特別の貢献」を行った場合です。もし被相続人の親や配偶者が被相続人の療養看護として身の回りの世話をしていたとしても、それが通常の助け合いの範囲内ならば特別の寄与とは認められないでしょう。

【OK】別の貢献と見なされるケース例

・自宅介護で毎日昼間は30分おき、夜間は2時間
 おきに被相続人を世話をしていた。
・同居していて被相続人の分の生活費も全て負
 担していた。
・被相続人が営んでいた商店の経理を担当し、
 経費削減に貢献した。

【NG】特別の貢献と見なされないケース例

・入院している被相続人を週に数回見舞いに行き、
 身の回りの世話や雑用をこなしていた。
・通院のため週に数回車を出して付き添っていた。
・同居して被相続人の分の家事も行っていた。
・被相続人の水田を田植えと収穫の時期だけ
 手伝っていた。

② 片手間ではなくその行為に専念

少し曖昧な表現になってしまいますが、寄与行為が多大な手間と労力がかかっていた必要があります。
具体的には「仕事を辞めた・勤務時間 を大幅に減らした」など、自分の生活 を崩してまで貢献していた場合が認められます。

③ 長期間にわたって行為を行った

たとえば1ヶ月・半年だけ被相続人の介護を行った場合、長期間の行為ではないため「特別の貢献」として認められない可能性が高いでしょう。
長期間:どういう態様の貢献を行ったかとの相関関係なので一概には決められませんが、一般的な介護であれば、3年が一つの目安と言えるでしょう。

④ 被相続人の財産の増加・維持に寄与

被相続人の財産を増やしたか減るのを防いだ、という事実が証明できなければ寄与分とは認められません。
例えば
「事業を手伝って売上が増加した」「自宅介護することで介護ヘルパーを雇う費用500万円浮いた」などです。

⑤ 無償・無償に近い行為を行った

寄与行為を無償で行っていたことも寄与分の必要条件です。「代わりに不動産を譲り受けた」「お礼として結婚資金を他の兄弟より多くだしてもらった」なども対価と見なされる可能性が高いでしょう。ただ、報酬を受け取っていた場合でも、明らかに他の人の報酬より低かったり無償に近いほど低額であったりした場合は、寄与分と認められる可能性があります。



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