特定行政書士徽章への複雑な気持ち

とても個人的なブログ的な記事です。
まったくタメにはなりませんのでご了承ください。

特定行政書士徽章の基本情報

行政書士の上位ステップアップ資格として特定行政書士があります。
主には、不服申立てという、行政に対して「その結論や理由はおかしいと思う、別の人が再確認すべきだ」と申し入れる手続きをできるようになったりします(制度の説明はかなりざっくりなので、気になる方は別にお調べください)。

さて最近、この特定行政書士の資格を得た人だけがつけられる徽章がつくられました。

オモテのデザインは普通の行政書士とまったく同じで、大きさだけが数ミリ大きくなります。
ウラには番号と特定行政書士の文字が入ります。
そして金具は、普通の行政書士にはネジ式とピン式があるのですが、特定行政書士徽章はピン式のみなのだそうです。

特定行政書士になってもこちらの徽章は義務ではなく、数千円かかることでもありますので、前宣伝のわりに小規模な差異を前に、入手するとかしないとか、当事者の間でも割れている模様。

私も御多分に漏れず、どうしたものかと頭を悩ませております。
ただその理由は、「見た目の違いが分かりにくいから」ではないのです。

特殊な事情からのもやもや

せっかくだから大きめの徽章があれば、ほとんどの人が見分けられなくてもちょっとテンション上がるなあ、という気持ちはあります。もし何の事情もなければ、わりあいその辺はミーハーなので、迷わず入手したと思います。

もやもやしてしまうのは、金具の形状のことです。

私は行政書士登録をする際にジェンダーマイノリティであることを申告し、提出書類の性別を記入せずに通すことを認めていただきました(「参考までに」戸籍上の性別が登録はされるとのこと…それもモヤッとはしますが)。
徽章についても、通常は男性ならネジ式、女性ならピン式と勝手に決められるのだそうですが、私は選ばせていただき、ネジ式を使っています。

何十年も経てば色あせるかもしれませんが、まだこのエピソードから日の浅い私にとって、ダメ元で申告してみたら思いがけず徽章まで選ばせてもらえたことはとても温かい記憶です。
それだけにネジ式の徽章に思い入れもあります。

その一方、このエピソードで「男性ならネジ式、女性ならピン式」という一方的な押し付けに疑問を抱いたのも事実です。
本来ならマイノリティであることを申告した私だけではなく、すべての人が選べてしかるべきなのではないか?私もこのくらいのことで喜んでいないで、申告した人だけの特権になっていることにもっと憤るべきではないか?

なので、全員がピン式という、思っていたのとは違う方向でも、性別による差異をなくした形は歓迎されるべきだと思います。
本当なら「押し付けがなくなって良かった!私もそれに賛同してお金出します!」と言いたいところですが…ネジ式への思い入れが邪魔をしてくるのです。

「あのとき効果的に説明した自分と、それに応答して選ばせてくれた行政書士界」の物理的な象徴としてのネジ式を使い続けたいと思ってしまう気持ち。
と、同時に、やっぱり大きめ徽章いいじゃんという虚栄心、それからみんな平等になったことに賛同を示すためにも入手すべきだという気持ち。
の間で、もやもやしているうちに受注期間が終わってしまいそうな私です。そう、この徽章、入手できる期間が年1回と決まっているのですよ。

(あと、ピン式って金具がユルくなりやすいイメージがあり…うっかりカバーが外れてピンが自分に向いてたりしたら怖くないですか…そんな別方向の不安もあります)

入手だけはして、身に着けるのをどちらにするかはまた別の話…ということにするか(今のところ特定行政書士徽章を手にしても普通の行政書士徽章を返せと言われる話は聞かない)、でもそれはちょっともったいない気が…などなど、ずっと迷い続けている私です。

オチなんてないですよ。人の心って難しいですよねと、そんな話です。

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